SSブログ

日本旅行 ~序章その1~ [2014年夏 日本の旅]

ax.jpg

今回の日本訪問は、めぎにとっては2年ぶり、うちのドイツ人にとっては4年ぶり。2年前はほんの4泊程度の滞在で、学会訪問で慌ただしく過ごした。4年前は4週間の滞在だったが、最初の2週間は交換留学の引率で、次の2週間はうちのドイツ人とドイツの友人夫婦の引率で富士登山をしたり青森や会津に旅行に行ったりし、添乗員のように仕事をしていた。日々の忙しさはその2回とあまり変わりないが、今回の旅は目的が全く違う。

今回の日本の旅でまず特筆したいことは、観光を全くしていないこと。めぎはともかくドイツから9000㎞も旅をして日本までやってきてどこも観光しないうちのドイツ人って、なんという日本通。まあ彼は初めて日本へ来た1984年から今までの間に南は鹿児島の桜島から北は北海道の網走まで旅をしていて、日本海側も福井・金沢・能登半島、さらに北上して男鹿半島なども回っており、見所は既にほとんど網羅しているのだ。3週間の滞在の中でめぎが観光らしきことをしたのは一人でナツパパさんに案内していただいた富士塚と、最終日にうちのドイツ人と二人でちらっと見た成田山くらい。

では何をしたか・・・日本に到着して最初の約10日間のうち3泊4日は、東京近郊の温泉旅館に引き籠もっていた。それぞれの温泉旅館の庭を散策しただけで、あとはその温泉を心ゆくまで楽しんだ。日本文化を体験するという意味でそれが観光といえば観光かも知れないが、何かを見るというよりそこにいる時間をゆっくり味わったという感じ。温泉旅館についてはまた日を改めて書こうと思う。
a1.jpg


その他の6日間は、毎日ずっと友人知人に会っていた。それも日中と夜に毎日2つの会合を設定し、その合間を縫って買い物とチラシ集めと写真・ビデオ撮影も。それらは教材用で、チラシは例えば旅行パンフレットや路線図、買い物は筆ペンとか千代紙とか、撮影は電車のアナウンスとか乗り換え案内とか。さらにうちのドイツ人の欲しいものを手に入れるためにそれの売っている店を探すという任務まであって(これは友人の手助けを大いに借りた)、非常にハードな毎日であった。猛暑で多くのことを諦めてしまったが・・・そんな慌ただしい中でめぎのスケジュールに合わせて会ってくださった方々には感謝の言葉もない。

これはそんな友人の一人が案内してくれた小料理屋さん。日本の繊細な優しい味付けの料理が懐かしいだろうと、カウンター10席くらいしかない小さくて人気のお店を早くから予約してくれていた。ご病気を押して会ってくれて、小さめのスーツケースが満杯になるほどのお土産をくれたその友人には、御礼のしようもない。それにしてもなんと美しい盛りつけかしら。
a5.jpg
a6.jpg
a7.jpg


めぎの主な友人知人は皆東京にいる。だから、東京には切り無く会いたい人がいるし、懐かしく訪ねたい場所も限りなくあるのだが、限られた時間でできることはほんの少し。多くの方に不義理をしてしまった。連絡もしなかった方が大勢いて、かつて非常に親しくしていた人やかつて非常にお世話になっていた方には失礼極まりない。しかし、今回はうちのドイツ人連れでめぎだけの旅ではなく、彼の会いたい人やおつきあいや行きたいところもある訳で、それを10日間にやりくりするのは至難の業。別行動で会った人もいれば、敢えて時間を合わせて一緒に行ったところも。

これは一緒に行ったところの一つ、うちのドイツ人の知り合いのお宅に招かれたとき。以前デュッセルドルフに駐在していたその日本人のご家族は、とっても温かく迎えてくれた。うちのドイツ人にはめぎと関係なく日本人の友人が何人もいるのだが、この家族がその一つ。子どもたちがすっかり大人になっていてびっくり。美しく成長したお嬢さんに今アルバイトしているというお料理屋さんにも是非是非来てくださいと言われたのだが、訪ねる時間がなかったのが本当に心残り。ご家族揃ってドイツが懐かしそうで、思い出話に花を咲かせながら奥様の手料理を美味しくいただいた。
a2.jpg
a3.jpg
a4.jpg


うちのドイツ人は一人で息子にも会ってきた。これは彼らが一緒に回ったという九品仏というお寺と自由が丘のベニス(うちのドイツ人の撮影・・・D50 + 18-200mm)。年月を経て、息子と直接約束を交わして日本で会える日が来るとは、非常に感慨深い。人生は回っていっているのだ・・・誰の上にも。
a19.jpg
a20.jpg


