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岩の街を登る [2019-20年末年始 イタリア・プーリア州]

現在、一年前の南イタリアのマテーラの話を連載中。

宿を出て、こんな石畳の長い登り道を歩き始めた。
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登っているのは、昨日の記事の朝の写真で言うと、この日陰になっているところ。てっぺんの教会のところにまず行こうと。
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眺めのよさそうな家だわね。
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中腹は空き家も多く、大規模な改装中のところも。
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戸が開いているところがあったのでちょっと覗いてみた。岩をくりぬいたような住まいであることがわかる。外側は石を積んで建物のように見えるが、実際は岩をくりぬいて住んでいるのだ。
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つまりマテーラという街は、もともとは石灰岩の侵食により形成されたグラヴィナ渓谷の岩山に穴を掘って、またはもともとあった洞窟を使って住まいとしていたところ。その洞窟住居は、古くは旧石器時代から使われていたようだが、8世紀から13世紀にかけて東方からイスラム勢力を逃れた修道僧が住み着いて街として発展し、1950年ごろまで使われていた。が、人口が増えて劣悪な(昔は家畜のために使われていたような)洞窟住居に住む人も多くなり、衛生状態がひどくて問題となり、街は郊外に新たに作ったアパートに人々を強制移住させた。無人となった洞窟住居はその後その文化的価値が見直され、下水道などのインフラを整備し、1993年に世界遺産に登録された。めぎの泊まった宿も含め、この旧市街は洞窟住宅を改装してホテルや店舗にしたところで、どこもかしこも中は岩山なのだ。

頑張って登り切って、やっとこの教会のところまでやってきた。
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素晴らしい見晴らし!右に一昨日の一枚だけの写真に写っていた教会がある。あそこよりここの方が高い。
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左側にも後ろの方にもずっと同じような風景が広がっている。朝はずっと陰になっているところと早くから眩しいところと街が2分している感じ。それがきっと夕方は逆転するのだろうな。
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ズームしてみた…ずっと向こうのあの高台から向こうは現代になってから建てられたアパートのようね。
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しかし、その中に石造りの古い建物が見える。歴史の流れを感じるデザインね。
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めぎたちの目指してきたこの教会はマテーラの大聖堂。イタリア語でCattedrale della Madonna della Bruna e di Sant’Eustachioと言って、訳すとブルーナの聖母と聖エウスタキウスのカテドラル。ブルーナの聖母とはマテーラの守護聖人で、聖エウスタキウスは狩りの守護聖人らしい。ちょっと入ってみましょ。
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つづく。
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