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チュニジア料理の豪華な昼食 [2024年末~2025年始 チュニジア]

今日も年末年始のチュニジア旅行のお話を。

13時になり、約束のレストランに到着。(この写真はその30分前に写したものだけど。)
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ドアをノックすると中からドアを開けてくれた。チュニジアの楽器による音楽の生演奏が聞こえる。中はとっても立派なタイルの空間。その向こうには見覚えのある若者と、その隣にそれとそっくりのもっと老けた顔の男性…そう、その若者のお父さんが待っていた。息子がドイツでお世話になった人たちなので、ぜひ昼食を招待させてくれ、と言うのである。

あららら、そんなつもりではなかったのに…でも、それを受け入れるしかないめぎたち。ご馳走していただけるのはとても有難いけど、気の置けない若者と楽しいおしゃべりが弾むのを想像して楽しみにしていたその昼食は、父親に気を遣って発言にも気を付けて話を合わせるというものに変わってしまった。そうか、それでこのレストランだったのね。どこでも行きたいところを予約してね、と言ったらチュニジア一を誇る高級レストランになったので、たぶん美味しいのだろうけど、もっと地元民ならではのところを紹介してくれることを期待していためぎたちとしては当てが外れた気もしていたのだ。五つ星ホテルの経営するレストランで、ホームページはこちら
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立派な建物ね…18世紀の邸宅をホテルやレストランに改装しているらしい。しかも、その若者のお父さんの親の代でもかつてここじゃないけどこんな邸宅をお持ちで、それを売って今はホテルになっているのだという。近くだからあとで案内するって…へぇ…この若者、筋金入りのお坊ちゃまだったのね…
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父親は商社を経営しているという。何を扱っているのかはお茶を濁しててよく分からなかった。どこにどんな家を持っているとか、デュッセルドルフが気に入ったのでライン河沿いの一等地の部屋を買いたいと思っているとか、そんなお話が続く。めぎは食事前にお手洗いに行ったのだが、そのお手洗いのタイルも素晴らしい(↓下の写真)。あの若者、チュニジアではこういう邸宅に住んでいる人なのかな。うちの安アパートの小さな小さな部屋で、辛かっただろうな…
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さて、昼食だが、ご招待いただいたわけだし、まだ滞在二日目でチュニジア料理もよくわからないめぎたちなので、注文は全てお任せした。これはお通し。アンチョビとオリーブとケッパーがとっても美味しい。ケッパーってこんなに美味しいものだったのね、とびっくり。その向こうの赤いのは辛かった…凄く美味しいけど辛すぎて食べられない…
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辛いのは苦手とうちのドイツ人が言ったので、その後は辛くない料理が続く。スープは魚の出汁のスープなのだが、食べたことのない味。何のハーブなんだろう…うちのドイツ人的にはこれがここで最も美味しかったということだが、本当に絶品だった。
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↑上の写真のスープの右後ろにぼんやり写っているものはパイ生地に何かを包んで焼き上げた料理で、中身はこんなのなのだが、何が入っていたか、たぶん卵と何かだったのだが、もう思い出せない。
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それからこちらはたぶんチュニジアのサイドメニューで最も有名なブリク。春巻きの皮のようなので大きな餃子にして揚げたようなものの中身は、どろりとした卵(どうやって作るのか分からないが、皮の中に割り入れて包んでそのまま揚げたという感じ)。チュニジア人は卵料理が好きだとちょっと調べるとたくさん出ているが、本当にそうね。手で持って食べながら、中にレモンを絞り入れて食べる。ドロドロ半熟卵とレモン。それがチュニジアの味。
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手が汚れるのでこんなものも用意されていた。
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さて、これらの料理、一つ一つは美味しいのだけど、大きいし、どれも味が似たような方向で、ここまででめぎはもうおなかいっぱい。しかし、そこに極めつけのクスクスが登場。しかも一人一つ、うちのドイツ人にも同じもの。だからシェアもできないし、別の味に逃げることもできない。単品で食べたら美味しかったのかも知れないが、それまでとほぼ同じ味付けで、半分も食べないうちにギブアップ。うちのドイツ人も半分でギブアップ。ああ、ごめんなさい…(でも正直、美味しさはこの前日の宿のレストランのクスクスに軍配が上がる。)
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それなのに、さらに追い打ちをかけてデザートが。コーヒーゼリーとかチョコレートムースとかのように見えるこれら、Zrigaというコーンスターチで作ったプディングのようなものの上にAssidat zgougouという松の実がベースとなっているクリームを載せたもの。とてもねっとり甘くて、何かもさもさしたような舌触りで、もう無理…
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食べながら、うちのドイツ人と若者の父親がフランス語で交わす話や(これが意外にも半分ぐらい意味が分かったので、昔懐かしの大学時代の2年間の第2外国語やこの2か月のDuolingoは伊達じゃないと実感…まあ話題が凄く単純だったことにもよるけれど)、時折若者がドイツ語に訳してくれたりするのを聞く。若者がチュニジアの普通の学校ではなくチュニスにあるフランス人学校を出ていることや、10月からはボン大学で薬学を専攻していること、寮が空室待ちの長いリストで全く入れず、アパートなども全く見つからず、12月まではデュッセルドルフ大学に通っている知り合いの部屋に居候して毎日ボンに片道2時間かけて通っていたこと、それがあまりにも大変なので1月からはホステルに泊まって家探しをする予定だということなどを聞いた。聞きながら複雑な思いがした。この若者はチュニジアでは上流階級の人間で、フランス人と同様の教育を受けていた。それが、フランスに行けば当然のことながら全くフランス人と同等にはみなされないし、ドイツにやってきたら、大学にはフランスの卒業証書が認められてすぐに入れたものの、住まいが全く見つからないのだ。寮にすぐに空きがないのは25年前も今も同じだが、アパートを借りようにも、チュニジア人に貸してくれる人はそう簡単には見つからないのだろう。ちゃんと家賃が入るかと心配で断ったりするのだろうな。普通のドイツ人でも部屋探しは昨今難しいのに、外国人、それもチュニジア人はそれよりずっと大変なはずだ。

