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5公演目その2:アンドラーシュ・シフのピアノコンサート後半 [2024年5月 ザルツブルク聖霊降臨祭音楽祭]

今日は2024年5月のザルツブルク音楽祭のシフのコンサートのお話の続きを。

アンドラーシュ・シフのMCが面白く、幕間にスマホに書き留め、頭をリセットして後半に臨む。これは幕間に撮った写真。先日の前半の記事にも似たようなのを載せているが、先日のはスマホで、今日のはクールピクスAという古いコンデジで撮ったもの。
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後半が始まった。曲目についてはドイツ語のこちら。今はこうして曲目が音楽祭のホームページに載っているけど、このときは曲の名前もシフの解説を聴きとらないと分からない状態で、あとで恩師夫妻に説明するためにめぎは一生懸命暗記中。でも、ケッヘル番号まではとても覚えきれないわ…最初の曲は「ロンド イ短調K.511」。シフはモーツァルトの音楽のメランコリーに触れ、ショパンの予感がすると言っていたが、たしかにショパンですと言われてもそうかもと思いそうな曲だ。この動画はシフが若いときに弾いた録音のピアノ音声のみ。



モーツァルトが短調のソナタを2曲しか作っていないということにも触れた。その1曲目はパリで母親を亡くした直後に作ったソナタ第8番で、それはイ短調だった。このロンドも同じイ短調だが、ソナタ第8番の約10年後にできた作品だと説明。ウィーンで友人の死を悼んで作曲したものだそう。

同じ曲を韓国人のチョ・ソンジンが弾いているのを見つけた。去年の夏におとさんと聞いて感動したピアニストだ。あの日はモーツァルトの若い時代のイケイケな曲をイケイケで弾いたのでまさにマッチしててエネルギッシュで本当に素晴らしかった。このロンドを聞くと、弾き方はかなりロマン派的。めぎは基本的にモーツァルトをこういう風に弾くのはあまり好きではない。が、この曲はショパン風であるのだから、これもまたありかもしれない。上のシフの弾き方だと彼だってかなりロマン派的弾き方なのだがバッハ的バロック様式的要素が非常によく聞こえてくるのに対し、ソンジンのはずっとショパン風に聞こえる。同じ曲なのに全然違って聞こえてとても面白い。



さて、第2幕目の締めくくりに弾いたのが、ソナタの中のもう一つの短調の「ソナタ第14番ハ短調」。これは前半で弾いた幻想曲の姉妹曲だが、それを前後に続けて弾かなかったのは、「悲劇が多すぎるから」とのこと。これもシフのピアノ音声のみ。リンク先は1楽章のみなので、3楽章まで聞きたい方はYouTubeでどうぞ。



これで正式なプログラムは終わりなのだが(曲数の多かった1幕目と違って2幕目はたったの2曲で、暗記には非常に助かった)、アンコールとして「さあどうぞ」と言って弾き始めたのがこの超有名な曲で、弾き出した途端に観客は大爆笑。これは1楽章のみ。



そして本当に最後として、モーツァルト最後のピアノソナタ第18番の2楽章。



後半はYouTubeでシフが弾いている映像を見つけられなくて残念。他の人のは色々あるのだが、めぎはこのシフの職人的弾き方が非常に気に入った。曲に酔っているかのようにカッコつけなくても十分素晴らしいんだよなぁ…と多くのピアニストたちに強く伝えたい。どっちみち、どんな素晴らしいピアニストでもモーツァルト自身にはかなわないのだし。

コンサートが終わってから、ビールを飲みながらこのMCの説明をして、良い演奏だったね~と意見が一致したところでまた次の公演まで別行動。めぎは昼寝した後カフェに行った。いつも行っている馴染みのところがお休みだったので、同じ通りのカフェ・モーツァルトというところへ。モーツァルトの生家のすぐ近くにあるが、たぶんモーツァルトとは関係ない。ただ、昔ながらのカフェの雰囲気で、一人でのんびり寛いだ。
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続く。
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