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ザルツブルク10日目 [2022年夏 ザルツブルク音楽祭とザルツブルク]

現在リアルタイムで2022年夏のザルツブルクの話を連載中。今日の話は7月26日のこと。

この日は天気がイマイチで、かつ涼しくなった。
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代わり映えしないが、いつものように朝に買い物を済ませ、午後は宿でのんびりしながら夜の音楽祭の予習。お昼はクノールのインスタントのフリッターテンズッペ(クレープみたいなパンケーキ=薄焼き卵みたいなのを細く切ったのを入れたスープ)にパン。夕食は写し忘れ。
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この日は先日ゲネプロを見たオペラのプルミエ。バルトークのオペラ「青髭公の城」とカール・オルフの「時の終わりの劇」の二本立てで、内容については今日は割愛。青髭公についてはあらすじが日本語でもネットに出ているが、時の終わりの方については日本語ではほとんど情報がない。それは、世界中でもほとんど上演されたことがないものだから。現代オペラで初演は73年のカラヤン指揮のザルツブルク音楽祭だそうだが、それも映像はなくCDしかない。しかも、そのあと作曲者自身によって改作されているので、今回のは当時のと異なる。詳しいことは帰宅してからいつかゆっくり書こうと思う。

19時半からなので19時10分ごろにここに。すると、今までにない物々しさ。
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ちょうど要人が到着したということもあるようだったが、今回は戦争の影響で指揮者クルレンツィスの出演反対ということがあるのだろうと思う。
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しかし実際どう言うデモなのかはプラカートが遠すぎて文字が見えなくてよくわからなかった。これもそのうちに調べてから記事にしようと思う。
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場所はフェルゼンライトシューレ。
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青髭公の後のカーテンコール。青髭公役の歌手の歌声が素晴らしかった。ユーディット役の方は一昨年と去年にエレクトラをやった人で、その時と同様に声はちょっとビブラートがかかりすぎでめぎはあまり好きではないが、やはりその時と同様に演技が素晴らしかった。クルレンツィスとグスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団の演奏は素晴らしく(そうそう、ムジカエテルナと違って座って演奏している…前回のショスタコーヴィチ13番のコンサートの時も座ってて、第一楽章の途中の迫力ある個所で一瞬立っただけ)、カステルッチの演出もとてもよかった。演出上舞台が暗いので、指揮台の楽譜のところが明るすぎてその眩しさでさらに舞台が見えなくてちょっと邪魔だったが、そのおかげでめぎはクルレンツィスの指揮ぶりを観察できた。
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50分間もの休憩があって、めぎたちは一度宿に戻った。会場から徒歩2分のところに宿があるので、お手洗いも喉の渇きを癒すのも、50分もあれば宿に戻ってゆっくりできるのだ。
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2曲目の「時の終わりの劇」は長かった。本来1時間のはずが30分も長くなってて、最後の最後は飽きた。特に残念だったのは、この作品が全く好きになれなかったこと。でも、多くの個所でほほ~と演出に魅入ったし、演奏も素晴らしかった。最後のカーテンコール。
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今年の音楽祭で一番楽しみにしていた演目だが、正直なところ、去年のドン・ジョヴァンニのように手放しで素晴らしいとは決して言えない出来だった。素晴らしかったところはたくさんある。が、それはちょっと、と思うところもたくさんある。何がよかったのか、何がイマイチだと思ったかはそのうちに詳しく書こうと思う。批評はドイツ語だがこちらとかこちらとか。2つ目のリンク先には、写真や映像もあるし、音源のリンクもあるので、26日から7日間だけの限定かも知れないが、皆さんのいるところからもしつながってもし興味があったらぜひどうぞ。
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ザルツブルク9日目 [2022年夏 ザルツブルク音楽祭とザルツブルク]

