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冬休みまであと一週間を残してロックダウンへ [新型コロナウィルスのこと 2020年]

今日はいつも金曜日にマルクト市場が開かれる広場のツリーを市場が立っていない日に写した写真を見ながら、急に決まったロックダウンのお話を。

めぎの住んでいるノルトライン・ヴェストファーレン州では、知事も教育相も、学校は開け続ける、と言い続けていた。メルケルさんが「クリスマスまであと14日というところに来て…こんなに死者数も増えてこのままではいけない…このクリスマス前にたくさん人と接触して、その結果としてこれが祖父母と一緒に過ごす最後のクリスマスになってしまうようなことだけは避けなければ」と感情を顕わにして演説したこの水曜日の後も、ロックダウンは何の役にも立たない、なんてことを教育相は言っていた。
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それが、金曜日のお昼過ぎになって突然、来週の学校はオンラインにする、中2以上はみんな自宅でオンライン授業、小1から中1までは希望者のみ(親が仕事で子供の面倒を見られない子どものみ)対面授業であとはオンライン授業、という通達が!あと一週間で冬休み、というところで、とうとう来たか…高校2~3年生の定期試験のみ予定通り行うが、あとはできるだけ延期するようにと書かれている…
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でも、金曜日のお昼過ぎって、ドイツの場合ほぼすべての生徒と先生方がもう帰宅した後なのだ。そこへ青天の霹靂が。だって、これっきり来年まで会えないかもってことになったのだから。
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めぎの授業は午後だったので、その学年の生徒たちとは直接話ができたけど、その学年は来週定期試験の予定だったのだが、高1なんで試験が決行なのか延期なのかも(その時点では)ハッキリしないままで、全くもう…
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金曜日のドイツの新規感染者数は2万9千人台でほぼ3万人という次の壁に限りなく近くなり、かつ一日の死者数が590人にもなり(その前日は440人だった、これまでのコロナによるドイツの死者数は全部で2万人を超している)、これは大変ということになったのだろう。統計によると、11月中旬の一週間の死者数は1万9千人台で、例年の平均より1500人ぐらい多く、それが今や毎日400~600人ぐらい死者が上乗せされていっているわけで、それまでは経済優先だった州知事たちもとうとう路線変更せざるを得なくなったということなのだろうな。
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しかしねえ、ほんの昨日までは反メルケルだったのに、その舌の根も乾かぬうちに、というのはまさにこのこと。日和見的な政策転換、これってどうなの。
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そして、そうでなくてもクリスマス休暇前ってものすごく忙しいのに、金曜日の午後になって急に来週は閉鎖ですって言われても、それじゃどれをどこへ延期すればよいやら、話し合おうにもみんな帰宅しちゃった後だし(もちろん重要な方々は招集されて校長室に集まって会議をしていたが)、生徒からは問い合わせのメールがわんさかとくるし、何が何だか。
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まあでも、めぎ個人的には、試験と成績つけをいつまでにどうするのかさえ上が決めてくれれば、あとは自宅からオンラインで授業するのはもう何でもないことで、寒いのに窓を開けて換気してダウンジャケット着て帽子まで被って授業を受けさせているよりずっといいのだが、あと一週間だと思ってラストスパートで気を張っていたのが急に風船をバンと破られた感じで、ちょっと放心状態。ここで疲れがどっと出ないように気をつけなきゃね。ちなみに冬休みは始まりが前倒しになっていたが、終わりも伸びて、12月19日から1月10日まで休みとなった。と言っても本来始まるはずだった1月7日と8日は教職員は仕事とのことだけどね。でも、何の仕事をするのか不明。成績つけかな(ドイツの学校は半期制で、前期の終了は1月末のため、1月にも試験があるし、成績つけも1月である)。
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それにしても、世の中のテーマはクリスマスを無事にみんなで集まって祝えるかということばかりで、このご時世、一年ぐらいクリスマスを一人で過ごしたっていいじゃないの、とめぎなどは思ってしまうのだが、一人暮らしの若い先生方は田舎の両親のうちに当然帰るつもりでいるし、生徒たちも、クリスマスは自宅で過ごすけどその後ドイツ国内で旅行する予定なんていう人も結構いたし、みんな自分だけは大丈夫と思っているような感じ。しかもドイツの一部の人たちは、マスクをしなきゃいけないなんて、会食してはいけないなんて、クリスマスに家族と集ってはいけないなんて、メルケルはなんて独裁的なんだ、とコロナの所為ではなくメルケルさんの所為にしているのだ。なんだかなあ。

さて、ドイツではツリー用のモミの木が栽培されていて、12月ともなるとこうしてツリーが売られている。この冬は自宅でクリスマスを祝う人が多いので、最近売れ行きが伸び悩んでいたツリーの生木の売り上げが好調で、さらに栽培農家で自分でのこぎりで伐採するというサービスを利用する人が非常に多く、そのために伐採に行く人たちが大挙して訪れてそこで密になっているという話。実は、めぎが今年何度も通ったあの貴族の庭園でもツリー用のモミの木を栽培してて、このクリスマスはぜひあそこで自分で伐採したいと思って楽しみにしていたのだが、うちのドイツ人にダメと言われてしまった。あーあ。
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学校はそんなわけで月曜日からロックダウン・オンライン授業に入るのだが、その他の店の閉鎖などは、月曜からか水曜からか、まだ国と州がもめているみたい…
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