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カナダガンたち [小さな出来事]

早くも5月。ドイツで最も美しい月と言われる5月。なんとなくそれが気候の変動で4月に前倒ししてきたようにも感じるし、寒かったり暑かったりでちょうどよい心地よい季節が無くなってきているとも言われているが、今年の5月は果たして。

4月最後の日曜日、めぎたちはいつものように自宅近くへ散歩に出かけた。緑が濃くなったなあ・・・
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ライラックがもうこんなに散ってしまったし。
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公園に入ると、すぐにカナダガンがお出迎え。
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カップルの多い季節。
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あの抱卵中のところはどうなったかな・・・

・・・と思って見に行ったら、空になっていた!
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ねえねえ、あのガンたちはあなたたち?あの卵はどうしたの?と聞いても答えてくれるはずもなく。
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デュッセルドルフ市は、あまりにも増えすぎたカナダガン対策として、まず公園での一般人による餌やりを禁止し、ガンが巣作りしやすいような茂みの環境をなくすよう公園を整備し、さらに卵の間引きをすることに決めた。新聞によると、抱卵を始める直前に間引きするので、つまり生命を殺してはいないとのこと。平均6つの卵を温めるそうなのだが、全部取り上げるとまたそれだけの卵を生むので、2つは残すのだとか。そう言えばあのとき、卵は2つだった・・・しかも殻に何やら赤で✕と書かれていたので、それは「これは残した分」という印だったのかも。それが今や跡形も無く、巣にたくさんあった羽も殆ど消えているので、あのあと間もなく生まれてどこかへ行ったのかも・・・ネズミやカラスに食べられたのではなく、生まれたんだったら良いな。
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まあ生まれても小さいうちはカラスに狙われるんだけどね。ネズミやカラスにも生きる権利があるし、それもまた仕方のないことだわよね・・・

他のガンたちの多くは、カップルにはなっているけどまだ巣作りしていない。
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縄張り争いはあちこちで見かけるけど。
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池の周りをぐるりと歩いたところで、2羽の雛を連れたガンたちに遭遇。ねえねえ、あなたたちがあの卵の親たちなの?そうかもしれないし、別の雛なのかもしれない。あのとき抱卵中だったガンには足輪がなかったので、ひょっとしたら本当にこのガンたちがあのガンと卵なのかも・・・
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一昨年も去年も5~6月頃にはこの周り中がカナダガンで埋め尽くされてしまう状況だったので、そしてそれがデュッセルドルフの公園という公園全てでそうだったので、もはや非常事態、キャパシティを超えていたのは確かだった。雛の数は尋常ではなく、そのフンの量もすごかった。雛を連れたガンたちは茂みの中ではなく歩道や石畳の上で夜を明かすので(多分温かいのだろう)、朝はこちらがフンを避けて歩くのが大変なほどになっていたし、去年は雨が少なかったので、フンが粉塵になって閉口していたのだ。専門家によると孵卵する前の間引きは適切な処置で、撃ち殺したり卵を全部獲ったりするわけではないので動物愛護団体も了解済みとのこと。今年生まれなければ来年戻ってくるガンの数も減るわけで、そうしてバランスを取り戻そうとしているのだろう・・・

あの抱卵中だった2つの卵、あのあとどうなっちゃったのかな。どこかで元気でいてくれますように。
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