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26日のこと [文化の違い]

12月26日はクリスマスの祝日第2日目。日本から見ると未だクリスマス?という気がするかもしれないが、日本でお正月は三が日祝うのと比べれば、クリスマスは25日と26日だけ。

まあそんなことはともかく、26日は祝日なのでお休み。この日、近親者とのお祝いを25日までに済ませた多くのドイツ人は近しい友人と会ったりすることが多い。めぎたちはうちのドイツ人の従妹と会うことにしていた。で、彼女の家のツリーを撮影。
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電気をつけてもらった。
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そう、彼女のツリーは蝋燭ではなく電気。ドイツ人も今は電気を使う人の方が多い。火事の心配もなくゆったりできるしね。
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しかも、彼女のツリーはプラスチック。本物のモミの木ではない。プラスチックは環境に悪いと言うけれど、5年使えば本物のモミの木を買うより環境にいいという試算もあって、また、本物のモミの木の場合はクリスマス期間の終わる1月6日ごろにはだんだん枯れてきて葉っぱと言うかこの針葉が落ちてきて掃除が大変で、年々プラスチックを買う人が増えている。
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うちのドイツ人も、プラスチックのツリーなんて昔は考えもしなかったけど、いつかは本物のモミの木を買いに行くことができなくなったり持ち上げられなくなったりするはずで、そうしたらプラスチックを買うというのもありかもね、と思うようになったそう。まあ今のところはコロナがなければクリスマスの時期には旅に出ることが多く、その分、数年ぶりにドイツでクリスマスを祝う年には本物にこだわる気持ちが強いし、まだしばらくは本物の木を買い続けるつもりだけど、10年後、20年後、いつか分からないけどいつかはね…
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飾りもその人の趣味で全く異なる。従妹のツリーも可愛かった。
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さて、めぎたちは従妹の家に遊びに行ったのではなく、一緒に散歩するためにそこまで行ったのだった。それはやっぱりコロナ対策のため。締め切った家の中で長時間会食するのが最もよくないわけで、外を歩くならまあよかろうと。と言っても街中は今やマスク着用義務。
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誰もいないけどね…ここ、従妹の住んでいるゲレスハイムというデュッセルドルフ北部の一角で、ここが町の中心と言うか教会前広場で、毎年ここにクリスマスマーケットが開かれるのだけど、今年は中止で何もない。
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この円柱には870年からのゲレスハイムの歴史が刻まれている。
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この教会が立てられたのは1586年のことのようね。
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ちょうどミサ中でオルガンの音が外まで響いていて、中をちょっと覗いてみたかったけど、コロナ対策で規定の人数に達したのでドアを開けるなと入り口にかかれていた。で、裏に回って回廊を歩き…
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裏庭を見てここをあとにした。
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それからマスク着用義務のない散歩道へ。
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葉っぱの落ちた木々の向こうにこんなのが見えるところ。
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しばらく歩くとシュレーバーガルテンがあった。シュレーバーガルテンとは小屋付きの貸し庭のことで、庭のない都市部の人が郊外のここに庭を借りて小さな家と言うか小屋で庭いじりをしながら週末を過ごしたりするためにある。庭は家庭菜園にもなるほどちょっとした広さだし、小屋と言っても下手なアパートより広そうな家で、キッチンとか寝室とかもある立派なものだ。これ、めぎはすごく興味あるのだけど、でも結構この貸し庭の隣通しの近所付き合いが大変らしくて借りるのをやめている。今みたいに週末も採点したり授業準備したりするような生活では、庭を借りても満喫できないしね。
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こうしてぐるりと回って1時間半ほど散歩して…
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従妹とお別れ。感染者数が減ってロックダウンが解けたら、または、再びバルコニーに座って食事ができるぐらいに暖かくなったら会いましょうね、と。
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これでクリスマスの祝日の話はおしまい。ツリーは回収日の前日1月10日まで飾り続けるので、再びブログに登場すると思うけど。その後27日は日曜日でお休みだったが、嵐のような天候で、外は大荒れ。でも雪になるわけでもなく、ただただ風が吹き荒れ雨が降り、一日中電気をつけなければならないほど暗い一日だった…
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25日のこと [文化の違い]

イヴが明け、朝を迎えた人形たち。
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↑これが今年のプレゼント。手前にボケて写っている荷物運びのロバ2頭とこの物売りたち。

