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夏の終わりに [新型コロナウィルスのこと 2021年]

6週間の夏休みも、土日を入れてあと4日。
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今年の夏休み、雨が多かったほかは、ずっと過ごしやすい気温だった。ここ2週間の気温は、高くて28℃程度、その日によっては20℃未満。11日は24℃の予報だが、今この記事を書いている13時の時点で21℃。30℃を超す日は今年、もう無さそう。一方で、南欧では40℃を超して非常事態に陥っていて、これって凄い差だわね…

日本だったら休みがまだ4日もあるって思うところなのかもしれないが、6週間の最後の4日ともなると、かなりどんよりした気分になってしまう。
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2週間音楽のことばかり考えてものすごくリフレッシュして帰ってきたのだが、もういきなり現実がバババンバンとあるし、ああまた一年頑張らねば…
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と言っても去年と比べたらきっと今年は楽だと思うのだけど。二度とホームスクーリングにならないように政府はあれこれ策を練っているようだし、再びオンライン授業になってももう慣れてるし、すっかり訓練されてしまってまた何か考えてもみなかったような予期せぬことがあるんだろうけどまあ何とかなるのさという心構えもできてるし。
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現在のヨーロッパはこんな地図。これは以前にもご紹介したこちらのサイトの地図だが、コロナ感染の七日間指数(人口10万人当たりの七日間の新規感染者)の色分けで、基本的に赤っぽくなって色が濃くなると感染爆発しているということ。ドイツはグレイで、まだまだずいぶん低い方。めぎの行ってきたオーストリア(オレンジ色)よりも低い。
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↑緑のポーランドとハンガリーは七日間指数が5未満。薄いグレイのチェコ・スロバキア・ルーマニアは10未満で、ちょっと濃い目のグレイのウクライナ・ボスニアヘルツェゴビナは25未満。一番濃いグレイのドイツ・ラトビア・モルドバは30未満。肌色のアルバニアは35未満。オレンジ色のオーストリア・スウェーデン・スロヴェニア・クロアチアは35以上50未満。明るめの赤のスイス・イタリア・ルクセンブルク・セルビア・ブルガリア・ベラルーシ・ノルウェー・フィンランドは50以上100未満。若干濃い目の赤のオランダ・ベルギー・デンマーク・ポルトガル・ギリシャ・リトアニア・エストニア・コソボ・北マケドニアは100以上200未満。黒っぽい赤のイギリス・フランス・スペイン・アイルランド・アイスランド・モンテネグロ・トルコは200以上。これは8月11日に写した写真なので、12日以降にはリンク先の色が若干変わっている可能性があるけど、まあこんな感じということで。この、人口10万人当たりの一週間の新規感染である七日間指数をあまり知らない方への比較対象として数値を挙げると、日経のこちらによれば、8月10日の日本では、トップ3が沖縄247.8、東京200.1、神奈川140.3で、その後埼玉、千葉、福岡と続き、7位の大阪が86.3で、その後京都、茨城と続き、10位の兵庫が51.4。

以前だったら七日間指数が100を超えたりしたら大騒ぎでロックダウンだったのだが、ワクチン接種の進んだ今は死者数や重症者数が少なくて、200以上のイギリスがすっかり緩和に踏み切っているのは日本でも知られている通り。ドイツの8月11日の一日の新規感染者数は5000人弱で、日本の3分の1。七日間指数は25.1で、デュッセルドルフに限れば50.0で、一時5以下になったのがもう夢か幻かという感じだが、でもうなぎのぼりという訳でもない。このグラフはドイツの七日間指数の推移で、こちらから。余談だけど、今の東京の状態って、ドイツの冬のロックダウン時よりひどい数値だわね…
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まだまだ数値は低いけど去年の夏と比べると上がり調子の傾きが急だということで、8月10日、数か月ぶりに首相と州知事が会議を行い、今後の方針を決めた。例えば、これまでコロナ検査(抗原検査・PCR検査)が無料だったのを10月11日から有料化すること(一回11.5ユーロほど)と、8月23日から、七日間指数が35以上に定着した地域では、レストランや床屋・美容院やコンサートや美術館やスポーツ施設や教会のミサなどに行くときや、ホテルに宿泊する際や、イベントや祝い事などの集会や、病院・老人ホームなどの訪問に際し、ワクチン接種完了していない人にコロナ検査陰性証明(抗原検査なら24時間以内の、PCR検査なら48時間以内のもの)を義務付けるというもの。検査の義務化と有料化が同時でないのは、まだワクチン接種していない人が10月11日までに接種できるようにとの配慮。