ところで、東京滞在は非常にコストがかかる。食費も交通費も高いし、10日間ずっとホテルに泊まるというのはなかなかに大変だ。快適なホテルだとすぐに予算オーバーだし、安ホテルに泊まると部屋が狭くて息ができない。しかしながら、誰かのうちに泊めてもらうとそのうちの人に気を遣うこととなり、多少はそのお宅のリズムに合わせなければならなくもなり、長旅の体調維持にはかなりしんどい。そういう意味で、今回東京で泊めてくださった友人には深く感謝する・・・彼女は一人暮らしの広いマンションをめぎたちに開放してくださり、ご自分はその間友人や親御さんのうちに泊まってくださったのだ。なんというご親切。既に書いたが、御礼にうちのドイツ人がドイツから持ち込んだ羊のチーズを使って夕食を作ったのだが、後ろにめぎたちとその友人の洗濯物がかかった中で食事。そんな気を遣わない関係でいられたのも、非常に有り難かった。
a8.jpg
a9.jpg


東京最後の夜は横浜でめぎのかつての教授と会った。何が食べたい?と聞かれ、焼き肉をリクエスト。なにしろそれまでたくさんお魚を御馳走になったので、そろそろ肉を食べたいという気分だったのだ。韓国系のお店でまっこりとホルモンなどをがっつりといただいた。
a10.jpg


それから横浜のどこかのビルの屋上にある飲み屋さんへ。教授の知り合いが建築をデザインした、雨天の場合はお休みになるという面白いお店。ご主人は高校の先生との兼業だとか。かつての教え子さんたちが数多く飲みに来てて、アットホームでとても印象に残った。
a11.jpg


この教授はめぎがお世話になった何人かの先生方の中で最も若い人で、今や失礼ながらすっかり友達のようになったのだが、もうすぐ定年を迎えるそうでこれまた感慨深い。お元気そうでなにより。時間ができたらドイツにゆっくり遊びに来て欲しいなあ。そうしたらいっぱい一緒に行きたいところがあるのになあ・・・そうそう、めぎがC.D.フリードリヒを好きになったのもこの教授の影響なのだが、5月にリューゲン島に行ったとき、この教授へのお土産にリューゲン島の石を拾ってきていた。そのお土産を渡したときの喜びようといったら!ただの石なんだけど、我々にとってはとってもとっても特別な石なのだ。なんだか、そういうことを分かち合える人がいて、めぎは本当に幸せだと思う。

さらにもう一軒梯子して、めぎの弟弟子でかつて彼のドイツ留学中にめぎ家で1~2年ほどお預かりした教授の愛弟子を呼び出し、まったりと。今や彼はめぎの母校の非常勤講師で、将来は教授になるのだろう。再会は嬉しかったけど、土曜日の夜に教授の電話一本ですぐに電車に飛び乗って馳せ参じる彼を見て、日本で仕事をしていくのって大変だなあ・・・と思ったり。
a12.jpg


あとで個別に記事にしようと思っている話を除き(それがまた膨大なのだが・・・いったいいくつの記事になることやら)、これで東京滞在が終わった。

で、ここから今回の日本旅行の主目的の後半10日間に入る訳だが、長くなったので続きはまた明日。


撮影: D600 + 24-70mm(F2.8)
nice!(43)  コメント(7) 

nice! 43

コメント 7

Inatimy

多くの方々にめぎさんが慕われてらっしゃるのがよく分かります♪ 
充実した日本滞在だったんですね〜。
日本の美味しそうなお料理の写真がたくさんで、
私はたっぷり目の保養させてもらってます♪ キレイな盛りつけだし。
我が家は片方ずつの一時帰国ゆえ、いつも滞在は1週間ほど。
結局、家事する場所が実家になるだけで、外で食べるのはランチくらい。
免許の更新とか何か必要に迫られて帰るだけだから仕方ないけれど^^;。
by Inatimy (2014-08-11 06:20) 

krause

「ビルの屋上にある飲み屋さん」、素敵ですね^^。私も行ってみたくなりました。日本の残暑はかなり厳しかったと思います。どうぞ帰国後はゆっくりしてください。

by krause (2014-08-11 06:36) 

Baldhead1010

やはり、日本食です、ね^^
by Baldhead1010 (2014-08-11 06:51) 

YAP

めぎさんの書かれる文は、いつもきれいな言葉で優しく、いろいろな思いが詰まっていると感じています。
今日の記事は、特にその思いを強く感じました。
久しぶりの日本で、いろいろ思うこともあったんだろうなあ。
ドイツに何年住まれても、故郷への思いは強く消えないものなんだろうと思います。
by YAP (2014-08-11 12:53) 

のび太

日本滞在の日記を楽しみにしています。
妻はドイツに着いたそうです。
by のび太 (2014-08-11 16:05) 

ナツパパ

お疲れ様でした。
とても充実したご旅行になったのですね。
なによりと存じます。
心残りの諸々はまたの機会に...また是非ご帰国を!
それにしても、料理が美味しそうなこと!
日本に住んでいるのですけれど、こういう食事、なかなか出会えないなあ(笑)
by ナツパパ (2014-08-11 17:09) 

mimimomo

東京滞在が安くついたご友人。ありがたい存在ですね。仰るように東京はとてもお高いですものね。
by mimimomo (2014-08-11 20:13)