家族の集い [小さな出来事]
今日は11月初めの週末の家族の集いのお話を。
うちのドイツ人の叔母とその娘(うちのドイツ人の従妹)とその息子(叔母の孫)とめぎ家とで、一番若い28歳の(叔母の)孫のうちに集まったこの日、叔母と従妹が到着し、メインディッシュがやってきた。叔母が70年ほど住んでいたシュヴァルツヴァルト地方の味付けのポテトサラダである。
叔母はもともとはドイツ東部のザクセンの出身なのだが、13歳ぐらいのときに家族で西へ逃れた。シュヴァルツヴァルト地方はそれ以来住んでいたところで、85歳になった昨年、娘のいるデュッセルドルフのホームに移住。そういうわけで、孫の青年にとっておばあちゃんの田舎はシュヴァルツヴァルト地方で、「おばあちゃんのポテトサラダが世界一美味しい」と言う(デュッセルドルフのあるノルトライン・ヴェストファーレン州のポテトサラダ(マヨネーズ味)とは作り方が異なり、ピクルスのビネガー味である)。で、今回の家族の集いはこのポテトサラダを食べる会なのだ。だけど今回、この5人だけの集いにこれ、ちょっと多すぎない…?叔母、張り切ったのね…
そうそう、話は逸れるが、このテーブル、20代の若者の賃貸に置くテーブルとしてはかなり立派。これ、青年が一人暮らしを始める際に両親から譲り受けたもの。従妹(青年の母親)は10年ぐらい前に離婚したのだが、彼女はこのテーブルを元夫の元に置いてきた。その後元夫が再婚して住まいを処分して引越したため、家具も色々処分され、その際に息子の彼がこのテーブルを引き取ったのだとか。非常に良いものなので、受け継いでもらえてよかったね。
さて、ポテトサラダと一緒にいただくもう一つのメインは肉屋さんで仕入れたウィンナー。本場のウィンナーはこんな風にかなり長く、茹でていただく。沸騰させずに温めるのがコツ。
一人暮らしの28歳の青年のキッチンには、結構本格的な調味料が備えてあった。やはりドイツ、男性でもキッチリ料理する。
ウィンナーの準備中に、叔母がうちのドイツ人に最近作った詩を見せて意見を聞いていた。うちのドイツ人に多少文才があると認めているので、素直に意見を聞いている。
食卓には辛子も準備。
こうして茹で上がり…
めぎたちの差し入れの白ワインも開けて…(ボルドーの白ってものすごく珍しい。これ、ヴィサンブールのレストランで勧められて飲んでとても美味しくて購入して来たもの。)
こんな風に盛り付けて、いただきまーす!
↑お代わりもしたけど、やっぱりポテトサラダは食べきれず、皆で山分けして持ち帰った。こんな風に簡素で品数も少なく気軽に集って楽しめるのがドイツの良いところ。だから会う回数も増える。
その後デザートにうちのドイツ人が作ったティラミスを食べ(写し忘れ)、この大きくて細長いタイプの柿も頂き…
最後にそれぞれ好きな蒸留酒を頂いてゆっくりおしゃべり。
そのおしゃべりなんだけど、基本的に和やかに楽しく進んだのだが、途中からこのご時世なので先行きの不安で叔母が反難民(反外国人)の言葉をいっぱい口走り、従妹はもうイライラして匙を投げてるし孫も大好きなおばあちゃんがこんな反ヒューマニストになっちゃってとガッカリするし、そもそもめぎは外国人だし、嫌な雰囲気に。うちのドイツ人がとても穏やかに、でも諭すように話したけど叔母はどんどん頑固になっちゃって、最後にはみんなが話してても叔母は参加せず、テーブルを立ってあちこち歩きまわってもう帰りたそうなそぶりをし、それでさらに従妹がいら立つし、なんとも後味の悪い最後となった。まあもう86歳の老人だから仕方がない、大目に見ましょ、と言うこともできるけど、まだ意識のしっかりしている大人を「おばあちゃんだからねぇ、はいはい」とあしらうのも失礼だし、対応が難しいところだ。
