あれから一年 [小さな出来事]
この土曜日、めぎ家のバルコニーの紅葉が寂しくなっていた。
晴れて鋭い光が差したり真っ黒い雲が出たり小雨がぱらついたりを繰り返す落ち着かない天気のこの土曜日、最低気温は6℃、最高気温は14℃。すっかり秋と言うか、もう冬?と思うような冷たい空気。めぎもうちのドイツ人もうちの中でフリースを着ている。外に行くときはそろそろダウンジャケット羽織ってもいいかなと思う感じ。
そんな中、うちのドイツ人の友人が手伝いにやってきた。春頃から何度か来てもらって、その都度200ユーロをお支払いしてうちのドイツ人にできないことをあれこれ手伝ってもらった友人だ。トレーラー生活している女性で、逞しく、部屋の改装に伴う家具の移動に始まり、重いものを運んだり力を使うドリルを使ったりあれこれ取り付けたり片付けたりする作業を計10回に渡り手伝ってもらった。やってほしい作業が一通り終わり、後はうちのドイツ人が自分でもできるレベルのことになった&ある程度のことは自分でできるほど回復したので、手伝ってもらうのは今回でひとまず終わりとなる。最後にしていただいた作業は、地下室からこの重い大きな額縁を4階まで運び上げること。めぎ一人では重すぎてできないし、うちのドイツ人はこういうのを両手で持ち上げることは一生避けなければね。
最初の腰椎骨折は数年前で、そのときは数日で痛みが治まったのでぎっくり腰だと思って過ぎていった。その次の腰椎骨折が2023年9月の終わり頃で、9月30日に始まった去年の秋休みは、痛くて起き上がるのにも横になるのにも悲鳴を上げて一向によくならないうちのドイツ人への心配と、凄く楽しみにしていたミラノのスカラ座のオペラへの旅行を断念することとなった残念さと、こんなに痛がっている人間を前に自分は見たかったオペラが見られなくて残念に思っているという後ろめたさとで、やるせない2週間だった。その後ちょっと良くなって車の運転などできるようになった矢先、義母が亡くなり、さらに次の腰椎骨折、さらにあばら骨も傷め、寝たきりに。そこからの日々はもう書いたので省略するが、一年経って9月30日を迎え、辛い一年だったなぁ…の一言が浮かぶ。ホント、その一言に尽きる。
一年前のあの瞬間、うちのドイツ人が大きな板を持ち上げたあの瞬間から、めぎたちの生活は一変した。昔はいっぱい歩き、あちこち好きなだけ何時間も散歩し、長距離運転し、資材を買ってきては何かを作るなどアクティブに過ごしていたけれど、今後はずっと休み休み、10メートルぐらい歩いたら10秒休み、100メートルぐらい歩いたらさら2分休むというような感じに休み休み、足元に気を付けてごつごつしたところは避けて歩かなきゃ。何か買い物をしたら、どうやってそれを4階まで運んでもらうか、その手配のことまで考えなければ。旅に出るなら、長い間同じ姿勢でいることを避け、重い荷物はずっとめぎが持ち、例えばスーツケースを飛行場のあのベルトコンベヤーから引き上げるとかレンタカーのトランクに入れるとかバスや電車に運び上げるとかはめぎの役目となる。
それでも今は、できるようになったことがいっぱい。痛みなく起き上がれるし、歩けるし、荷物も瓶を2本程度までなら持てるようになったし、たくさんじゃなければゴミ出しもできるようになったし、一人でシャワーも浴びれるようになったし、一人でフライパン料理も重くなければオーブン料理もできるようになったし、なんと言っても以前と変わらず仕事もできているのだから、その回復ぶりを喜ばなきゃね。あの寝たきりで、それもただ寝ているのではなく痛みと戦ってて、今後それがよくなるのか全く見通しが立たなくて途方に暮れたまま介護しながら仕事と家事を全てやった数か月を思うと、今や夢のような回復ぶり。有難いこと。
