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2020年夏 ザルツブルク ブログトップ
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エレクトラのプルミエ [2020年夏 ザルツブルク]

現在、2020年のザルツブルク音楽祭の話を連載中。

2時間はあっという間だった。
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「上演中はマスク外してもいい」というアナウンスがあったとはいえ、ホントに外しても大丈夫かな、などとコロナのことが気になりつつ始まったオペラだが、いつしかそのことを忘れていた。素晴らしい作品。素晴らしい演奏。素晴らしい歌唱力。そして、素晴らしい演出。2年前の「サロメ」に続き、この「エレクトラ」は「ああ凄いものを見た!」という満足感と感動でいっぱいになる素晴らしい出来。この演出には好き嫌いがあるかもしれないが、ああ、ライブっていいなあ~~とそこにいた誰もが思い、何よりもそのことで感動していたように思う。世界的にもオペラなんて、この数か月どこもかしこもストップしていたのだもの。

あらすじはこちらこちらを見ていただくとして、このギリシャ神話に由来する「エレクトラ」を今回は心理ドラマ的な演出で表現してて、おおこれは何なの~と見ていて解釈に忙しい。主役のソプラノはめぎ的にはちょっとビブラートありすぎという気がしたが、演技は神がかった素晴らしさで目が離せない。妹役のめぎの大好きなAsmik Grigorianもキュートで美しくて歌は流石の抜群の素晴らしさだったし、Franz Welser Möst指揮のウィーンフィルの演奏が感動もの。ああ、頑張ってザルツブルクまで来てよかった!としみじみ涙してしまうほどだった。

興味のある方はこちらをどうぞ。日本でも見られるといいな。ちなみに最初に朗読があって(それはあまりそれをやる価値が分からなかったが)、オペラが本当に始まるのは8分55秒目ぐらいから。あとでドイツのテレビで放映されたときに自宅でうちのドイツ人ともう一度一緒に見たが、この演出と演奏の質の高さにうちのドイツ人がライブで見ためぎをとても羨ましがっていた。そういうのは滅多にない。



2時間も長すぎる、ドイツ語で分からないし、という方は、4分間だけこちらをどうぞ。ブラジャー(プールサイドなのでビキニの上かもしれない)で歌っているのがめぎの好きなAsmik Grigorianである。殺された父親の敵討ちに母親と愛人を殺したい姉エレクトラに対し、妹役Asmik Grigorianが復讐心を抑えて普通に自由に生きていきましょうよ、と歌っているところ。



「エレクトラ」を見たのは初めてだったけど、もう他の歌手や演出では見たくないな、これがきっとここ10年20年の世界中の「エレクトラ」のベストに違いない、と思うほどよかった。そして、やっぱりオペラはライブで見るべきなのだ、観客を減らしてでもライブで公演すべきなのだ、と強く思った。このコロナの時期に、これだけの演技をしてくれた歌手の皆さんとウィーンフィルの皆さんとそれを支えたスタッフに感謝。どれだけ衛生に気をつけていたか、計り知れない。オケは普通に密だが、練習なども常にグループ分けして行動し(他の団員との接触をできるだけ避ける)、週に一回だったか定期的に検査をしていたという。

それから、昨日のコメントで日本では規制が難しいとか従わない人がいるというのがあったが、こちらでも規制に反対するデモがあったりはするものの、決まりは決まりなので、その決まりがある限りは従わなければ音楽祭に入場できないし、上演前にマスクを外しているとすぐに係員がやってくる。そこでさらに従わなければつまみ出されるのであろう。そこには個人の裁量が関与する隙間はない。嫌な人は音楽祭に来なければいいのであって、来る人は従うのだ。決まりというのはヨーロッパでは(少なくともドイツ語圏では)日本より厳格で、決まっていることに関しては個人の良識や常識や判断にゆだねる部分が非常に少ない。その代わり、決まっていないことに関してはどこまでも個人の自由が尊重されるのだが(だからマスクをせずに外を歩いていることを咎めるようなことは全くない…外でマスクをしなければならないという決まりはないからだ)。それがいいのかどうかはなんとも言えないが、この今の状況下でできうる最大の配慮をして何とかこの国家的行事の音楽祭を成功させたいというオーストリアの意欲が伝わってきて、それに我々観客も精一杯応えていると言うような感じだった。我々は協力関係にあったのだ。それがめぎにとって非常に大きな体験だった。
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公演後 [2020年夏 ザルツブルク]

現在、2020年のザルツブルク音楽祭の話を連載中。

これは、音楽祭の初日の8月1日、オペラのプルミエが終わったところ。外に出るなりマスクを外す人たち。
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よかったわね~というおばちゃんの声が聞こえてくる。
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息子とお母さんなのかな…お母さんをエスコートする息子、カッコいいわね~
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その後ろではメディアがこれぞという人に声をかけて撮影していた。カッコいいのでめぎも撮ったら、あのマスク外して「よかったわね~」と話していた扇子おばちゃんが通って行った…パープルのドレスと扇子に赤の靴と眼鏡。すごく似合ってる。
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さて、めぎはサクッとまず宿に帰り、ドレスを着替えて近くのビアガーデンへ。この日は暑かったし、オペラは19時で終わったので、一人だけどザルツブルクの地ビールの生をググッと一杯だけ楽しんだ。
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でも夕食は宿で。ザルツブルクでいつも楽しみにしているマルクト市場のお惣菜屋さんで買った魚介やアーティチョークなどをつまみに、スーパーで買ったオーストリアのワインを。ザルツブルクで魚介ですかって感じだけど、めぎはその馴染みのお惣菜を楽しみにしてきたのだ。今年も食べられて嬉しかった。
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これで1日目は終了。2日目に入る前に、明日から数日はデュッセルドルフのお話を。
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ザルツブルク2日目の朝 [2020年夏 ザルツブルク]

今日からまた、2020年夏のザルツブルク音楽祭のお話を。

朝7時ごろ目が覚め、コーヒーを飲みながら外を写す。
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ああ、誰もいない…朝7時とは言え、誰もいないのを見たのは初めて。ここはいつも早朝から深夜まで観光客が途切れなく歩く通りなのだ。コロナなのねえ…

で、スマホではなくちゃんとカメラで。
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光が差してきた…すぐにまた陰っちゃったけど。
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あ、人だ!これは望遠で。
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それからパンとハムとチーズで朝食に。
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その後、オレンジジュースを飲みながらソファーに座り…
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のんびりと新聞を読んだ。日曜日は新聞が無いので、土曜日に週末版の厚めの新聞が出たのを前日に買ってきてあり、それを朝ゆっくりと楽しんだのだった。このオペラ、土曜日にプルミエを見た「エレクトラ」のシーン。ああ、よかったな~素晴らしかったな…と前日の余韻に浸る。写真はきっとゲネプロで撮ったもの。これはめぎの好きなAsmik Grigorianについての記事。2年前に「サロメ」が大当たりして超有名になったソプラノ歌手なのだが、「永遠にサロメでい続けるつもりはないわ」という言葉が書かれている。そうね、大当たりした後が大変なのよね。今回だって、やっぱりサロメのときと比べてしまうもの。
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この日の話は、現在多忙のため超スローペースで続く。
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