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今回注目した絵 [2022年春 ウィーン~シュプロン]

現在、2日おきに2022年4月のウィーンの話を連載中。

旅の3日目、ウィーン2日目、午前中に美術史美術館にやってきた。
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ここは何と言ってもバベルの塔をはじめとするブリューゲルの絵で有名な美術館で…
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他にもルーベンスやらレンブラントやら非常に有名な絵画が広々とした空間にいっぱい掲げられているのだが…
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今回かなりしげしげと見入ったものを2つご紹介。

1つは、この作品。Bernardo Bellottoという画家のDie Freyung in Wien, Ansicht von Südosten(ウィーンのフライウング、南東からの眺め)という絵。Freyungは、オーストリア訛りで書けばフレーウングの方が近いかも。
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どうしてこれかというと、泊まった宿の廊下に飾られていたし、宿の近くの広場の昔の様子を描いたものなので、ほ~昔はこうだったのね~と見入ったからだ。その場所はこちら。今のFrayungという広場にあるAustriabrunnen(アウストリアブルンネン…オーストリア噴水という意味)は絵には無い。ハプスブルク帝国がヨーロッパの中心に位置することを示しているというその噴水は、1846年に作られた比較的新しいもの。絵が描かれたのは1759~60年で、絵の向こうにある教会はショッテン教会。



ここ、今も市場がよく開かれているのだが、当時からそうだったのね。
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人の恰好や馬車なども興味深い。日本で言えば江戸時代のウィーン。
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当時からある建物と、今は見当たらない建物。そして、描かれていた人たちはもちろんもういない。今から300年もすれば、今写真に撮られている人や建物が、同じように後世の人たちに当時はこうだったのね~と見られるということ。空や雲も厳密に言えば当時と同じことは一切無いわけだが、でも、空と雲とこの光だけがこの絵の前から今までずっと変わらずに存在していて、あとはみんな以前には無く、かつ・またはもう消えていったもの。諸行無常という言葉がふと浮かぶ。
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それからもう1つは、この作品。Joachim von Sandrartという画家のGroßer Fischmarkt(大魚市場)という絵。
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ニュルンベルクやアムステルダムで活躍した画家の絵で、ウィーンを描いたものではないが、1654~56年ごろにヨーロッパでこんなに海の幸が売られていた、つまり食べる文化があった、ということが分かる。
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かなりグロテスク。
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大きいなあ。
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これはセイウチ?カワウソ?アシカ?そこにあった説明によると、これは食べたわけではなくて海産物の豊かさを表現したものとのこと。
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ワンちゃんもいた。
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他にもSnyders という画家の似たような絵があって、亀さんとかがいるのだが、キリがないのでこの亀さんのズームアップのみ挙げておく。
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あと、すっごく気になったもの。
1つは…
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痛そう…
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もう一つは…
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豚さんの目がちょっと怖い…
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