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4月中旬の状況 [新型コロナウィルスのこと 2021年]

今日は、めぎの覚書のためにドイツの今のコロナのお話を。

世の中はコロナコロナで、でも昨日まで◇だったことが今日は▽になったり△になったりすることばかりなので、もうニュースを追うのもやめてしまった。学校に関わる規則を追うだけでもういっぱいいっぱいだし…というのはホンの一週間で話がガラリと変わったりするものだから…イースター休暇後のこの一週間は卒業年次の学年のみ対面授業で、あとの学年は全てオンラインだったのだが、今度の月曜日からは全学年が学校に戻ってきて、全生徒を2つのグループに分けて1日ずつの交替対面授業が始まる。その交替制はイースター休暇前の2週間と同じなのだが、当時は中等部の選択科目がすべて授業なしのプリント自習というやり方だったのが(別のクラスの生徒との接触を減らすため)、それでは外国語の勉強は難しいという配慮で、生徒が自分のクラスの教室に座りつつ貸し出されたiPad&持参したヘッドホンでオンライン授業を受ける、ということに。つまり、イタリア語やスペイン語やラテン語や日本語を選択した生徒たちが自分の教室にそのまま座り、タブレットを見ながらそれぞれ授業を受ける、ということ…自習よりは画期的にいいが、さて、うまくいくのかな…そんなにまでして開校してても、七日間指数(人口10万人当たりの7日間平均の感染者数)が200を超えたらまた閉校&オンライン授業に戻るということで、それがそう遠からずやってくる気配で、全くもって落ち着かない。
これは仕事帰りの19時20分の撮影。いかにも夏時間って感じね。
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さらに、今度の金曜日から卒業試験も始まる。みんな元気で無事に試験を終えられますように…卒業試験って、ドイツでは一日一科目で(と言うのはその一科目が4~6時間もかかる筆記試験なものだから)、さらに一週間に受ける試験は三科目までと決まっているので、一人当たりは筆記三科目と面接一科目の計四科目だけなんだけど、全日程を終えるのに一か月かかる。そんな卒業試験の傍ら他の学年の授業は普通に続くわけで、そしてそれが2グループに分かれてて、中等部は上に書いたようなやり方だが、高等部の場合は片方に対面授業をしつつ自宅にいるグループの方に自習課題も用意し、2週間経ったところでどちらも同じ進み具合になるように調整するわけで、めぎはもうなんだか目が回って頭が回らないという感じである…
緑が目に眩しい。でも、いつもはもう咲いている八重桜やライラックがここではまだ蕾。4月前半は冷え込んでいたのだ。
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ドイツのワクチン接種のニュースとしては、金曜日、メルケルさんが1回目のワクチン接種したとのこと。アストラゼネカ。今やアストラゼネカはドイツの場合60歳以上69歳までの人のみ接種できるというおかしなことになっているのだが、メルケルさんはその年齢だということで。ドイツ全体の接種率はやっと20%に達しそうなところ。80代のうちのドイツ人の母親が先日やっと接種したのだが、それは彼女は2年ぐらい前に骨折して以来歩くのがかなり面倒になったので、遠くのセンターまで接種に行きたくなくて、かかりつけの医者に接種してもらえるようになるのを待っていたから。4月から普通の医者のところでのワクチン接種が可能となり、うちのドイツ人の母親の家にまで来てくれたそうだ。同じく80代の叔母の方は、30㎞程離れたワクチンセンターへ自分で車を運転して接種に行ったとのこと。うちのドイツ人の亡くなった父親の奥さんは70代だが、腰が悪くてやはり歩くのが大変なので、医者のアシスタントが家に来て接種してくれたとのこと。同じアパートに住んで介護しているうちのドイツ人の姪夫婦(20代!)もついでに介護者として接種してもらえたのだとか。めぎの順番はまだ来ないが、今はまだ70代と60代の人たちと重要基礎疾患の人たちと小学校の教師たちなどの番で、まだまだって感じ。ひょっとするとやっぱり、うちのドイツ人の2回目の接種の6月より遅いかも。(ドイツの接種の順番は、まず医療従事者と80歳以上と高齢者施設で働いている介護の人などが1番目で、そこはほぼ終わったようだ。今は2番目で、60代の人と小学校の先生は3番目だったのだが、色々あって2番目に格上げされている。小学校ではない教師のめぎは3番目のカテゴリー。)
