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ザルツブルク13日目 [2022年夏 ザルツブルク音楽祭とザルツブルク]

現在リアルタイムで2022年夏のザルツブルクの話を連載中。

滞在13日目の7月29日、朝8時過ぎ。
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早朝は鱗雲が空を覆っていたのだが、この時間になって急に晴れてきた。
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このときはカメラを持っていなかったのよね~スマホで撮影。

何気なく開いていたドアから見えたところ。
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シックなワンちゃんがお肉に集中。
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めぎたちは、金曜日にしか売られないブフテルンという菓子パンを買いにきた。それを数年前に初めて買ったお店に。その後ブフテルンをウィーンやらリンツやらザルツブルクの他のお店やらで食べたが、ここのが一番好きで。今回食べてみて、バニラがちょっとキツいな~と感じたが、ふわふわで美味しかった。
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それからまた宿の方へ戻る。奥に見えているのは市庁舎。
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いいお天気になったわね~
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それから馴染みのお店の一つで朝食に。
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卵3つも使ったスクランブルエッグ。3つは多すぎるんだけど、でもここのは本当に手作りで美味しいから。ベーコンのカリカリ感も抜群だし。
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↑食べている間に珍しく日本人らしき若いカップルがやってきた。ザルツブルクはすっかり通常通りに戻ったような賑わいだけど、日本からの観光客はまだ見かけないね~と話していたので(ちなみに韓国からのツアーは結構目にする)、あ、いた!と目を引いたのだ。二人はまだいっぱい空席があったテラス席には目もくれずカフェの中に入っていった。うふふ、ちょっとInatimyさんを思い出したわ♪

それからまたいつものように宿でゆっくり。下の部屋はめぎの滞在中に宿泊客が変わり、もう4組目。今回の人たち、50~60代のご夫婦に若い娘と息子の家族なのだが、この日の当たった赤い座布団のところにお母さんが黒のブラジャーとショーツだけで日光浴してて(水着ではなく下着で)、失礼ながら、ううううう…うちのドイツ人は「負けた!」と一言。自分のたるんだおなかをさすりながら。
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今晩はプッチーニの「三部作」。めぎの大好きなグリゴリアンが出る。
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17時半過ぎに会場入り。この日もプルミエだったのだが、警官の数は圧倒的に少なかった。デモもなかったし、バッグの中身のチェックもなく、お金持ちはいっぱいだが政治家はいなかったのかも。
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ソールドアウト状態。
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3部作なので、カーテンコールが1作ずつある。本来のプッチーニの3部作とは順番を変えていて、まずは「ジャンニ・スキッキ」。莫大な遺産を遺言書を書き換えて自分のものにするという喜劇で、演出がよかったし、歌手もよかった。もちろんグリゴリアンのあの有名な「私のお父さん」という歌は、これから続く3部作のアイドリングという位置づけではあったが、繊細でチャーミングで素晴らしかった。
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一回目の休憩中。
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2つ目の作品は「外套」。あまり楽しくない内容のオペラだが、中継ぎのオペラとしてうまくできていた。「ジャンニ・スキッキ」で恋する乙女を演じたグリゴリアンが、ここでは結婚相手とうまくいかなくなって不倫に活路を見出そうとしている女を演じ、めぎ的には不倫には彼女の雰囲気がちょっと清潔すぎる感じがしたが、結婚に失敗した悲しみと人生の疲れからの逃げとしての自暴自棄の不倫と思えば、それほどセクシーになる必要はないのかもしれない。声は文句の付け所がない。
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2回目の休憩中は雷雨だった。
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そして3作目。「修道女アンジェリカ」というオペラだが、貴族の女性が未婚で子供を産んだかどで修道院に追放されてて、そこに7年ぶりに訪ねてきた叔母から子供が2年前に病気で死んでいたことを聞かされ、絶望して天国の子供に会おうと自殺するが、キリスト教的に自殺しては天国に行けないと死ぬ間際に気が付いて赦しを請い、マリア様に救われる、という話なのだが、演出家の考えで最期の救済はなく、死ぬ間際の幻想で子供に再会する、しかも自ら目を潰すという罰を与えて目が見えない状態で幻想を見る、というかなり説得力のある演出となっていた。今年のザルツブルク音楽祭では、野外劇イェーダーマンとカール・オルフの「時の終わりの劇」で救済がテーマになっていて、その2つでは悪魔も救済されるのに、修道女アンジェリカは救済されないという答えで、それが話題になっている。
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グリゴリアンは批評で絶賛だった。例えばこちら。実はこの日、実際に見に行ったのはめぎだけなのだが、宿でラジオでライブ放送を聞いたうちのドイツ人も絶賛していた。演出が見えない方が声に集中して聞けて良かったとも言っていた。ここまで素晴らしい声の場合は、そうかもしれない。ちなみにリンク先の批評では指揮者Franz Welser-Möstの指揮がよくなかったと書かれているが、めぎ的には全くもって悪くなかった。
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ハッキリ言えば今回のプッチーニはグリゴリアンのための演出で、演出家が順番を変えた意図は的中し、大成功。これだけ素晴らしい歌声で存在感のある歌手の場合、最後は特に舞台道具も要らないし、一人ですべてを演出できるのだなと感じた。人生に絶望して命を絶つ女性の、修道女としての透明感からがらりと姿を変えて最後に見せたセクシーな、またはエロチックな雰囲気が印象に残った。これは後にテレビ放送もあるようなので、ドイツからもうまくつながればいいなと思っているところ。
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