SSブログ

夜行列車個室で [2020年夏 ザルツブルク]

現在、2020年ザルツブルク音楽祭の話を連載中。

今年の音楽祭は8月1日から開催。そこで、7月31日の夜行列車の個室寝台で行くことにした。20時54分デュッセルドルフ始発の電車。発車自体はなぜか30分ぐらい遅れたけど。
a1.jpg


↑赤いコロ付きのには音楽祭で着るドレス2着とワンピース1着と靴2足とバックと着替えや洗面用具等が入っている。たった4公演を見るだけなのに、荷物多し。リュックの方にはカメラ2台とレンズ3つと充電器などとタブレットとカーディガンとかストールとか雨具とか。ザルツブルクは後半雨で気温が下がる予報だったので。防寒着は荷物がかさむわねえ。

寝台だからなのか、個室だからなのか分からないが、スパークリングワインが配られた。夕食は食べてきていたので、ワインだけ楽しむ。
a2.jpg


音楽祭には行きたいけど、行くのを躊躇した最も大きな理由は、デュッセルドルフからザルツブルクまでが遠いということだった。車で行ければ感染的には何の問題もないのだが、うちのドイツ人は仕事。飛行機で行けば1時間半だけど、密室の飛行機にはどうしても乗りたくない。ひょっとしたら乗客はめぎ一人かも知れないが、隣前後にびっしりの密密密の可能性もあるわけで、いくら換気していると航空会社が言い張ってもそんなリスクは負いたくない。電車で行くと8時間。そんな長い時間公共交通機関に乗るのもちょっと…

と諦めていたのだが、日本の知り合いが田舎の親を訪ねるのに横浜からその田舎まで夜行列車の個室を取ったという話を聞いた。その人は年老いた親を訪ねないわけにはいかず、個室なら車掌さんに数秒会うだけであとは誰にも会わないから、と。なるほど、そういう手があったか…と思って調べてみたら、夜行の個室、ある!でも、往路だけで250ユーロぐらいする…と一旦は諦めた。

しかし、うちのドイツ人が言ったのだ。確定申告の計算の仕方では車での移動費は1km30セントで計算するので、約800㎞離れているザルツブルクまでは240ユーロとなる。そう考えたら、その個室寝台料金は極めて妥当だ、と。そうか、なるほどね…以前往路100ユーロとかで買っていた電車の1等席や飛行機の値段の方がよく考えればどこかおかしいのかもしれない。めぎの知らないところで誰かにその安いチケットのつけを払わせているとか(ものすごく安い給料で誰かを働かせているとか)、そういうカラクリだったのかも。というわけで、めぎは往復500ユーロを払う決心をしたのだった。こんなところでケチって感染するのも嫌だしね。

さて、個室でのんびりスマホでネットニュースなど読んでいたらあっという間に時間は過ぎ、22時半ごろ車掌さんが来てバタンと一瞬でベッドにしてくれた。壁の中に寝具ごとベッドが隠れていたのだ。すごーい!では、おやすみなさい…寝心地はまあまあ。揺れるしね。それに、3時過ぎにニュルンベルクでしばらく停車し、ハンブルクからやってきた夜行列車と連結したのだが、その作業の音が、というか作業員の話声(怒鳴り声)がとてもうるさくて。でも、トイレもシャワーもついてて、本当に車掌さん以外誰にも会わずに済むわけで、しかも窓もちょこっと開けられるので車掌さんが来たあとはすぐに喚起できるし、車掌さんもしっかりマスクしてたし、夜行列車で移動案、最高である。
a3.jpg


ドイツとオーストリアの国境の町パッサウに着いたのは、ほぼ予定通りだった(予定は5時24分)。それから一時間足らずで乗換駅に到着するので、めぎは5時半には起きたのだ。しかし、それからしばらく全く動かなかった。これは6時48分の撮影である。本当はもうとっくに乗換駅について、そろそろザルツブルク行きに乗っているはずだったんだけど。
a4.jpg


なにやら警察の人が行ったり来たり。
a5.jpg


何があったか分からないが、そのうちに朝食も運ばれてきて(本来ならばめぎは早朝6時19分に乗換駅に到着予定だったので朝食はお持ち帰りになるはずだったのが、パッサウで長々停車していたので普通に運ばれてきて食事することができた)、のんびりとコーヒーにパンを楽しんだ。その写真はすっかり撮り忘れ。

そして、乗換のWels駅に着いたのは9時だった。
a7.jpg


それからザルツブルク行きの電車を待つ。何もないし、誰もいないホームでひたすら待つ。国境審査とかあったりするのかな、コロナチェックなどあったりするのかな、などと想像していたが、見事に何もなかった。本来ならばもう宿についていたはずの時間なので、オーナーに遅延の連絡などしたりして。
a8.jpg


1時間に1本程度のザルツブルク行きに乗ったのは9時43分頃。到着は10時42分と表示されている。
a9.jpg


ほとんど誰もいない車両でマスクをして座り、車窓の長閑なオーストリアの田舎の景色を楽しんだ。
a10.jpg


わたし、ホントにオーストリアにやってきたのね…と思いながら。長いことどこにも出かけていなかったので、なんだかとても不思議な気分だった。
a12.jpg
nice!(34)  コメント(10) 

nice! 34

コメント 10

Baldhead1010

個室の寝台列車の旅、憧れますね。
by Baldhead1010 (2020-08-25 04:27) 

mm

良い選択でしたね。オーストリア辺りの電車は遅れて当たり前?わたくしが家族旅行した時もザルツブルク駅だけのガイドさん(日本人)にお願いしていたのですが、この方も仰っていました「まともに来ることの方が少ない」と^^
by mm (2020-08-25 06:06) 

YAP

現地行って泊まること思えば、1泊分の宿泊費も運賃に入っているわけですしね。
そう考えると、そんなに高くないと思います。
by YAP (2020-08-25 07:07) 

ナツパパ

おおっ...おおっ...寝台列車だ!!
しかも個室寝台、いいなあ、この時期素敵なチョイスと思います。
ゆっくりと休めましたか?
寝台列車は眠れる人ダメな人が分かれますので。
by ナツパパ (2020-08-25 08:53) 

テリー

寝台個室の旅行、いいですね。
こんなに、のんびりした旅行、あこがれますね。
by テリー (2020-08-25 11:07) 

(。・_・。)2k

寝台車はそれ自体がアトラクションですから
多少高くても楽しめればOKですよね
新婚旅行の時は 湾岸戦争中だったので国内に行けと
両方の両親に言われ 北斗星で北海道に行きました
田舎の旅も良かったですよ

by (。・_・。)2k (2020-08-25 13:49) 

Inatimy

寝台で、しかも個室、なんてワクワクな旅。
壁の中に寝具ごとベッド・・・なるほど、だから座席の頭部の方にバーがついてたんだ^^。
昔、欧州で寝台に乗ったけど、6人部屋だったし・・・個室は憧れ♪
by Inatimy (2020-08-25 15:58) 

nachic

個室の寝台列車、通常ならされない選択でしょうけど、経験してみないとわからないことってありますよね。ドイツ人さんの計算方法は理路整然としてて、めぎさんの心もしっかりと言い当てていますね。いい音楽と、田舎の景色、心の栄養ですね。
by nachic (2020-08-25 20:36) 

あーちゃ

個室の寝台列車、ワインも飲めて、朝ごはんもでる。
わーー、、乗ってみたいです。でも、確かに揺れるし、意外と眠れなかったりするんですよね。
by あーちゃ (2020-08-25 21:09) 

rino

素敵な決断でしたね!!
by rino (2020-09-01 15:05)