昔の記録と戯れながら

今日は2017年のドイツ東部の地の果てのようなところでのこと。場所はデッサウの近く。

うちのドイツ人の父方の祖先の記録が載っている書類。



洗礼、結婚、埋葬の記録が載っている。長い人類の歴史から見るとほんのちょっと前のこと。でも、この頃のドイツや世界を思うと、果てしなく遠い昔。だってこの年代って、モーツァルトが生きていた頃なんだもの。



手書きなので、担当者が変わると筆跡が全く異なる。長い間勤めて引退したのね、というのが分かって面白い。



うちのドイツ人は用意されていたこんな手袋をはめて触らせてもらっていた。



素敵な字…1729年に書かれたということなのかな。



ここの担当者は緑のTシャツを着たおじさん。このとき、随分お年の方に見えたけど、今見ると今のドイツ人より若い。このときは、この人ってこんなド田舎でこういう教会の記録を問い合わせに応じて探して出したり仕舞ったりする仕事をしてるのね、でもそんなに問い合わせってあるのかな、と思いながら話していたのだが、今はもう引退したのだろうか。



そしてその横にいた青年…まだ片言のドイツ語しかできなくてほぼ意思疎通できない状況だった彼は、この2年前からドイツに押し寄せた難民の一人なのだという。この仕事場で一人受け入れたのだとか。彼、祖国を離れ、友だちとも離れ、こんな田舎で一人ぼっちで、何を思っているのかな。胸に目立つ十字架が印象的。



うちのドイツ人は今こうして旧東側に何の問題もなくやってきてこの資料を見ることができているけど、若い彼はいつか故郷で祖先の足跡に触れたりすることができるようになるのかな。



古いエレクトーンのようなものがあった。



必要な部分の複写をしてもらったりして用事を果たし、1時間ほどでここを後にした。

コメント 6

古い貴重な資料ですね。
by Baldhead1010 (2024-10-22 05:30) 

かなり古い本、ノート・・・端の方から紙がボロボロ壊れそう。
by mm (2024-10-22 06:27) 

記録を記した古文書、メンテナンスも大変と察しました。こうした文書が後々まで継承されるのはすばらしいと思います。
by Jetstream (2024-10-22 12:11) 

モーツアルトの時代まで記録が残っているとは、すごいですね。
日本でも古いお寺とか、そういうのが残っているのかな？
ドイツ人さんのルーツをたどるというのは、なんとなくですが、数代前、年数でいえば 150年くらい前までかなあと想像していました。
300年くらい前までたどるドイツ人さんの熱い思いもすごいですし、その記録が残っているというのも、歴史の深さを感じます。
by YAP (2024-10-22 18:46) 

丁寧な手書きの文書、美しいですね＾＾
ルーツをさかのぼる、３００年前、私の祖先は何をして生きていたのかな、なんて思います。
by おと (2024-10-22 22:50) 

古い書物の香りまで漂って来そうな写真ですね＾＾。
3枚目の写真の書体がいいなぁ。
by Inatimy (2024-10-22 23:22)