叔母は悪気が無いのだが、歳を取るほど弱点や苦手なところが酷くなるという感じに見える…自分自身が東ドイツから難民として西にやってきたので、難民のニュースに古傷が疼くのだろうと思う。なんと言うか、自分が苦労した点について自分も乗り越えたのだからと他人に厳しくなるタイプと、自分が大変だったからこそ同じような目に遭っている人にやさしくなるタイプがあると思うのだが、叔母は意外にもものすごく厳しくなるタイプのようだ。そして、他の意見を聞く精神的ゆとりを失い、融通が利かなくなる。年をとるのって辛いわね。自分は将来どうなるのかな…
うちのドイツ人の叔母とその娘(うちのドイツ人の従妹)とその息子(叔母の孫)とめぎ家とで、一番若い28歳の(叔母の)孫のうちに集まったこの日、叔母と従妹が到着し、メインディッシュがやってきた。叔母が70年ほど住んでいたシュヴァルツヴァルト地方の味付けのポテトサラダである。
叔母はもともとはドイツ東部のザクセンの出身なのだが、13歳ぐらいのときに家族で西へ逃れた。シュヴァルツヴァルト地方はそれ以来住んでいたところで、85歳になった昨年、娘のいるデュッセルドルフのホームに移住。そういうわけで、孫の青年にとっておばあちゃんの田舎はシュヴァルツヴァルト地方で、「おばあちゃんのポテトサラダが世界一美味しい」と言う(デュッセルドルフのあるノルトライン・ヴェストファーレン州のポテトサラダ(マヨネーズ味)とは作り方が異なり、ピクルスのビネガー味である)。で、今回の家族の集いはこのポテトサラダを食べる会なのだ。だけど今回、この5人だけの集いにこれ、ちょっと多すぎない…?叔母、張り切ったのね…
そうそう、話は逸れるが、このテーブル、20代の若者の賃貸に置くテーブルとしてはかなり立派。これ、青年が一人暮らしを始める際に両親から譲り受けたもの。従妹(青年の母親)は10年ぐらい前に離婚したのだが、彼女はこのテーブルを元夫の元に置いてきた。その後元夫が再婚して住まいを処分して引越したため、家具も色々処分され、その際に息子の彼がこのテーブルを引き取ったのだとか。非常に良いものなので、受け継いでもらえてよかったね。
さて、ポテトサラダと一緒にいただくもう一つのメインは肉屋さんで仕入れたウィンナー。本場のウィンナーはこんな風にかなり長く、茹でていただく。沸騰させずに温めるのがコツ。
一人暮らしの28歳の青年のキッチンには、結構本格的な調味料が備えてあった。やはりドイツ、男性でもキッチリ料理する。
ウィンナーの準備中に、叔母がうちのドイツ人に最近作った詩を見せて意見を聞いていた。うちのドイツ人に多少文才があると認めているので、素直に意見を聞いている。
食卓には辛子も準備。
こうして茹で上がり…
めぎたちの差し入れの白ワインも開けて…(ボルドーの白ってものすごく珍しい。これ、ヴィサンブールのレストランで勧められて飲んでとても美味しくて購入して来たもの。)
こんな風に盛り付けて、いただきまーす!