つまり、ワクチン接種が完了していたら有料コロナ検査陰性証明は要らないし、ワクチンは無料なのでみんな接種してね、ということなのだ。このところワクチン接種率の上がり具合が鈍っているので(現在ドイツのワクチン接種完了が全人口の56%ぐらいで、1回のみは63%ぐらい)、ワクチンを打たない人に不利な規則を作って促しているらしい。もちろん、健康状態的にワクチン接種が不可能な人は、その証明があればコロナ検査料は無料になるし、学校の生徒たちは学校で無料検査をするし、6歳以下は検査免除とのこと。ワクチン自体はドイツには今十分にあるようだ。9月から3回目の接種も開始するとのこと。ドイツは去年12月末からワクチン接種が始まったので、最初の人たち、つまり1月に接種の終わった人が9月から3回目の接種をするということは、6月に終わっためぎの次の接種は来年の2月頃ということかしら。その頃、世の中はどうなっているのかしらねぇ…

その他に首相たちが決めたことは、お店や公共交通機関での不織布マスクまたはFFP2マスク(日本のN95)着用義務継続、金銭的援助なども継続など。日本で大きく問題となっている重症者のベッド数が足りないとか自宅療養中に亡くなったとかそういう話はドイツには無い。かつて一日新規3万人時代にそれなりの体制を整えたからだろう。

総じて言えば、ワクチンを接種完了すれば、日常的にマスクをする義務があるという煩わしさが残っているとは言え、レストランで食事もできれば、コンサートやサッカー観戦などにも行けるわけだ。周りもみんなワクチンを接種していると思えば、安心感も全く違う。こうして日常に戻りつつあるというか、戻り方を模索しているという感じ。そうそう、日本と同様、ドイツでは既に90%以上を占めるデルタ変異種への懸念は未だあるし、以前とガラリと違って最近は若者への感染が多いというのも問題だが、再生産数が1~1.3で落ち着いていて、そんなに感染拡大する数値ではない。死者数もひと頃と比べて圧倒的に少ないし、ICU患者もそれほど増えていないので、ワクチン接種の効果は本当にあるのだろうと思う。
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そしてまさに、七日間指数が低いだけでなくそういう規則があるからこそ、めぎは今年も隣国へ越境できたのだ。音楽祭への入場でも、レストランでの食事でも、カフェでの一服でも、まるでかつての関所手形のようにまずはワクチン接種完了証明を見せなければならなかったし、それを持っていない人がバーから追い出されるのも目撃した。いつまでそういう状況が続くのか分からないが、これが新しい日常と言うやつなのかな、と実感した。それでも感染してしまう危険は0ではないが、そもそもどんな病気にかかる可能性も0ではないのだ。そう思いつつも、帰宅してからあと数日、発熱などが無ければいいな、大丈夫だったかな、と思い、コーヒーの味を飲むたび確かめている自分も存在しているのだが。
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それはそうと、ドイツの11日のトップニュースはコロナではなく11日からの2日間鉄道ストライキ。走るのは通常の4分の1程度だって。きっとその影響を受ける同僚や生徒がいると思うな…混雑する週末を避けてそろそろ帰るつもりだった人って結構いると思うから。いくらマスク着用義務でも、隣に知らない人が座った状態で何時間も電車に乗るのって、今は絶対に避けたいもの。そういうニーズに応えて、鉄道も近々、長距離の場合はワクチン接種証明を導入する予定だとか。
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Baldhead1010

こちらは梅雨に逆戻りです。
ワクチン証明書の発行・・・外国旅行の要件は別としても、いろんな問題があります。
by Baldhead1010 (2021-08-12 03:58) 

mm

嫌な世の中になりましたね。これも中国がまき散らしたから(怒)わたくしは当分何処へも行かないからワクチンは打っていませんが、出かけるときに考えるとします^^
by mm (2021-08-12 07:01) 

YAP

そう、新型コロナだけが怖い病気ではなく、他の同等以上のリスクのある感染症と私たちはこれまで付き合ってきているんです。
ドイツはちゃんとこれまでのことから学んで医療体制を整えてるし、次の危機に備えてるんですね。
国家としては当然のことと思いますが、日本はなぜそれができないのか?
一年前と全く同じ話をしてます。
by YAP (2021-08-12 08:50) 

(。・_・。)2k

あと4日ですかぁ
アレだ 宿題終わらないで どうしようと思う頃ですねぇ
まずは天気予報調べるところから 始める頃だ

by (。・_・。)2k (2021-08-12 12:51) 

Inatimy

ムクゲのピンクの花、可愛いなぁ。
ご近所さんで見かけるのは青紫のばかりで。
更に、白のムクゲの八重咲きまであるとは^^。
今の時期どこに行っても人が多いから、ミュージアムや街の中心から
遠ざかったままです・・・。でも秋にまた感染者増えたりするかなぁ、去年みたいに。
by Inatimy (2021-08-12 23:26) 

テリー

欧米並みのロックダウンができれば、緊急事態宣言を出している都、県をやるのでしょうが。
日本とドイツは、コロナが出た時点で、ICUの数が、決定的に違いましたね。
日本は、サーズもほとんど入ってこなかったし、感染症は、あまり、なく、パンデミックに対応できる医療体制が全くできていないですね。コロナもすぐに、過ぎ去ると思っていた人が、多かったのでしょうね。
by テリー (2021-08-12 23:56)