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夕方の光 [2014年夏 日本の旅]

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現在、この夏の日本旅行記を連載中。

ここは旅の最後にお邪魔したKrauseさんのおうち。
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Krauseさんと言えば、薪。
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Krauseさんと言えば、畑。
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日本の田園風景の優しい緑色。
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この明るい緑色が日本独特のものだとは、日本にいるとなかなか気がつかない。ドイツの緑色はもっともっと濃く、黒い森という名前からも分かるように、木々の緑は黒っぽいのだ。
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Krauseさんと言えば、カブトムシ。大きさが分かるようにうちのドイツ人の手と共に撮影。
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夕方になって暑さが峠を越えた頃、近くを少し散歩した。日本らしい建物が遠くに見える素敵なところ。
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Krauseさんと言えば、お酒♪ これは酒屋さんの屋根。
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ここに住む人たちにとってはこれが日常のはずだ。畑や林や山も、特別なものではないだろう。東京などの都市部に住む人たちにとっては、無機質なマンションやアパート、勤務する会社のビルが日常だし、都市の郊外に家を建てた人にとっては、その住宅街と遠い通勤が日常である。どちらの方々も、たまには日常から離れてどこかへ行きたいと思うだろう・・・それが割と近場の温泉だったり、日本国内の別の県だったり、街歩きだったり山登りだったりダイビングだったり、はたまた海外旅行だったり、人それぞれではあろうが。それと全く同じく、ドイツの人たちにとっては、そしてドイツに生活の基盤があってたぶん一生死ぬまでドイツに住み続けるであろうめぎにとっては、ドイツの街並みや森や遠浅の海が日常であって、こういう日本の田園風景や東京の隙間ない圧倒的なビル群の景色の方が非日常。ドイツの人たちにとってヨーロッパの他の国々は日本的に言えば他の県に遊びに行くような気軽な感覚だが、日本は他のアジアと同様全く異質なものとして映る。本当に本当にものすごく遠くへやってきたなあと感じるのだ。めぎもそんな風に感じるようになるとは14年前には思ってもいなかったけど。

近くの神社にお参りした。
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Krauseさんと言えば、注連縄作り。
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地元の人が注連縄を作って奉納する神社・・・ああ、なんて素敵なのかしら。ここに一年くらいホームステイして、一緒に注連縄作りをしたいなあ・・・などと思うのは、めぎがここを非日常だと感じていることの表れなのよね。
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割と最近地元の人たちの寄付で建て直されたという神社。細かいところまで非常に美しい。
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木の大好きなうちのドイツ人が、食い入るように見ていた。
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ここにはなかなか趣のある狛犬さんも。
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もう片方の狛犬さん。
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蛇が出ない聖域だという神社の境内・・・しかしなんというか、ただ聖なる空間というのではなく、おどろおどろしさも兼ね備えた、畏怖を感じるところ。ああ、この畏怖の雰囲気こそが本当の聖なるものなんじゃないのかな・・・そんなことをこの神社で感じ、うちのドイツ人はそのことについて先日義母の誕生日パーティーの席で会った牧師と議論していた。彼らによるとキリスト教のプロテスタントでは神はとてつもなく清らかなイメージなのだが、日本の神社では神というのは魔的なものと紙一重というか、一体に感じると。何か悪魔を象徴するものがそこに立っているのか、と牧師に聞かれ、めぎは一言、いや、雰囲気。牧師は絶句し、しばらく深く考え込んでいた・・・
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でもね、思えば夕方の光だって、ほら、夜と隣り合わせ。夜は朝と隣り合わせ。一日は朝も昼も夜も全部つながっている。
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案内してくださったKrauseさんに心から感謝。

撮影: D600 + 24-70mm(F2.8)
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コメント 10

Baldhead1010

今年の夏は散々でした。

9月にはまた台風の襲来が・・・。
by Baldhead1010 (2014-09-03 04:36) 

hatsu

光が当たる狛犬さんの写真、すてきですねー^^
by hatsu (2014-09-03 05:56) 

YAP

都市部に住んでいるとこういう美しい風景を見ることはできないのですが、日本の多くはこういう田園風景や山間部なんですよね。
都市に人が集まりすぎです。
もちろん、私もそのひとりではあるのですが...
こういう景色を見ると、生き方というのをどうしても考えてしまいます。
by YAP (2014-09-03 08:16) 

mimimomo

やはり日本人のわたくしには、神社って特別でもないかな~
お寺さんのほうが何か感じるような気がします。
by mimimomo (2014-09-03 08:37) 

ナツパパ

素晴らしいところですね。
時間が穏やかに流れていくようです。
狛犬も良いなあ。
by ナツパパ (2014-09-03 09:07) 

stellaria

私がたった2週間ヨーロッパを旅行して帰ってきたときでさえ、日本の風景が新鮮に感じられ、緑滴るアジアの国だと感じたものでしたが、めぎさんの14年のドイツ生活で培われた感覚はそれを遥かに超えるものなのでしょうね。
神についてのお話ですが、神社にみられるような日本的(?)な感覚は、キリスト教に比べて、ずっと「混沌」を許容する性質があるのだろうなと…そんなふうに感じました。
by stellaria (2014-09-03 09:58) 

テリー

雰囲気が出ていて、素敵な写真ですね。
by テリー (2014-09-03 10:31) 

krause

こんなにきれいに撮っていただき、本当にありがとうございます。写真を見ていたら、私もこの村に住みたくなりました(笑)。
by krause (2014-09-03 14:43) 

engrid

夜と昼が隣り合わせ、そうなんだ区切りのない瞬間の連続
魔も神聖なものの一員に
by engrid (2014-09-03 16:13) 

Inatimy

障子を通した光が優しいですね。
ツルが垂れ下がって、植物の影が落ちた薪棚の写真、とっても素敵。
気に入りました♪
霊的なものの捉え方って異なりますよね。 
夏に怪談話で涼しく感じるのは日本独特なのかも。
ホラー映画も、日本のだと湿気のある怖さというのかな、
効果音なしでも十分伝わって来る気配というのか・・・。
by Inatimy (2014-09-04 05:57)