↑お代わりもしたけど、やっぱりポテトサラダは食べきれず、皆で山分けして持ち帰った。こんな風に簡素で品数も少なく気軽に集って楽しめるのがドイツの良いところ。だから会う回数も増える。
その後デザートにうちのドイツ人が作ったティラミスを食べ(写し忘れ)、この大きくて細長いタイプの柿も頂き…
最後にそれぞれ好きな蒸留酒を頂いてゆっくりおしゃべり。
そのおしゃべりなんだけど、基本的に和やかに楽しく進んだのだが、途中からこのご時世なので先行きの不安で叔母が反難民(反外国人)の言葉をいっぱい口走り、従妹はもうイライラして匙を投げてるし孫も大好きなおばあちゃんがこんな反ヒューマニストになっちゃってとガッカリするし、そもそもめぎは外国人だし、嫌な雰囲気に。うちのドイツ人がとても穏やかに、でも諭すように話したけど叔母はどんどん頑固になっちゃって、最後にはみんなが話してても叔母は参加せず、テーブルを立ってあちこち歩きまわってもう帰りたそうなそぶりをし、それでさらに従妹がいら立つし、なんとも後味の悪い最後となった。まあもう86歳の老人だから仕方がない、大目に見ましょ、と言うこともできるけど、まだ意識のしっかりしている大人を「おばあちゃんだからねぇ、はいはい」とあしらうのも失礼だし、対応が難しいところだ。
叔母は悪気が無いのだが、歳を取るほど弱点や苦手なところが酷くなるという感じに見える…自分自身が東ドイツから難民として西にやってきたので、難民のニュースに古傷が疼くのだろうと思う。なんと言うか、自分が苦労した点について自分も乗り越えたのだからと他人に厳しくなるタイプと、自分が大変だったからこそ同じような目に遭っている人にやさしくなるタイプがあると思うのだが、叔母は意外にもものすごく厳しくなるタイプのようだ。そして、他の意見を聞く精神的ゆとりを失い、融通が利かなくなる。年をとるのって辛いわね。自分は将来どうなるのかな…
2024-11-13 02:00
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コメント(9)
ポテトサラダ、ほんとに山盛りですね^^
お孫さんに世界一と言われるなんて嬉しいですよね~♪
辛い経験のフラッシュバック、不安を処理しきれず苦しいんでしょうね(歳をとってあまりに攻撃的になる場合は、脳の問題が隠れていることもあるし、難しいですね)せっかくの食事会、最後はちょっと大変でしたね。
by おと (2024-11-13 05:59)
家内と二人だけの食事時は話すこともなく・・・・。
by Baldhead1010 (2024-11-13 06:33)
移民問題は難しいですね。
日本はこれから直面することになりそう。
叔母さんの気持ちもわからないではない、わたくしの歳^^
by mm (2024-11-13 06:45)
私の母がおばさまと同世代ですが、昔はだまって耐え忍ぶタイプだったのが、最近は古いこと、今の不満を思い出しては文句ばかり言ってます。認知症もあるので、年齢のせいか、病気のせいかはわかりませんが。
聞いてるほうはたまりませんよね?どうぞめぎさん、ドイツ人さんご自愛くださいませ。
by sheri (2024-11-13 10:41)
私の母がまさにこれに近いタイプです。
ただ、私の母で厄介なのは、自分には甘いこと。
自分のことは棚に上げて人には過剰な要求をし、悪気はないのですが、周りは振り回されて大変です。
ご家族の集いが後味悪いものになったのは、せっかくの機会に残念でしたね。
めぎさんご自身がドイツの中では外国人なので、居心地悪かったのではないでしょうか。
それでもとても大人の対応をされているみたいで、私は母に対してこういう寛容な考えで接することは難しいです。
by YAP (2024-11-13 17:18)
気軽に集まって飲んだり食べたりでいるのはいいですね。
ブランチで集まるのもありだから、ささっと切り上げられたりするし。
叔母さま、詩についてはドイツ人さんの意見に耳を傾けたりされるのにね。
悪気がない、というのが一番大変かもしれない・・・。
by Inatimy (2024-11-13 17:53)
ビネガー味のポテサラ、美味しそうですね。
彩りもキレイで、作った人の気持ちが感じられます。
日本だと誰かが家に来ると、張り切ってご馳走を用意しがちだけど、気取らない食事なら集まり易いですね!
by angie17 (2024-11-13 19:07)
身内がお料理持って集まり楽しむ風習はいまの日本にはない事です。残念な終わり方ですけど皆さん分かっていると思いますよ。
by JUNKO (2024-11-13 19:59)
難しいですね。叔母様ご自身のご経験とご年齢に加えて、もしかしたら世代的な問題もあるのかな。同世代の義母がとんでもない差別的なことを言ったことがあり、それを子どもに聞かせたくなくて困ったことを思い出しました。大変でしたね。その中で穏やかに諭されるドイツ人さんはすごいなあ。
by stellaria (2024-11-13 20:18)