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ザルツブルク音楽祭デビューはアーノンクール [ザルツブルク]

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昨日から夏のザルツブルクの話を始めたところ。

ザルツブルクの宿に到着したのは午後5時半頃。この日のコンサートは午後8時から。シャワーを浴びて一息ついて、電車の中で食べるために作ったお弁当の残りを平らげ、着替え。そしていそいそと向かったのがこちら。8時と言ってもヨーロッパの夏はまだ明るい。
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この日はコンサートなので、人々の出で立ちは地味目。ご夫婦がいっぱいで、めぎは一人でちょっと淋しい。いいなあ・・・
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会場の中。演奏中はもちろん撮影禁止だが、会場自体は特に問題はないようだ。
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音楽祭が始まったのは7月18日。ザルツブルク音楽祭は6週間にもわたって開かれるイベントで、しかも毎日平均4~5公演くらいあって、時間とお金の余裕があれば6週間いても飽きることがないほどの充実ぶり。NRW州の今年の夏休みの時期がもう少し遅くて8月後半まであれば、後半の今の時期に見たい演目がたくさんあったのだが、学校の夏休みの時期は変えられない。来年だったら8月後半まで休みだから今年行くのはやめて来年考えようかとも思ったりしたが、他に行きたいところも浮かばなかったし、やっぱり行こうと強く思ったときに実現するべきなのだ、気に入ればまた行けばいいじゃないかとも思い直し、前半のプログラムとにらめっこ。もちろん前半にも見所はいっぱい。中でも到着したその日のコンサートはものすごく楽しみにしていたし、これに関してはうちのドイツ人にも羨まれた演目。
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かつては異端児、今は巨匠のアーノンクールの率いる古楽器オーケストラのベートーベン・ミサ曲。このプログラムは5.5ユーロ(約750円)だったと思う。中には解説やアーノンクールへのインタビュー、そしてミサ曲の詩とそのドイツ語訳、そしてソリストや古楽器オーケストラや合唱団の紹介などが載っている。
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演奏は感動的だった。というか、アーノンクールが舞台に登場してきたときからめぎは感動で涙が出そうだった。ああ本当にザルツブルク音楽祭に来たんだわという感動と、いよいよアーノンクールだわという感動と、そのアーノンクールの姿への驚きで・・・古楽器の響きはなかなかよく、合唱団の声が素晴らしく、歌詞はともかく音楽としてミサ曲っていいなあと感じた。

カーテンコールのときに撮影。それは(ドイツの多くの劇場もそうだが、ここでも)黙認されているようだった。上演前にドイツ語と英語で演奏の撮影並びに録音を禁止するというアナウンスがあったが、カーテンコールになると特に1階席の非常に高いチケットをお持ちかご招待のVIPかの方々が次々とスマホやカメラを撮りだしてフラッシュ撮影し始め、それがそこら中にいる係の人たちに全く咎められないのだからいいのだろう。バイロイトでホール内撮影完全禁止で係の人が常に注意していたのとはずいぶん雰囲気が異なった。
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めぎは換算50mm単焦点のV3しか持ち込まなかったので、トリミング。後ろに立っている合唱団、本当によかった。前にいるソリストたちより印象に残った。
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アーノンクールをトリミング・・・そう、彼は杖をついて登場したのだ。いつから杖を使っているのかめぎは知らないのだが、当然登場の足取りは非常にゆっくりで、その間割れんばかりの拍手。ああ、アーノンクールも85歳で、杖をついているのね・・・しかし指揮は力強く、立ったまま激しい身振りで、足が悪いなんて微塵も感じられない。なんてプロなの。
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自分が85歳になったときにどんな姿でどんな風に生きているのか、と色々と考えさせられた。

終わったのは夜10時近く。
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撮影していたら、あの辺で待ち合わせって言ってたよね・・・とかなんとか、日本語が聞こえた。このお二人はこの日の公演をどうお感じになったのかな。終わったあとでパートナーと感想を話し合えないのは本当に残念なこと。いいなあ・・・
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でもね、一人ででも楽しまなくちゃ。どうしても来たかっためぎと、興味はあるけどどうしてもという訳じゃないうちのドイツ人とでは感動にも温度差があるだろうしね。またいつか、一緒に楽しめる機会もあるだろう。

さて、滞在初日の夜、コンサートの前に軽くお弁当の残りを食べたとは言え、ホッとしておなかが空いた。何かちょっとつまみたいけど、ザルツブルクは田舎町で、10時を過ぎるとレストランは閉まっている。コンサート後の客を受け入れる開いている高級レストランは、たぶん予約しないと入れない。まあ一人なら入れたかも知れないが、8時間半の長旅とその後の充実したコンサートの感動で、高級レストランに座ってディナーを楽しむような元気は残っていなかった。でも、おなかすいた・・・どうしよう・・・と歩いていると、Nordsee(ノルトゼー)というお店が開いていた。ドイツやオーストリアを旅する人には結構有名な魚介系のテイクアウトもできるセルフサービス大衆レストラン。あまり好きじゃないけど、背に腹は代えられない。そこで、ノルトゼーでスパークリンワインの小瓶1本と、イカやエビの入ったマリネサラダを200グラムほど購入。それがなんと全部で16ユーロ!(2200円くらい)うひゃ~~高い~~~!

デュッセルドルフより内陸の山間のザルツブルクで魚介を食べることの方が間違っているのだが、まあ仕方がない。しかし、味は意外に美味しくて満足。明日はちゃんとスーパーで飲み物を安く調達し、自炊を始めよう・・・と思いつつ、部屋で寛いで晩餐。アーノンクールの感動をうちのドイツ人に書き送りながら。
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撮影: Nikon 1 V3 + 18.5mm(F1.8)
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コメント 8

Baldhead1010

生演奏、心に響くでしょうね。
by Baldhead1010 (2015-08-20 04:26) 

ちばおハム

カーテンコールの撮影が黙認されているとは知りませんでした。
なんだか、貴重な写真を見たって感じです。
うれしいなあ。
by ちばおハム (2015-08-20 07:37) 

YAP

初日からけっこうハードなスケジュールでしたね。
カーテンコールは、写真OK(黙認)なんですね。
こうして写真を見ると、雰囲気もよくわかります。
by YAP (2015-08-20 08:33) 

テリー

生演奏は、良いでしょうね。
by テリー (2015-08-20 14:18) 

ふーみん

生演奏はいいですね。
オーケストラ 指揮者 を生で接するのは感動を覚えます。
アンコールで何回も舞台に呼び戻しなんとか①っ曲聞くのが
又楽しいですね。
by ふーみん (2015-08-20 14:33) 

Inatimy

旅の初日からかなり濃厚な時間ですね^^。
朝は家にいたのに、今、念願だったザルツブルクで演奏を前にしている、
なんとも言えない不思議な気持ちと嬉しい気持ち♪ 
ノルトゼーは雰囲気は大衆なのに、価格にいつも仰天しますよねぇ・・・。
by Inatimy (2015-08-20 15:48) 

ぽりぽり

6週間も開催とは知りませんでした。ウィーンで聞いたモーツアルトが素晴らしくてとても良い思出になりましたが、やはり演奏者も厚みが違うというか、クラッシック音楽の聖地といえる場所は違いますよね。
by ぽりぽり (2015-08-20 19:02) 

mimimomo

夫婦で共通御趣味があるって良いですね~我が家は絵画鑑賞くらいですが、その絵の趣味も違う・・・ちょっと難しい夫婦。
by mimimomo (2015-08-25 20:19)