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サッカー観戦 [小さな出来事]

今日の話は3月中旬のこと。うちのドイツ人の従妹の息子と一緒にサッカー観戦に出かけた。
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従妹の息子は生まれも育ちもデュッセルドルフで、生粋のデュッセルドルフサッカーチームのファン。今23歳だが、子供の頃からスタジアムで観戦を続けていると言う。最初は父方の親戚について行き、そのまま今に至るまでずっと、つまりホーム試合はほとんど全てスタジアムで観戦しているのだ。現在デュッセルドルフはブンデスリーガ、つまり1部リーグに属していて、せっかくなので一度一緒に行きたいとお願いし、チケットを手配してもらったのである。年間契約をしている人は残席チケットも手に入りやすいからだ。

で、非常にコアなファン席であるゴール後ろの立ち見席にご招待いただき(チケット代は一人10ユーロ!)APS-CセンサーのD5600に70-300mmの望遠レンズをつけて、いざ!
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この日はフランクフルト戦。だから、長谷部がいる。上と下、長谷部見えます?マスク被っているのが長谷部。ユニホームはフランクフルトが黒で、デュッセルドルフが赤。
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実はこの日は月曜日。ブンデスリーガは伝統としては土曜日の試合なのだが、いつからか金曜日と日曜日にも分散され、さらに今は月曜日も。月曜日は20時半からで、だから仕事帰りのめぎも間に合ったのだが、ブンデスリーガの月曜日試合開催には反対する人達が結構いて、プロテストとしてフランクフルトのファンは前半45分の試合観戦をボイコット。仕事を終えてフランクフルトからここまで駆けつけると間に合わない、だから土日にやれ、という意思表示なのだそう。
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デュッセルドルフ側も、めぎがいた席ではないが1ブロックのコアなファン席がプロテストとして15分遅れで入場したそう。

さて、試合そのものは、試合開始直後にデュッセルドルフに大チャンスがあったのだがオフサイドでゴールが認められず、その後は小康状態。
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あれ、いつのまにマスク外してる・・・
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チャンスは有るのだが、ゴールにならないデュッセルドルフ。
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どちらも無得点のままハーフタイムへ。選手が退場すると、フランクフルトのファンが到着。それも大きな花火を打ち鳴らし、物々しく。
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フランクフルトはこういうので有名なチーム。それと比べると、デュッセルドルフのファンってなんだかおとなしいと言うか、お上品と言うか。しかし、どうしてこういうのがあの荷物チェックをすり抜けちゃうのかしらねえ。
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さて、後半に入り、まもなくフランクフルトがゴール。その後、デュッセルドルフのPKにもつれ込むかに見えたファウルのシーンがあったのだが、クレームがつき、ビデオ判定になった。
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で、判定の結果PK無しとなり、デュッセルドルフのファンはみんなで大声で「シャイセ~DFB!」と歌い出した。訳すと「ドイツサッカー連盟のクソ野郎~!」という歌詞。このビデオ判定に関しては、どう見ても事実と反対に判定されるケースが多く、せっかくビデオで見ているのにどうしてこうなるんだ!?こんなビデオ判定をやる意味がどこにあるんだ?ただ試合を中断して流れを止めているだけじゃないか!と、ドイツでは非常に議論になっている。さらに言うと、そのビデオ審判がいる別室は実はケルンにあるのだが、デュッセルドルフと隣町ケルンは犬猿の仲なので、デュッセルドルフに不利な判定をするのはケルンの仕業だ、とみんなブーイング。

そんなコアなファンたちの試合のあれこれへの反応がとても面白く、試合そのものよりそっちの方をビデオにでも撮ればよかった感じ。試合はその後0vs1とアウェイのフランクフルトチームのリードで進み、まあ今期調子の良いフランクフルト相手に善戦してるな~このまま終わればいいね、という雰囲気だったのが、ロスタイム中に0vs2となり・・・
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その直後にさらに0vs3となって試合終了。
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最後の2ゴールにはちょっと不可思議さを感じた・・・90分(日本風に言えば後半45分)を過ぎるとデュッセルドルフはもうヘトヘトで足が動かない感じに見えたのだが、フランクフルトの選手は最後の最後に突然ものすごく走り出し、それもスタメンで出ていた人が猛ダッシュして、狐につままれたような矢継ぎ早のゴールだったのだ。実力の差といえばそれまでだが、それ以上のなにか黒いものを感じた。まあクラブとしての予算の差も歴然なので、それだけのお金をかけた結果なのだろう。あ、いや、八百長だと言っているのではなく、なにか元気の出るような、または元気が長続きして特に90分後くらいに効果が出るようなものが選手の身体の中にあるのでは、と思うのよね・・・昨今のサッカーはその成分での勝ちのように見える場合が多いのだ。だって、どうして90分もあんなスピードであんなに走り回れるの?トレーニングでそこまでなれるわけ無いでしょ・・・

かなり冷え込んだ日だったので、2時間立ちっぱなしは結構辛かった。でも、コアなファンたちの、そしていつもは温厚な従妹の息子の迫力の応援ぶりが面白く、とってもいい経験だった。嵐の多い頃で、風も強く、雨が降らなくてホントラッキーだったなぁ。
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そして何と言っても、長谷部のプレイが素晴らしかった。日本人のプレイヤーが、あんなにもチームの要となって、司令塔となって試合運びをしている様子がとても頼もしかった。負けたデュッセルドルフには申し訳ないが、フランクフルトの中核となって活躍する長谷部の姿を見ることができて本当に良かった。対するデュッセルドルフの宇佐美が何故か出てなくて、それが残念だったけど。
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