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元貴族の城の庭園 [2020年春~シュペー家の庭園]

現在、先日の2時間半ほどの小さな旅の話を連載中。

昨日のノスリのすぐそばには、実はこんなお城が立っていた。
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立派なお堀もある。
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ハイイロガンが優雅に泳いでいた。
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なんて素敵なところなの…
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ここはSchloss Heltorf(ヘルトルフ城)というお城で、11世紀ごろから城があったらしい。ずっとHeltorf家(その名前がTroisdorfに替わったときもあった)のものであったのが、16世紀に婚姻によってvon Scheid genannt Weschpfennig家という長い名前の家のものとなり、その孫娘が17世紀にSpee家と結婚して以来そのSpee家の所領となったらしい。Spee(シュペー)家というのはケルンの大司教家である。城は今もそのSpee家のもので、中には入れない。
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貴族制度が廃止されたドイツだけど、たまたま元貴族に生まれてこの城持ちになるなんて、凄い運命よね…同じ元貴族の末裔でも、貧乏で何もないうちのドイツ人の母親とは雲泥の差だねぇ…どうしてこっちに生まれなかったのかな…そうしたら人生ぜんぜん違ったのにな…というのは、めぎではなく他ならぬうちのドイツ人の言葉。実は城の中庭に柔軟体操か何かをしている若い女の子の姿が見えて、うちのドイツ人は、きっとあの子はここの家の孫なんだろう、いいな~ととても羨ましがっていた。

これは館の前からまっすぐに伸びる並木道。ここ、まっすぐまっすぐひたすらまっすぐ行くと、デュッセルドルフのど真ん中に着く。
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場所はこちら。



さて、城の横に54ヘクタールもの広大なヘルトルフ公園がある。18世紀末~19世紀初頭にイギリス庭園として整えられたようだ。普段は5月1日から10月31日まで土日祝日の10時から18時までのみ開放されていて、入り口はここではなく赤線で示されている一駅向こうのところ。ここには書かれていないが、入場料は3ユーロとのこと。
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しかし、コロナ騒ぎのため4月より、Spee家がこの公園を毎日朝8時から無料で開放し始めたのだ。しかもこの門からも入れるようにしてくれている。つまり、ご自由に散歩してくださいとのこと…レストランもカフェも劇場も映画館も美術館も動物園もショッピングセンターもデパートもホテルも何もかも閉鎖され、ただ散歩だけが許されたドイツ市民のために。なんて素晴らしいの!どこもかしこも閉鎖されていく中で、ここは反対に開放してくれたのだ。しかも無料で。
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春の芽吹きの勢いを楽しんでね、また全てがおさまるだろうという希望を捨てないでね、どうぞご健康で、神のご加護がありますように、とのこと。
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うちのドイツ人は仕事でこの辺りに来てここが開放されていることを知って、めぎをここに連れてきたかったのだ。菜の花畑も並木道も鉄道も、実はつけたし(と言うか前菜、でも前菜でおなかいっぱいになっちゃうのはめぎの常)。

さて、中に入りましょ。めぎたちより先にワンちゃんの散歩の人が入っていた。
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朝の光でどこもかしこも素敵…
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そして、そこには楽園のような景色が広がっていた…
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つづく
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