SSブログ

2公演目:夜のオペラ [2024年5月 ザルツブルク聖霊降臨祭音楽祭]

今日は2024年5月のザルツブルク音楽祭のお話を。

小学校時代の恩師夫妻と訪れた音楽祭でめぎたちが見た2公演目は、オペラ。オペラは20時からなのでその前にゆっくり夕食を楽しむ時間はないし(ザルツブルクでレストランにでも行くと2時間以上かけてゆっくり楽しみましょうという風になるので)、終わると22時なのでレストランで食べるには遅すぎる。で、行く前にちょっと腹ごしらえしましょうとめぎが提案し、19時頃めぎの宿に来ていただいて、昼前に市場で買っておいた揚げた鶏肉とポテトサラダでササッと夕食に。サラダ菜とトマトも市場の八百屋スタンドで買ったもの。この鶏肉、揚げ物なのに凄くカラッとサラッとしてて、一人一つペロッと平らげた。
20240518_184516-2.jpg


それからオペラ用にちょっとお洒落に着替えてまた会場へ。めぎは「オペラ用には日本で結婚式に出るときに着るような服装を用意してください」と伝えてたのだが、本当にこんな格好で行くの?とちょっとご夫妻は半信半疑だった。でもめぎは、音楽祭と言うのは祝祭なので、祝宴に出るときの服装を想定してふさわしい格好をすることで本当に参加できる、靴までしっかり履き替えることで、旅行者として観察するのではなく本当に音楽祭に参加できる、と強くお勧めしたのだった。会場前に来るとやっぱり昼と違ってドレスやスパンコールキラキラが多かった。場所は1公演目と同じ会場。会場前で3人で再び記念撮影し、ササッと中に入り、恩師夫妻はまた例の如くササッとめぎと別れて自分の席へ。で、めぎはまた暇なので中で人々の様子をパチリ。皆さん楽しそう。
DSC_5031_001.JPG


ここで気がついたのだが、めぎの席は昼と同じ場所。隣も同じ人。めぎはセット券を買ったのだが、ここはみんなセット券で買った人たちのようで、この後ずっとほぼ同じメンバーで3日間並んで鑑賞。オーストリア人もいればアメリカ人もいたし、チェコ人も。みんなこの音楽祭を楽しみにセット券を買った人たちで、凄く親近感。前の席の人たちは毎回別の人たちだったけど。ちなみにここでもみんな、昼とはちゃんと服装が違った。
DSC_5035_001.JPG


さて、この日のオペラはモーツァルトのダ・ポンテのオペラのガラコンサート。と言ってもよくあるガラではなく、ダ・ポンテのオペラ3作品+αの様々な曲とシーンをうまく組み合わせて架空のダ・ポンテ空港を舞台に色々な事件が起こる筋書きを作ってあって、本格的に演技する楽しい寸劇となっていた。世界の終末と言うテーマを扱っているけどとても軽快・痛快で、面白い事件が次々と起こり、言葉が分かると100%以上に面白いし、分からなくても演技で十分わははと単純に楽しめる。実際に今起こっている戦争のことを思うとこれでいいのかという気もするが、娑婆で束の間の楽しみを、という感じかな。曲目や出演者はとても載せきれないので興味ある方はこちらをどうぞ(写真もそこにたくさん載っていて、クリックするとさらにたくさんの写真が見られるので、楽しそうな雰囲気がお分かりただけると思う)。これだけの有名なオペラの有名なアリアをまあよくうまく組み合わせて考えたなあと感心する面白い寸劇で、演出はDavide Livermore。歌手の皆さんもまあ演技の上手いこと。そこらの俳優女優よりうまくて恐れ入る。歌はもちろん万全。オペラが好きであれば歌詞が分からずともその歌声だけでも感動ものだ。中でも71歳のAlessandro Corbelliというバリトン歌手のレポレッロがホント素晴らしかった。それにしてもオペラ歌手って、あの声量で歌いながらあの演技ができるんだから、ホント凄いよなぁ…これだけのメンバーが揃ってそんなにリハーサルもできなかったと思われるのに。それにしてもこんな一夜限りのガラコンサートのためにいったいいくらかかったんでしょ…勿体ないなぁ。でも、このレベルの歌手たちがこんなに集まるなんて、ザルツブルク音楽祭とかじゃないと無理だわね。
DSC_5040.jpg


