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11月2週目の状況 [新型コロナウィルスのこと 2020年]

貴族の庭園の話の途中だが、今日は現在のドイツのお話を。
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イチョウがどんどん落ちていく。他の木の葉はもうほとんど落ちてしまってて、イチョウが最後。ああ、ホントに晩秋だわ。
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11月初めからロックダウン・ライトに入っているドイツだが、ライトなのは学校が休校になっていないことと商店は営業していることで、あとはレストランもカフェもファーストフードも閉鎖、エンターテインメント系や芸術系(映画館とか劇場とか美術館とか)も閉鎖中。そしてデュッセルドルフは11月3日からマスク着用が全市内で義務だった。
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「だった」と書いたのは、11日からそれが町の中心部の一部のみに変更されたから。それは、義務になったときに裁判所に「マスク強要は違法だ」訴え出た人がいて、裁判所がそれを認める判決を下したからである。市は義務を見直さざるを得なくなり、結局は人の多く行き交う旧市街や繁華街、中央駅周辺のみを義務としたのだった。そして、健康上マスクができない人を除く、という但し書き付きである。あ、自転車の人はもともと免除されていたけどね。
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そんなバタバタなコロナ対策だが、さらにバタバタなことが州で決まりつつある。なんでも西ドイツ放送のインタビュー番組で州知事が子供に質問されたことに対し、ああそのアイディアは悪くないね、と答えたのがどんどん大きく膨らんで、ほんとにそうなるらしいのだ。それは、クリスマス休暇を数日前倒しするというもの。
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今年のクリスマス休暇は12月23日からのはずだった。しかし、それだと25日と26日のクリスマスに家族が集まるにはコロナ的に危険すぎる(注:ドイツのクリスマスは日本のお正月のようにみんなが帰省して親戚中が集まってお祝いする)。だから、21日と22日をホームスクーリングにして18日の金曜日を学校の最終日とし、実質19日から24日まで6日間家族で自主隔離すれば、絶対とは言えないまでもほぼ感染の危険なく家族が集えるのではないか、そうすれば今年もおばあちゃんとおじいちゃんに会えるのでは、と子供が州知事に尋ねたらしいのだ。で、そのアイディアは悪くないね、となって、21日と22日は休みにして(あとでどうせコロナで中止となったカーニバルの時期にでもその分取り返すことにして)クリスマスに備えて自主隔離していただきましょう、となったらしいのだ。
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しかし、最終的な通達がまだ教育省から学校に届いてないし、本当にそうなったのか、まだ審議中なのか、フェイクニュースなのか、どうにもわからないまま。学校によっては最後の最後まで試験の日程が組まれていてそれをどうしたらよいのかという問題があるし(ドイツの学校では一日に一教科しか、さらに一週間に三教科までしか試験をしてはいけない決まりなので、おいそれと日程を変えられないのだ)、学校があることを当てにしてその日に働くことにしていた親だっているはずで、いきなり休みになっては2日間と言えども結構困るのだ。(めぎは全然困らないけど。)
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11月13日のデュッセルドルフの新規感染者数は176人で、7日間指数(人口10万人当たりの7日間の感染者数)は160.2人で、州全体の新規感染者数は5873人で、ドイツ全体の新規感染者数は23542人である(日々新しい数値が出るが、11月14日もちょっと減った程度でさほど変わらないのでこのまま載せる)。2万人以上日々感染しているらしいのに再生産数は1を下回り、4日平均で0.79、7日平均で0.93なのだとか(この数値は14日は多少上がっているが1以下である)。デュッセルドルフの集中治療室の空きは17%と、ちょっと少なくなってきている。亡くなった人は一日で218人増えて、全部で12200人。死亡率は1.6%ぐらい。これらの数をどう理解すればいいのかもうよくわからないが、とにかく学校はマスクをして窓を開けて厚着をして通常運転中である。そこに転がり込んできた、クリスマスを家族で過ごすために必要な措置としての、クリスマス休暇前倒し延長案。みんな、そんなにクリスマスが大事なのね…でもたしかに、日本でお正月にいつも帰省していたのが今年はコロナで取りやめになり、そのためお年寄りがお正月に一人ぼっち、というような状況になると想像すると、なんとか手立てはないものかと考える気持ち、わかるわね。

そして、お隣オランダが大晦日の花火を中止すると決めたとかで、にわかにドイツも中止すべきかどうかという議論になっている。オランダでは毎年1500人ぐらい花火によるけがで病院に運ばれる人がいて、それがコロナで大変な医療関係者にさらに負担をかけるから、とのこと。ドイツではいつもどのぐらい病院のお世話になるのか知らないけど、さて、どう決まるかしらね。そんなこんなの状況の中、15日にはデュッセルドルフでマスク反対デモがあると言うし、もう来週がどうなっているかも予測がつかない感じなのだが、それでも12月18日まで学校はこのままやっていく気がする。あとは、自分がいつ濃厚接触者として隔離に入るか、運よく入らずに済むか、ひょっとして感染するか、それだけである。あと5週間、普通に学校に行って授業するという当然のことを全うできたら、なんだか奇跡である。
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