ザルツブルク9日目 [2022年夏 ザルツブルク音楽祭とザルツブルク]
現在リアルタイムで2022年夏のザルツブルクの話を連載中。
7月25日月曜日の早朝、従妹がデュッセルドルフに返った後、めぎたちはもう一度就寝。その後8時過ぎにここへやってきた。宿からはちょっと離れた場所にあるのだが、そこで朝食を食べるのがめぎたちの楽しみの一つであるので。
そこはカフェではなくパン屋さんなので、朝食セットのようなものはない。好きなパンを選び、バターやジャム、ハムや野菜、コーヒーなどを自分の好きなように頼むシステム。めぎたちはオーソドックスにゼンメルパン(オーストリアの発音ではゼンではなくセン)にバター(オーストリアではTeebutter=お茶用バターと言い、たぶんその昔アフタヌーンティーのときに使う上質のバターという意味でできた言葉ではないかと推測するのだが、それがまた何ともドイツと違うところへ来たという感じがして楽しい)とマリレンジャム(アプリコットのことをマリレンというのがさらにオーストリアに来たという雰囲気に浸れる)と…
それにミルクコーヒーを頼み、するとオーストリアだから水も出てくるし…
そしてヴェイヒェス・エェィ~と聞こえるものを。訳すと柔らかい卵という意味で、半熟ゆで卵のことなのだが、ドイツでは決してゆで卵のことをそうは言わないので、このヴェイヒェス・エェィ~という響きがいかにもオーストリアに来たと感じて楽しいのである。このパン屋さん、この半熟ゆで卵をお客さんの注文を受けてからゆでてくれるので、ものすごく熱々で出てくる。熱くて持てないほどで、頑張って殻をむく。それがとっても嬉しい。
さて、その後はいつものように食料品の買い物などを済ませて宿に戻り、一日中宿で過ごした。めぎは既に一週間休みまくったが、うちのドイツ人にとってはこの日から休暇なので、とにかくのんびりしたがっていたのだ。この日のザルツブルクは33℃ぐらいまで上がったし、外を歩くより宿でエアコンつけて涼んでいた方がよかったし。彼が何をしていたかと言えば、昼寝したり、めぎが一週間新聞を買っては取りためておいたクロスワードパズルや数独をしたり。
そして簡単に買ったもので簡単に夕食を済ませて、夜はコンサートへ。この日はいろいろな演奏家の合同コンサート。話は逸れるが、このプログラムを買うのがちょっと大変だった…なぜか数が足りなかったみたいで始まる前にはもうなくなっていて買えず(開演20分前だったのに!)、休憩中にも数が足りなかったようで、うちのドイツ人が最後の一冊を運良くゲット。彼の後ろに並んでいた女性がとっても可哀想だったとのこと…
まずはIgor Levitのピアノのコンサート。
演目は下の写真の通りで、現代曲で力いっぱい弾くという感じのもので、失礼ながらこのピアニストがどれほどうまいのかどうかはわからない演目だった...もちろんその迫力ある不協和音のオンパレードはテクニック的にはものすごく難しいのだが、彼はなんと途中で間違って、頭を抱えて中断し、引き直すというハプニングもあったし、もともと彼はいつもそうだが暗譜してないし。
↑そのピアノの2曲の下にあるショスタコーヴィチの室内楽は、めぎ的には可もなく不可もなくという感じで終わった。Hagen Quartettという室内楽のグループがお好きな方には申し訳ないが、めぎ的にはあまり心に刺さらなかった。
休憩の後のこの演目はすごかった。
ムジカエテルナが合唱団と打楽器とトランペットなどほんの一部の楽団員だけでGregor A. Mayrhoferというミュンヘン出身の若手指揮者とAlfred Schnittkeの現代曲レクイエムを演奏したのfだが、ソロのパートを歌った合唱団の人の歌声は素晴らしかったし、曲自体も心に染みた。失礼ながら、前の日のマチネーコンサートよりずっと印象的で、この値段の差は何?(マチネーの方は同じような席が100ユーロで、今回は60ユーロ)と不思議に思わずにはいられなかった。満場のスタンディングオベーション。
ムジカエテルナはロシアの楽団で、EUの制裁リストに入っている銀行がスポンサーだということで今回の音楽祭出演には賛否両論あるのだが、そんな話を吹き飛ばす素晴らしさだった。我々は現在のところ爆撃の心配もないザルツブルクで安穏と音楽祭を楽しんでいるのであって、究極を言えばその是非だって問われるわけで、今年は音楽のことだけに集中できない状況なのが本当に残念なのだが、こういうときだからこそ音楽そのものに集中したいと思う。というか、そういう集中力が必要な気がする。
指揮者は式台の後ろにいるとても背の低い彼。これをきっかけにブレイクするかしら。左端のベージュのスーツの男性は合唱団の指導者。
終わった後、この日はビアガーデンがすでに終わっている時間だったので、その近くのお店でビール。ビアガーデンは10時で閉まってしまうので、夜のコンサートの後は残念ながら楽しめない。でも、ここは風通しがよく、外で飲んでいるような快適さ。