このガラ・オペラにはUne folle journéeと言うタイトルがついていて、それは恐らくLa Folle Journéeと言う名のフランスのナントの音楽祭をもじっているのだろうと思う。La Folle Journéeはモーツァルトがオペラ化した「フィガロの結婚」の原作フランス戯曲の正式名称でもあるし。本当にその意味の通り、「とある狂おしき一日」という感じ。ほぉ~と思ったのは、昼のコンサートに出ていたダニール・トリフォノフも出て、昔のフォルテピアノ(こういうピアノ)でモーツァルトの曲を弾いたこと。ダ・ポンテの作品じゃないけどモーツァルトのオペラ「イドメネオ」の中の作品で、バルトリと共演。昔のピアノを使っているのにやっぱりロマン派的弾き方だったが、こういう催しにこうして参加する人なのね、こういうピアノも弾けるんだな、と興味深かった。まあ暗譜じゃなかったけどね。

オーケストラはLes Musiciens du Prince — Monacoと言って、このザルツブルク聖霊降臨祭音楽祭の音楽監督を務めているオペラ歌手のツェツィーリア・バルトリが組織したオーケストラ。指揮者はその首席指揮者のGianluca Capuano。この3者が共演している動画を見つけたので貼り付けておく。ザルツブルク音楽祭とは関係ないし、曲もモーツァルトじゃないけど。



ガラコンサートとは言え演出がついているようだと事前に伝えておいたのだが、そうは言ってもちょっと振り程度かなとめぎも思ってたし、普通のガラコンサートを想像していた恩師夫妻は、この本格的な演出付きガラにびっくり。これが演出というものなのか、と改めて、と言うよりほとんど初めて知ったという。演出の巧みさはDVDなどではなかなか伝わらないし(どうしても歌っている歌手を大写しにするので全体が分からないから)、昔ながらの演出を変える必要性というものが日本人にはなかなか分かりにくい。見慣れていなければ、そして演出のこれまでの変遷を知らなければ、急に現代の演出を見てもどうしてそうなっているのか理解できずついていけないのだ。そもそも言葉が分からない場合はあらすじを読んだだけでオペラを見ることとなり、そのあらすじとまるで違う演出には頭がついていけない。それに、多くのオペラの演出は失礼ながらあれこれ真似しただけで消化しきれていない学芸会レベルも多く、そういうのをオペラ慣れしていない時点でたまたま見てしまった場合、もう違和感しか持てないだろう。それに対し、こういう世界に名だたる音楽祭や有名なオペラ座で上演されている演出は、これまた名だたる演出家が威信をかけて、これまでの演出を研究し尽くして、これでどうだ!と自分の解釈を世に問うているものなのだ。そういう話をめぎは家族や知人によくしているが、それってやっぱりこうして本物を見て頂かないと伝わらないんだよなぁ…今回本当にいい演出で、かつ分かりやすい内容で、楽しんでいただけて良かった。観客側の方も服装を整えることの意味も分かっていただけたようでなにより。

公演終了後、めぎの宿でまた普段着に着替えていただき、寛いでワインを飲みながらおしゃべり。その時の写真は残念ながら撮っていない。下の2つのワインを飲みながら(両方ともオーストリアの代表的ワイン、白は乾杯にしか飲まなかったのでまだ残っているが、赤は飲んじゃった…また買って来なきゃ)、オーストリアの生ハムにスーパーで買ったカットメロン、オーストリアのチーズ2種類(一つはエメンタールでもう一つはブリー)をおつまみにお出しした。生ハムとチーズはこの日の朝に市場で購入。ただ並べただけだが結構お洒落だった…写せばよかったなぁ。
DSC_6930_001.JPG


話は弾み、解散したのは夜中近く。めぎ家の宿から恩師夫妻のお泊りのホテルまでは歩いて7~8分だが、ちょうど雨が降ってなくてよかった。

これでザルツブルク2日目、音楽祭1日目のお話はおしまい。旅行記はまだまだ続く。
nice!(34)  コメント(9)