手伝ってくれた友人に感謝して、今回もめぎが料理。その友人はベジタリアンでかつグルテンフリーじゃないとダメなので、気を付けて野菜中心の日本料理。出汁をとるのも昆布だけで。この日のメニューはご飯に、豆腐と水菜と春雨の昆布出汁スープ、ホウレン草と松の実のごま油炒め醤油味、日本食材店で買ったとろろ芋を短冊切りにして海苔をかけてポン酢で味付けしたもの。飲み物はフレッシュモロッコミントティー。
2024年の9月30日はまだ秋休みではない。今年の秋休みが始まるまであと2週間。休みが近くなってきて、昨年行けなかったスカラ座のことを思い出す。あのオペラ歌手の出るあの演目、見たかったな。今年のスカラ座にはその演目がなく、もう幻だ。そういう残念なこと、これから歳を追うごとにきっと増えるんだろうな。それが歳を取るということなのだろうな。今は、今できることに感謝して、今できるうちに楽しんでおこうと思う。
晴れて鋭い光が差したり真っ黒い雲が出たり小雨がぱらついたりを繰り返す落ち着かない天気のこの土曜日、最低気温は6℃、最高気温は14℃。すっかり秋と言うか、もう冬?と思うような冷たい空気。めぎもうちのドイツ人もうちの中でフリースを着ている。外に行くときはそろそろダウンジャケット羽織ってもいいかなと思う感じ。
そんな中、うちのドイツ人の友人が手伝いにやってきた。春頃から何度か来てもらって、その都度200ユーロをお支払いしてうちのドイツ人にできないことをあれこれ手伝ってもらった友人だ。トレーラー生活している女性で、逞しく、部屋の改装に伴う家具の移動に始まり、重いものを運んだり力を使うドリルを使ったりあれこれ取り付けたり片付けたりする作業を計10回に渡り手伝ってもらった。やってほしい作業が一通り終わり、後はうちのドイツ人が自分でもできるレベルのことになった&ある程度のことは自分でできるほど回復したので、手伝ってもらうのは今回でひとまず終わりとなる。最後にしていただいた作業は、地下室からこの重い大きな額縁を4階まで運び上げること。めぎ一人では重すぎてできないし、うちのドイツ人はこういうのを両手で持ち上げることは一生避けなければね。
最初の腰椎骨折は数年前で、そのときは数日で痛みが治まったのでぎっくり腰だと思って過ぎていった。その次の腰椎骨折が2023年9月の終わり頃で、9月30日に始まった去年の秋休みは、痛くて起き上がるのにも横になるのにも悲鳴を上げて一向によくならないうちのドイツ人への心配と、凄く楽しみにしていたミラノのスカラ座のオペラへの旅行を断念することとなった残念さと、こんなに痛がっている人間を前に自分は見たかったオペラが見られなくて残念に思っているという後ろめたさとで、やるせない2週間だった。その後ちょっと良くなって車の運転などできるようになった矢先、義母が亡くなり、さらに次の腰椎骨折、さらにあばら骨も傷め、寝たきりに。そこからの日々はもう書いたので省略するが、一年経って9月30日を迎え、辛い一年だったなぁ…の一言が浮かぶ。ホント、その一言に尽きる。
一年前のあの瞬間、うちのドイツ人が大きな板を持ち上げたあの瞬間から、めぎたちの生活は一変した。昔はいっぱい歩き、あちこち好きなだけ何時間も散歩し、長距離運転し、資材を買ってきては何かを作るなどアクティブに過ごしていたけれど、今後はずっと休み休み、10メートルぐらい歩いたら10秒休み、100メートルぐらい歩いたらさら2分休むというような感じに休み休み、足元に気を付けてごつごつしたところは避けて歩かなきゃ。何か買い物をしたら、どうやってそれを4階まで運んでもらうか、その手配のことまで考えなければ。旅に出るなら、長い間同じ姿勢でいることを避け、重い荷物はずっとめぎが持ち、例えばスーツケースを飛行場のあのベルトコンベヤーから引き上げるとかレンタカーのトランクに入れるとかバスや電車に運び上げるとかはめぎの役目となる。