そう気の毒に感じつつも、どうもめぎたちはこの父親が好きになれなかった。そもそも約束と全く違った状況で待ち受けて暴力的に招待を受けるよう強いたわけで、そのやり方そのものが全く気に入らなかったし、話題がどうも「自分はこんなに上流階級なんだ」ということに終始したからである。お金と待遇と自分が買えるもののことしか興味はないのかな、と思ったほどで、オペラとか文学とかは期待しないけどその国の歴史とか社会背景とかを知りたいめぎたちとは興味が全くずれていたのだ。

だから、表面的な話題に終始してつまらなくなんとも後味の悪い会食となってしまったが、それでも、この経験にはとても感謝している。おかげでチュニジアの貧富の差を身をもって感じることができたし(クスクス一つだけで80ディナールもする…一人当たり少なく見積もっても400ディナールぐらいの食事をしたわけで、外の一番高いピザでも16ディナールだったのを思い出すと、ここは別世界だ)、こんな機会でもないとこの高級レストランにはめぎたちは入らなかったと思うから。
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そうそう、このレストラン、数席離れたところで日本人家族が食事していた。駐在の方なのか、旅行者なのかは不明。日本人がいると聞いたからか、小さなお琴みたいな楽器で生演奏していた人が「さくら」も演奏。それらの事実からしても、ここは日本人を含めた外国人が来るところで、たぶん英語も通じるし、めぎたちだけでも来られるところ。ホント、もっとローカルなところに案内して欲しかったな…でも、このお育ちじゃ無理な話だったわね。この若者、ひょっとしたらチュニジアの普通のローカルなところなんて行ったことがないのかもしれないな。
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Baldhead1010

寒い時はカプサイシンで温まろ^^
by Baldhead1010 (2025-01-24 06:45) 

向日葵

残念ながらあまり楽しくは過ごせなかったみたいですが、
滅多に出来ない体験をしましたね。
by 向日葵 (2025-01-25 11:06)