これは19時。
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そんなこんなの間に、ドイツの毎日の新規感染者数は再び2万人を超えるようになったし、週明けにも1万人を下らないようになった。これで3万人を超えればクリスマス前と同じ状況になるのだが、来週あたりそうなりそうな気がする。七日間指数も、2月中旬に57まで下がったのに、今や160.7である。デュッセルドルフは147.8だが、お隣デュースブルク(あの蒸気モクモクの工場があるルール工業地帯のところ)は210である。上にも書いたように、200を超えたら学校は再びオンライン授業になるということが決まっているのだが、そのラインって、かつては50で、つい最近まで100だったのに今や200にされてしまい、きっと次は300って言われるよね、と同僚はみんなもう自虐的に話している…
これはめぎが作った表で、ドイツのロベルト・コッホ研究所の発表した数値を記入し、去年の12月から4月までの中ごろの一週間を並べている。
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基準値を上げてできるだけ学校を開け続け&経済も回し続けるための切り札は、本当はワクチン接種であるはずなのだが、それがまだどうにもこうにもうまく進んでいないので、代わりの切り札に使われているのがコロナ検査である。今は学校からこんな自分で15分でできる簡易検査キットが週に2回支給され、生徒も教職員もみんな検査している(検査義務となり、検査しなければ授業を受けられないという決まりになった)。これでもし陽性だったら、すぐに校庭に出て親の迎えを待ち、医療機関に行ってPCR検査となる訳だ。または、週に1回は医者の所で無料でPCR検査できることにもなっているとかで、簡易検査が嫌な人はそっちを受けて証明書を持参するということになっている。ちなみに簡易検査キットは今やドラッグストアやスーパーで1セット4ユーロちょっとで売られてて、誰でも簡単に買える。将来はワクチン接種済みパスとこの検査で、経済を通常化していこうという目論見のようである。
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ドイツは11月からずっとロックダウン中で、もうどうにもこうにも閉塞、行き詰まってきている。だから、なんとか学校を開き経済も…と緩和しようとしつつあるところで、それがこの第3波の始まりと重なってしまって、これから数値はどう推移するのかな。スコーンと上がるんだろうか。ここでじりじり止まるんだろうか。減る要素はまだ見当たらないのだが、ワクチン接種が進んでイギリスのようになれるかしら。
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少し上の表を見ると分かるように、死者の数は少し遅れて多くなる。今日新規に感染した3万人弱の人たちは、その1か月後ぐらいに死者千人となって表れるのだ。3月のドイツの死者数は8万人ちょっとで、例年の平均より1万人近く少ないそうで、たぶんそれは、コロナ対策でインフルエンザなどにかからなかった人が多くてその分の死者が減り、かつ同じくコロナ対策で2月に新規感染者数がかなり減っていたので3月にコロナで亡くなる人が少なかったということなのだ。これをどう解釈すればいいのかな、とちょっと考えてしまう。マスク着用&ソーシャルディスタンス&手洗い&ロックダウンでインフルエンザはほとんど0にできたが、コロナは0にはならなかった…しかも、ロックダウンをちょっと緩めたら、一気にまた元の木阿弥だ。インフルエンザと似たようなもの、とはやっぱり言い切れないような気がする。

何年か後、今のこの状況を笑って話せる日が来るんだろうか…あんな簡易検査とかみんなでまじめにやったよね~とかって。それよりなにより、ホントマジで、感染せずに、否、発症せずにこの期間を乗り切りたい…そんなことを感じるようになった。救われるのは、今までいろんな形式の授業をあれこれ経験させられた生徒たちの多くに、自主性が育っているように見受けられること。結構キッチリ勉強するのだ。若い人たちの力を信じよう。
綺麗な桜に心救われる。
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