こうして9日目終了。ザルツブルク滞在はあと5日間ほど。いつの間にかもう後半。
7月25日月曜日の早朝、従妹がデュッセルドルフに返った後、めぎたちはもう一度就寝。その後8時過ぎにここへやってきた。宿からはちょっと離れた場所にあるのだが、そこで朝食を食べるのがめぎたちの楽しみの一つであるので。
そこはカフェではなくパン屋さんなので、朝食セットのようなものはない。好きなパンを選び、バターやジャム、ハムや野菜、コーヒーなどを自分の好きなように頼むシステム。めぎたちはオーソドックスにゼンメルパン(オーストリアの発音ではゼンではなくセン)にバター(オーストリアではTeebutter=お茶用バターと言い、たぶんその昔アフタヌーンティーのときに使う上質のバターという意味でできた言葉ではないかと推測するのだが、それがまた何ともドイツと違うところへ来たという感じがして楽しい)とマリレンジャム(アプリコットのことをマリレンというのがさらにオーストリアに来たという雰囲気に浸れる)と…
それにミルクコーヒーを頼み、するとオーストリアだから水も出てくるし…
そしてヴェイヒェス・エェィ~と聞こえるものを。訳すと柔らかい卵という意味で、半熟ゆで卵のことなのだが、ドイツでは決してゆで卵のことをそうは言わないので、このヴェイヒェス・エェィ~という響きがいかにもオーストリアに来たと感じて楽しいのである。このパン屋さん、この半熟ゆで卵をお客さんの注文を受けてからゆでてくれるので、ものすごく熱々で出てくる。熱くて持てないほどで、頑張って殻をむく。それがとっても嬉しい。
さて、その後はいつものように食料品の買い物などを済ませて宿に戻り、一日中宿で過ごした。めぎは既に一週間休みまくったが、うちのドイツ人にとってはこの日から休暇なので、とにかくのんびりしたがっていたのだ。この日のザルツブルクは33℃ぐらいまで上がったし、外を歩くより宿でエアコンつけて涼んでいた方がよかったし。彼が何をしていたかと言えば、昼寝したり、めぎが一週間新聞を買っては取りためておいたクロスワードパズルや数独をしたり。
そして簡単に買ったもので簡単に夕食を済ませて、夜はコンサートへ。この日はいろいろな演奏家の合同コンサート。話は逸れるが、このプログラムを買うのがちょっと大変だった…なぜか数が足りなかったみたいで始まる前にはもうなくなっていて買えず(開演20分前だったのに!)、休憩中にも数が足りなかったようで、うちのドイツ人が最後の一冊を運良くゲット。彼の後ろに並んでいた女性がとっても可哀想だったとのこと…
まずはIgor Levitのピアノのコンサート。
演目は下の写真の通りで、現代曲で力いっぱい弾くという感じのもので、失礼ながらこのピアニストがどれほどうまいのかどうかはわからない演目だった...もちろんその迫力ある不協和音のオンパレードはテクニック的にはものすごく難しいのだが、彼はなんと途中で間違って、頭を抱えて中断し、引き直すというハプニングもあったし、もともと彼はいつもそうだが暗譜してないし。
↑そのピアノの2曲の下にあるショスタコーヴィチの室内楽は、めぎ的には可もなく不可もなくという感じで終わった。Hagen Quartettという室内楽のグループがお好きな方には申し訳ないが、めぎ的にはあまり心に刺さらなかった。
休憩の後のこの演目はすごかった。
ムジカエテルナが合唱団と打楽器とトランペットなどほんの一部の楽団員だけでGregor A. Mayrhoferというミュンヘン出身の若手指揮者とAlfred Schnittkeの現代曲レクイエムを演奏したのfだが、ソロのパートを歌った合唱団の人の歌声は素晴らしかったし、曲自体も心に染みた。失礼ながら、前の日のマチネーコンサートよりずっと印象的で、この値段の差は何?(マチネーの方は同じような席が100ユーロで、今回は60ユーロ)と不思議に思わずにはいられなかった。満場のスタンディングオベーション。
ムジカエテルナはロシアの楽団で、EUの制裁リストに入っている銀行がスポンサーだということで今回の音楽祭出演には賛否両論あるのだが、そんな話を吹き飛ばす素晴らしさだった。我々は現在のところ爆撃の心配もないザルツブルクで安穏と音楽祭を楽しんでいるのであって、究極を言えばその是非だって問われるわけで、今年は音楽のことだけに集中できない状況なのが本当に残念なのだが、こういうときだからこそ音楽そのものに集中したいと思う。というか、そういう集中力が必要な気がする。
指揮者は式台の後ろにいるとても背の低い彼。これをきっかけにブレイクするかしら。左端のベージュのスーツの男性は合唱団の指導者。
終わった後、この日はビアガーデンがすでに終わっている時間だったので、その近くのお店でビール。ビアガーデンは10時で閉まってしまうので、夜のコンサートの後は残念ながら楽しめない。でも、ここは風通しがよく、外で飲んでいるような快適さ。
こうして9日目終了。ザルツブルク滞在はあと5日間ほど。いつの間にかもう後半。