SSブログ

第1アドヴェント [文化の違い]

11月29日は2020年の第1アドヴェント。アドヴェントというのはラテン語の「到着」という意味の言葉に由来してて、この場合キリスト降誕のことを指し、その到着までの4週前の日曜日からクリスマスまでカウントダウンしていく習慣である。その日に先駆け、うちのドイツ人の母親からいつものようにシュトレンが届いた。
a1.jpg


でも、あれ…?いつものマイセンのではなくて、ドレスデンのだ…
a2.jpg


なんでもいつも買い物している店でこのドレスデンのシュトレンを勧められたらしいのだ。まあ送られてきたのでこれをいただいてみることにいたしましょ。
a3.jpg


シュトレンというのはStollenと書き、この綴りの場合はシュトーレンと伸ばして発音することはドイツ語的に絶対に無いのだが、なぜか日本ではシュトーレンとなってしまったようね。もう多くの方がご存じのように、これはバターと卵たっぷりのかなりぎっしりとしたフルーツケーキなのだが、一説によると産着に包まれたキリストを模しているのだという。いつも義母が送ってくるので、めぎ家では第1アドヴェントにシュトレンを食べるのを儀式のように毎年行っているのだが、ドイツにはクリスマスになってから食べるという人もいる。つまりクリスマスケーキと言えばドイツではシュトレン。苺ショートとかの生クリーム&ふわふわスポンジケーキでは全くなく、チョコレートケーキでもなく、ブッシュドノエルのようなものでもない。
a9.jpg


せっかくのドレスデンの由緒あるシュトレンだけど、送ってくれたのは年に160万個も生産するという大工場の製品で、つまり手作りの美味しさがなく、まずいとは言わないが、ハッキリ言ってイマイチだった。いつものが良かったよねえ…あれはマイセン風のでドレスデンとレシピが違うとはいえ、味の深みがぜんぜん違った。アマゾンでも買える工場大量生産シュトレンと、小さなパン屋が手作りしているのとでは、やっぱり全然違うのだ。せっかく送ってくれたけど、これならデュッセルドルフでも買えるし、うちの近くのパン屋の手作りのの方が美味しいかもしれないわけで、めぎはともかくうちのドイツ人ががっかりしていた…その後母親に電話してずいぶんずけずけと言ってたわ…それはそれでちょっと母親が可哀想な気がしたが、せっかく同じお金をかけて送るなら、工場生産のではない方を送ってくれた方が美味しいし、このコロナのご時世に小さなパン屋を応援するっこともできるわけだしね。

さて、うちのドイツ人は第1アドヴェントにクリスマスピラミッドを出してきた。今日はトルコのチャイを入れて、いただきましょ。トルコのチャイだなんて全くクリスマスと相容れないけれど、まあめぎ家だからね…めぎはキリスト教徒ではないし、うちのドイツ人も脱会しててキリスト教を信じているわけではないしね。
a4.jpg


とは言え、めぎ家ではクリスマスの習慣はドイツ人並みに、というか最近のドイツ人よりずっとしっかりと行っているかもしれない…今時、シュトレンをきっちり用意してクリスマスピラミッドを出してアドヴェントを祝ったりする若者はほとんどいないだろう。
a5.jpg


今年めぎはいつもの4本の蝋燭を立てたリースを用意するのをやめた。リビングの床の張替えが終わっていないし、従って置くところが無いのだ。4本のろうそくを立てたリースは食卓テーブルには大きすぎるし。まあ一年ぐらい無くてもいいかな、と。
a6.jpg


クリスマスピラミッドは蝋燭の熱循環を利用して羽根がぐるぐる回るのだが、ちょうど西日が差してきたダイニングで(このとき15時半)、ぐるぐる回る影絵を楽しんだ。
a7.jpg


ちなみにクリスマスピラミッドは、ドイツ東部のエルツ山地地方の工芸品を買うとこの大きさでも350~500ユーロぐらいする高級品だが、めぎ家のはうちのドイツ人が15年ぐらい前にフリマで10ユーロぐらいで買ってきたもの。どこのものかは全く分からないし、ずい分粗削りだが、この素朴さが気に入っている。
a8a.jpg


そして、これを見るといつも実感する。クリスマスって、キリストの誕生を祝う宗教儀式なんだよなあ…って。
nice!(33)  コメント(8)