現在リアルタイムで2022年夏のザルツブルクの話を連載中。

7月25日月曜日の早朝、従妹がデュッセルドルフに返った後、めぎたちはもう一度就寝。その後8時過ぎにここへやってきた。宿からはちょっと離れた場所にあるのだが、そこで朝食を食べるのがめぎたちの楽しみの一つであるので。
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そこはカフェではなくパン屋さんなので、朝食セットのようなものはない。好きなパンを選び、バターやジャム、ハムや野菜、コーヒーなどを自分の好きなように頼むシステム。めぎたちはオーソドックスにゼンメルパン(オーストリアの発音ではゼンではなくセン)にバター(オーストリアではTeebutter=お茶用バターと言い、たぶんその昔アフタヌーンティーのときに使う上質のバターという意味でできた言葉ではないかと推測するのだが、それがまた何ともドイツと違うところへ来たという感じがして楽しい)とマリレンジャム(アプリコットのことをマリレンというのがさらにオーストリアに来たという雰囲気に浸れる)と…
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それにミルクコーヒーを頼み、するとオーストリアだから水も出てくるし…
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そしてヴェイヒェス・エェィ~と聞こえるものを。訳すと柔らかい卵という意味で、半熟ゆで卵のことなのだが、ドイツでは決してゆで卵のことをそうは言わないので、このヴェイヒェス・エェィ~という響きがいかにもオーストリアに来たと感じて楽しいのである。このパン屋さん、この半熟ゆで卵をお客さんの注文を受けてからゆでてくれるので、ものすごく熱々で出てくる。熱くて持てないほどで、頑張って殻をむく。それがとっても嬉しい。
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さて、その後はいつものように食料品の買い物などを済ませて宿に戻り、一日中宿で過ごした。めぎは既に一週間休みまくったが、うちのドイツ人にとってはこの日から休暇なので、とにかくのんびりしたがっていたのだ。この日のザルツブルクは33℃ぐらいまで上がったし、外を歩くより宿でエアコンつけて涼んでいた方がよかったし。彼が何をしていたかと言えば、昼寝したり、めぎが一週間新聞を買っては取りためておいたクロスワードパズルや数独をしたり。
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そして簡単に買ったもので簡単に夕食を済ませて、夜はコンサートへ。この日はいろいろな演奏家の合同コンサート。話は逸れるが、このプログラムを買うのがちょっと大変だった…なぜか数が足りなかったみたいで始まる前にはもうなくなっていて買えず(開演20分前だったのに!)、休憩中にも数が足りなかったようで、うちのドイツ人が最後の一冊を運良くゲット。彼の後ろに並んでいた女性がとっても可哀想だったとのこと…
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まずはIgor Levitのピアノのコンサート。
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演目は下の写真の通りで、現代曲で力いっぱい弾くという感じのもので、失礼ながらこのピアニストがどれほどうまいのかどうかはわからない演目だった...もちろんその迫力ある不協和音のオンパレードはテクニック的にはものすごく難しいのだが、彼はなんと途中で間違って、頭を抱えて中断し、引き直すというハプニングもあったし、もともと彼はいつもそうだが暗譜してないし。
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↑そのピアノの2曲の下にあるショスタコーヴィチの室内楽は、めぎ的には可もなく不可もなくという感じで終わった。Hagen Quartettという室内楽のグループがお好きな方には申し訳ないが、めぎ的にはあまり心に刺さらなかった。

休憩の後のこの演目はすごかった。
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ムジカエテルナが合唱団と打楽器とトランペットなどほんの一部の楽団員だけでGregor A. Mayrhoferというミュンヘン出身の若手指揮者とAlfred Schnittkeの現代曲レクイエムを演奏したのfだが、ソロのパートを歌った合唱団の人の歌声は素晴らしかったし、曲自体も心に染みた。失礼ながら、前の日のマチネーコンサートよりずっと印象的で、この値段の差は何?(マチネーの方は同じような席が100ユーロで、今回は60ユーロ)と不思議に思わずにはいられなかった。満場のスタンディングオベーション。
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ムジカエテルナはロシアの楽団で、EUの制裁リストに入っている銀行がスポンサーだということで今回の音楽祭出演には賛否両論あるのだが、そんな話を吹き飛ばす素晴らしさだった。我々は現在のところ爆撃の心配もないザルツブルクで安穏と音楽祭を楽しんでいるのであって、究極を言えばその是非だって問われるわけで、今年は音楽のことだけに集中できない状況なのが本当に残念なのだが、こういうときだからこそ音楽そのものに集中したいと思う。というか、そういう集中力が必要な気がする。

