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ザルツブルク8月4日 [2019年夏 ザルツブルク]

現在、旅先から旅の話を連載中。

今日は8月4日の話をするが、この日はスマホでしか撮影していない。というのは、一日中音楽祭で忙しいからだ。まずこれはめぎの朝食。オレンジジュースは買い置きがおしまいで、ちょっと少なめ。コーヒーは宿にあるエスプレッソマシーンので、ハム類は肉屋さんで好きなのを好きな量切り売りしてもらったもの。ハムのない葉っぱの下にはクリームチーズが隠れている。朝昼はだいたいこんな食生活。あとは果物をつまんだり。
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日曜日のこの日、まずは11時にオーケストラのコンサート。オケはバイエルン放送局交響楽団。
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民族衣装が目に付く。このあたりの人が来ているのね。
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昼のコンサートなのでそれほどゴージャスではないが、皆さんお洒落。
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この日のプログラムはチケットを買った当時の予定と全く変わった。まず指揮者。もともとはMariss Jansonsだったのだが、健康上の理由でYannick Nezet-Seguinに交代したというお知らせが来たのは一か月くらい前だったと思う。Jansonsの指揮が見たかっためぎはちょっと残念だったが、まあ仕方がない。次に、前日だったかにまたメールが来て、バイオリン奏者のLisa Batiashviliがやはり健康上の理由でGil Shahamに交代したとのこと。これに関してはめぎはまあどっちでもいいが、バイオリニストを見たくて(その演奏を聞きたくて)チケットを買った人はがっかりよね…

しかし、このGil Shahamの演奏は素晴らしかった。曲はプロコフィエフのバイオリンコンチェルト第2番で、小編成のオケとの演奏だが、こんなに音色を弾き分けられるのね~と感動。使っているバイオリンは1699年のストラディバリとのこと。そして、バイエルン放送局交響楽団のコンサートマスターさんとアンコールで二重奏してくれて、それもまた素晴らしかった…ソリストと対等に演奏できるこのコンサートマスターさん、すごい。もちろん有名どころの楽団員はソロ活動もしているとは言え、でもでもすごい。
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それからYannick Nezet-Seguinとバイエルン放送局交響楽団の演奏もよかった。シベリウスの交響曲1番は、めぎはシベリウスがあまり好きじゃないけどホントよかったし、リヒャルト・シュトラウスのオペら「ばらの騎士」のスイートが本当に素晴らしかった。今年の3月にウィーンで見た「ばらの騎士」のシーンが目に蘇ってきたわ…
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ちなみにこのチケットは80ユーロ。上から5ランク目、下から3ランク目のチケット。

2時間半くらいでコンサートは終了し、いったん宿でゆっくりしてから今度は17時に再び外へ。このゲトライデガッセはほんといつも人でいっぱい。
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この時見たのは若手オペラ歌手のマイスタークラスの公開レッスン。コンサートが終わった時にチケットショップによって、無料の整理券をもらってあった。先生はオペラ歌手で今回音楽祭でもオペラに出るAnne Sofie von Otterという人。リハーサルの合間にレッスンをして、この公開レッスンの準備をしてあったらしい。生徒さんたちは24~29歳の男女6名で、もうこのままオペラに出られそうな上手な方々だったが、この本職のオペラ歌手さんにかかっては微に入り細に入り、または大きな視点であれこれとアドバイスし、うわわそう来ましたか…なるほどねえ、さすがだなあ、と失礼ながら感心し、それをまたその場で呑み込んでいく生徒さんたちは素晴らしかったし、その中でも本当にずば抜けてできる人とそうではない人との差もはっきりわかって興味深かった。なるほど、オペラの歌い手さんたちはこういう風に曲を解釈してこういう風に声で表現していくわけね、ととても参考になった。そして、特筆すべきは、みんなどの国籍だろうと(フランス・イギリス・カナダ・スペイン・ポーランド・アメリカだった)英語はもちろんドイツ語もフランス語もイタリア語もある程度できるということである。先生自身もドイツ語で話していたと思ったら急に英語、今度はフランス語、イタリア語、と七変化。で、歌詞をしっかり解釈してその響きとメロディーで表現していくので、発音指導がとても厳しかった。先日の子供たちへのオペラキャンプでも思ったが、やっぱり言語がねえ…イタリア語やドイツ語やフランス語の曲をすべて原曲の言語で自由自在に指導できる先生なんて、いないものね。めぎだって、ドイツ語しかできないしなあ。しかもオペラの背景にある文化(ギリシャ・ローマ・ゲルマン神話や歴史・宗教・民族など)に精通している先生となると、音楽だけやってた人にはなかなか無理だしねえ。

これは終わったところで、もう生徒の歌い手さんは舞台にいないが、先生とピアノ伴奏者。
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このマイスタークラスが19時15分ごろ終わって、速攻で宿に戻ってシャワー浴びてちょっとパンをつまんで着替えてこの日の最後の予定、20時半からのピアノコンサートへ。
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あ、あの男の人はイドメネオ(モーツァルトのオペラ)の演出家だわ…彼もこのコンサートを見に来ていた。
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ピアニストはIgor Levitで、演目はベートーベンの「6つのバガテル」と「ディアベリ変奏曲」と、Ronald Stevenson編曲のマーラーの「交響曲第10番アダージョ」。見かけが非常に地味なピアニストだが、音が繊細でピアニッシモが素晴らしかった。ピアニストは撮っていない。
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こんな景色のこの席は30ユーロ。ピアノが真下に見えて非常に良かった。
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これは休憩中に撮影。
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皆さん大満足のようだった。
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こうして長丁場の日曜日が無事に終わった。こんなにいっぺんに聞くと飽和状態になるが、これを乗り切るために事前に数日間思いっきりのんびりしていたのだ。見たい聞きたいという欲求が溜まって、最後まで新鮮に見ることができた。そしてちょっと豪華に夜の乾杯。オーストリアワインの炭酸割。
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これで8月4日のお話はおしまい。
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Baldhead1010

オーケストラの生演奏、一度は聴いてみたいです。
by Baldhead1010 (2019-08-09 04:16) 

(。・_・。)2k

長いピアノですねぇ
長いと音が大きいとかあるんですかね?
てか 音って上に響くから 上で聴くと音が良いのかなぁ?

by (。・_・。)2k (2019-08-09 11:07) 

YAP

クラシックって、曲そのものだけでなく、指揮者や演奏者による違いも楽しめるんですね。
こういうのって、やはりヨーロッパならではの文化の深さというか歴史というか、そういうのを感じます。
アメリカや日本だと、なかなか光を浴びない分野というのが、残念な気がします。
by YAP (2019-08-09 11:18) 

Inatimy

プロコフィエフのバイオリンコンチェルト第2番、Gil Shahamがバイオリンのを探して聴いてみました。指揮者はSusanna Mälkkiで、オーケストラはFrankfurt Radio Symphonyでしたが、こんな音色なんだ、と^^。
Igor Levitさんもどんな人かしらと動画を探し、ベートーベンの"Moonlight"を。とろみ加減がよかったなぁ。
夜の乾杯、美味しそうな品が並んでますね。
by Inatimy (2019-08-09 17:47)