それでも今は、できるようになったことがいっぱい。痛みなく起き上がれるし、歩けるし、荷物も瓶を2本程度までなら持てるようになったし、たくさんじゃなければゴミ出しもできるようになったし、一人でシャワーも浴びれるようになったし、一人でフライパン料理も重くなければオーブン料理もできるようになったし、なんと言っても以前と変わらず仕事もできているのだから、その回復ぶりを喜ばなきゃね。あの寝たきりで、それもただ寝ているのではなく痛みと戦ってて、今後それがよくなるのか全く見通しが立たなくて途方に暮れたまま介護しながら仕事と家事を全てやった数か月を思うと、今や夢のような回復ぶり。有難いこと。
手伝ってくれた友人に感謝して、今回もめぎが料理。その友人はベジタリアンでかつグルテンフリーじゃないとダメなので、気を付けて野菜中心の日本料理。出汁をとるのも昆布だけで。この日のメニューはご飯に、豆腐と水菜と春雨の昆布出汁スープ、ホウレン草と松の実のごま油炒め醤油味、日本食材店で買ったとろろ芋を短冊切りにして海苔をかけてポン酢で味付けしたもの。飲み物はフレッシュモロッコミントティー。
2024年の9月30日はまだ秋休みではない。今年の秋休みが始まるまであと2週間。休みが近くなってきて、昨年行けなかったスカラ座のことを思い出す。あのオペラ歌手の出るあの演目、見たかったな。今年のスカラ座にはその演目がなく、もう幻だ。そういう残念なこと、これから歳を追うごとにきっと増えるんだろうな。それが歳を取るということなのだろうな。今は、今できることに感謝して、今できるうちに楽しんでおこうと思う。
2024-09-30 02:00
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コメント(6)
体のどこかに不具合があると、辛いですね。
by Baldhead1010 (2024-09-30 06:10)
この一年、本当に大変でしたけど、目覚ましい回復ぶりで、
本当に良かったです。
油断禁物。今残っている力を大事にしないと!!
そこら辺の按配は、誰よりもMegiさんがわかっていますよね。
ワタクシ達もだんだんに「年」を遅れて意識せざるをえなく
なってきています。誰もが通る道。ではありますがー。
いざ自分が、となると、やはり覚悟がいるものですね。
by 向日葵 (2024-09-30 06:25)
この一年を思うと、ほんとに大変でしたね。
けど、春の来ない冬がないように、ここまで回復できたのはうれしいですね。
めぎさんの心も、つらい時期があったことと思いますが、いろいろな苦労が報われてきて、ドイツ人さんはこれからも元の生活に向けて回復していくのは続くでしょうから、励みになるのではないでしょうか。
私も2週間くらい前、部屋を掃除中にマガジンラックを持ち上げようとしたときに、腰が変な感じで傷みました。
ぎっくり腰まではいきませんでしたが、歩くのもきついくらいになり、数日はコルセットで支えてました。
日常のどこに落とし穴があるかわからないので、いろいろ気を付けないとなあと思いました。
by YAP (2024-09-30 09:36)
大変な1年でしたね。めぎさんの頑張りも大したものでした。勿論ご本人がいちばんがんばったのでしょうけれど。これからは何事もスローペースで無理をしないでしていくことですね。そのぺースに慣れてください。
by JUNKO (2024-09-30 12:21)
痛みがあるご本人も大変だし、それを日々支える側もまた別の大変さがありますよね。
おふたり寄り添ってここまで歩んでこられた1年、とても尊いものに感じられます。
大きな額縁、中はどんなふうなのか、気になるところです。
by Inatimy (2024-09-30 21:53)
ドイツ人さんにとっても、めぎさんにとっても、ほんとうに大変な1年でしたね。うまく言葉にできませんが、今を大切に生きるって、シンプルで大切なことですね♪ 私にとっては、めぎさんにザルツブルクでお会いできた日々は、本当に最高で、素晴らしい時間をありがとうございました^^♪
by おと (2024-10-01 00:03)