数えてみると16セットあるので、もう16年も集め続けているというか、最初の1セット目はザイフェンというドイツ東部の町で自分で買ったのだけど、その後15年間もうちのドイツ人が贈り続けてくれているということね。
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ツリーの下には、イヴの夜に開けたプレゼントたち。本やら写真集やらが多いのだが、ピントを合わせてあるRosenkavalierというのはオペラのスコア。これはめぎがもらったもので、歌詞は持ってるけどスコアを見たらもっと深くこのオペラを味わえそうね、というめぎのふと漏らした一言を覚えていてくれたらしい。三島由紀夫はうちのドイツ人が好きな作家で、今年新たに翻訳が相次いで出たのでプレゼント。
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そして、イヴに開けきれなかったプレゼントを25日に開けた。例えばこれはうちのドイツ人の叔母からのプレゼント。
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可愛らしく包んであるわね~
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一つ一つはとってもシンプルで…
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例えばこんなのが出てくる。
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これで全部。透明な液体はキルシュヴァッサーという蒸留酒で、白く濁っているのはニンニクのしぼり汁だって。本の陰になっている大きな包みは叔母が自分で焼いたクッキー。コロナだなあと思うのは、消毒用の手拭きが2箱も入っていたこと。いつもはハンドクリームとかなのだけど。
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可愛い飾りはツリーにぶらさげた。そうそう、今日の2枚目の写真の右奥に写っている木のモミの木と天使も伯母からのプレゼント。
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それからこれはうちのドイツ人の同僚から。車の駐車開始時間を表示するこれがバラバラになっちゃったのをたまたま見た同僚がプレゼントしてくれたもの。
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プレゼントは数が多いものの、一つ一つはこのように素朴でシンプルである。誰も無理をしていないし、見栄を張ってもいない。クリスマスは相手に思いを寄せ、心を通わせるイベントなのだ。

とうとう全部開けちゃった…
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25日はこのほか、1時間ほど散歩に行ったり、ツリーや人形をいろんなレンズで三脚使って写したりして過ごした。
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そして、クリスマスディナーのお時間に。アドヴェント(クリスマスを待つ4週間)期間中に楽しんだクリスマスピラミッドは片づけて、義母から譲り受けたこのSchwibbogen(シュヴィップボーゲン)を代わりに置き、特別な時に使うワイングラスで乾杯。
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クリスマスのディナーは25日になってから。宗教的には24日はイヴであって、クリスマスではないのだ。ディナーははガチョウさんの胸肉のロースト。いつものように紫キャベツの甘い煮込みと、ジャガイモ団子と一緒に、ガチョウから出た肉汁をソースとして。
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ドイツではクリスマスは25日と26日の2日間が祝日でお休み。これで25日の話が終了…
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蝋燭点火 [文化の違い]

お生まれになりました…
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24日の夕方、ツリーの準備をしたところでうちのドイツ人は食事の支度にとりかかり、めぎは一人レンズをとっかえひっかえあれこれと撮影。
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明るいレンズを使っているので、暗くても明かり無しでここまで写る。凄いな。本当は室内撮影用の明かりも知り合いにいただいたのがあるのだが、それを使わないまま。冬休み中には使ってみようと思っている。
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さて、夕食のお時間に。ドイツでは普通イブに豪華なディナーは用意しない。まだ生まれてないからだ。多くの家庭ではソーセージにポテトサラダとか、ポテトスープとか、サーモンのソテーとかを食べるという。どれも支度に手間のかからないものである。めぎ家ではイブにはエビのガーリック焼きと決めている。ソーセージなどと比べてかなりリッチなのだが、料理に手間がかからないという点で一致している。いつもはリゾットを作るのだが、今回はトルコピラフ。クリスマスにトルコ料理って全然合わないけど、でもそれはうちのドイツ人の決めたことだから。レーズンと松の実の入ったピラフ、とても美味しかった。
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そして、自宅だけどちょっと改まってきちんと着替えてリビングへ。本当は食事のときから着替えるべきなのだろうが、エビを焼くのに油が跳ねるし出来立ての熱々をすぐに食べたいので食事は普段着で。でも、プレゼント開封はドイツ語でBescherung(ベシェールンク)という特別の単語があって儀式のようなものなので、きちんとした格好で。そして、やっとツリー点火。
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素敵なので、ぼかして撮ってみた。
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めぎたちが飾りの玉に写っている。
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壁の釘とかが写るし(ちゃんとレタッチで消せばいいのだろうが)、世の中の広告写真のようにはいかないけど、このツリーに蝋燭を灯した瞬間というのはとても厳かな雰囲気になる。そんな雰囲気を撮りたいが、それはイブには無理。プレゼント開封を待っている人がいるし、バッハを聞いたりツリーの飾りつけやら何やらを褒めたり忙しいのだ。でもまあこれから1月6日まで、何度もチャンスはあるだろう…
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だからこのときはZ6のキットレンズF4通しの24-70mmでチャチャッと撮った。
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でも、プレゼントの包みと一緒に撮れるのはこのときしかない。今回の写真の中でめぎが一番気に入ったのはこれ。
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プレゼント開封の時間は写真撮影はしなかった。もらって喜んでくれる相手の、そしてくれる相手の気持ちに寄り添って。
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本物のモミの木のにおいと、蝋燭の火のにおい。それは、幸せなにおい。一人だったら絶対にしないから。
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