指揮者は式台の後ろにいるとても背の低い彼。これをきっかけにブレイクするかしら。左端のベージュのスーツの男性は合唱団の指導者。
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終わった後、この日はビアガーデンがすでに終わっている時間だったので、その近くのお店でビール。ビアガーデンは10時で閉まってしまうので、夜のコンサートの後は残念ながら楽しめない。でも、ここは風通しがよく、外で飲んでいるような快適さ。
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こうして9日目終了。ザルツブルク滞在はあと5日間ほど。いつの間にかもう後半。
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ザルツブルク8日目 [2022年夏 ザルツブルク音楽祭とザルツブルク]

現在リアルタイムで2022年夏のザルツブルクの話を連載中。

7日目の補足だが、うちのドイツ人が16時15分ごろ無事に着き、その後はちょっと散歩してめぎが買っておいたものなどで宿で夕食として早く就寝。そして8日目の朝を迎えた。8日目はとてもいい天気。
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朝8時前には散歩に出かけたのだが、その話は割愛。山に登って景色を見て、ゆっくり街へ下ってきてカフェで朝食を楽しみ、それから音楽祭のマチネーコンサートに行ってハイドンとモーツァルトの宗教音楽を聴き、宿に戻ってきてお昼をつまみながらあれこれおしゃべりし、のんびりと過ごした。

で、午後のおやつのお時間になって、近くのカフェでケーキを買ってきた。
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↑ケーキが3つあるのは、うちのドイツ人が従妹を連れてきたから。彼女の仕事の都合で週末のたった2泊だけだけど、めぎたちの休暇に興味津々だった従妹を招待したのだ。

この日の夕食は外へ。
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ちょっと早め、5時半過ぎにこちらへ。このスマホ、逆光に弱い。
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あ、一本枯れかけている…
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食べているうちにどんどん満席になっていった。
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まずはビール。ここ、ビアガーデンなので。めぎと従妹さんは濁ったのを。うちのドイツ人はクリアなのを。
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そうそう、ドイツもだけど、ここオーストリアでもビールはキンキンに冷えてはいない。樽は地下室にあるので結構冷たいが(ぬるくはないが)、日本風のキンキンという感じでは全くない。自宅でビールを飲む人は普通瓶を箱で買うのだが(缶の人ももちろんいるがビール愛好家は瓶で買う)、その保管場所は冷蔵庫ではなく地下室で、多くの人がその地下室から取ってきてそのまま飲む。ドイツの地下室はかなり涼しいので、十分冷えている。冷蔵庫でキンキンに冷やすとビールそのものの味が損なわれるという考え方もある。日本のビールは味よりのど越しを大切にしているし、あの蒸し暑さなのでキンキンに冷やすのが美味しいが、ドイツは暑くてもたいていはカラッとしているし、暑い時期が短くて冬の寒い時期の方がずーっと長いわけで、ビールの味はその期間に美味しく飲めるようにできていて、かなり濃くて深みがあるというか、ワインのようにあれこれ薀蓄ができるほど種類も豊富。地下室の無い人は冷蔵庫に入れるけどね。

美味しビールを味わっているうちに料理がやってきた。
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めぎはツビーベルロストブラーテンという料理。めぎの好物で、食欲のある時はこれを食べる。これ、美味しくて麵以外完食した。麵も美味しかったけど、量が多くて。
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食べている途中でビールお代わり。
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それから最後にザルツブルガーノッケルンという名物菓子を。甘いメレンゲを泡立ててほんのちょこっとだけ焼き色を付けたようなもの。大きくて甘いので、3人で分けて食べた。それだけ食べるととても甘いが、温かいベリーソースの酸味と一緒だと程よく調和され、熱々の出来立てで美味しかった。
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食後、散歩に出かけた。
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19時半ごろ。
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同じところで金曜日には軍隊の音楽隊のパレードをしていたのだが、日曜日のこの日はとても静かだった。そんなに人もいないし。
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そして宿の近くに戻ってきて…
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再びビールで乾杯。
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そしてその日は早く就寝。というのは従妹さんが次の日の朝6時ごろの飛行機でデュッセルドルフに帰るので、朝4時半に宿を出るから。ほんの2泊の滞在だったが、色々おしゃべりしてザルツブルクのハイライトを紹介できて、とてもよかった。彼女がいなくなって、この記事を書いているのは9日目の朝8時過ぎだが、この日からうちのドイツ人と二人の休暇が始まったところ。
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