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トラブゾン [トルコ北東部]

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現在、イースター休暇のトルコ北東部旅行記を連載中。

トラブゾン空港に到着したのは午後5時半頃だったと思う。これは、レンタカーの手続きをしているところ。
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↑ここに到達するまでに色々あった・・・まず、めぎたちの荷物が出てこなかった。おお~初っ端からスーツケース紛失か?と思ったが、めぎたちのはインターナショナルだから隣の建物に到着しているという・・・イスタンブールで国内線に乗り換えてきても、もともとのインターナショナルで処理されてめぎたちのスーツケースだけそちらへ向かったというのだ。へえええ。他の人たちはみんな国内線だけに乗った人なのかな。そんなわけで、隣の建物まで行って(建物に入るのにイチイチ荷物検査があってメンドクサイ)、スーツケースを無事に受け取り、また国内線の建物に戻って(ここでもまた荷物検査して入る・・・ああメンドクサイ)、予約していたレンタカー屋さんの窓口を探したら・・・無い。ネットで予め予約してきたレンタカー屋の名前がないのだ。おおお~初っ端から詐欺?と思ったが、そこにあったレンタカー屋さんのおじさんたちが予約確認書の紙を覗き込んで言うには、そのレンタカーは外にあると言う・・・と言ってもトルコ語なので、身振りでたぶんそう言っていると判断しただけなのだが。ふーん。それで外に出てみると(一度出るとまた中に入るのに荷物検査だからメンドクサイと思いつつ仕方なく出ると)、一人の男性がやってきて、ミスター○○?と英語でうちのドイツ人に話しかけてきた。ほぉ~ホントに外にいたのね・・・というわけで、ようやくレンタカーを受け取っているところなのだ。

空港からホテルまで向かっているところ。うちのドイツ人はホテルの場所の地図を予め印刷してきたのだが、それは鞄の中に仕舞ったままトランクへ。それで、めぎの頭の中の地図の記憶を頼りに向かう。
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そして・・・そこはさすがに写せなかったのだが、めぎの記憶でホテルの周辺まで来たのだが、そこには乗り合いバスのターミナルがあって、人がうじゃうじゃいて、そこからどうやって行くのか分からなくなった。それでとりあえず適当に駐めて歩いて探そうと思ったのだが、そこにトルコ人のおじさんたちが5~6人いて、ものすごく興味深そうにめぎとうちのドイツ人をじろじろ眺め、たぶん、そこに駐めちゃいかんよ、みたいなことを言っている。ホテルの名前を言うと、ああそこは近いよ、この裏だ、と指さし、そこへ歩き出そうとすると、ダメダメ、車で行かなきゃ、すぐだから、というようなことをたぶん言っている・・・そうですか、それじゃ仕方がない、と車に乗り込んだら、一人後ろの座席に乗り込んできた!ひぇ~~~しかし、うちのドイツ人はそのまま車を発進、するとそのトルコ人はトルコ語でそこをまっすぐ、ここを右、また右、みたいなことを言っていて、するとすぐにその目的のホテルが見えたのだった。そのホテルの前に車を駐めると、その後ろに乗ったおじさんは、じゃ、とクールに言ってさくっと戻っていった・・・それもあまりにもあっという間の出来事で、御礼をいう間もないほどだった。なんという国!なんという親切!もしかして頭など殴られて車ごと奪われるんじゃないかとか、チップを要求されるんじゃないかとか、何か盗まれるんじゃないかとか、そういうことを考えた自分を恥じるほどだった(普通考えるよね)・・・

で、明るいうちにホテルの部屋に到着。前に見えるのはモスクの塔。
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一泊目だけはめぎがネットでホテルを予約しておいた。一泊二人で50ユーロの部屋。つまり、今のレートで一人当たり3500円程度で(2年前だったら一人2500円だったわけね)、この辺りではかなり立派なホテル。と言っても中はこんなにシンプルで狭いけど。
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でも部屋にお手洗いとシャワーがついているからね~しかもドライヤーまであるわ!
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お手洗い全体がタイル張りになっていて、つまりシャワーと洗面台とトイレを遮るものはなく、床もつながっていた。
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一息ついてから夕飯へ。この日食べたのは、ホテルの近くの広場に面したこのお店。
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村上春樹の旅行記にトラブゾンで魚を食べた話が載っていて、そのお店かどうかは分からないけど同じようなものを食べてみようと思っていたのだった。と言っても当時はこんな小綺麗じゃなかったと思うけど。
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身振り手振りで魚を注文し、テーブルに座るとこんなパンを持ってきてくれた。これ、こんな見かけだけど、パンはものすごく美味しい。ふわふわでもちもち、皮は固く、中は弾力いっぱいなのだ。村上春樹はトルコはパンが美味しいと書いていたけど、本当だわね。
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お魚はこんな開きを焼いたのを・・・魚の種類はよく分からないが、非常に美味しかった。ただ、量がかなり多かった。
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それから小さな鰯。これも量がかなり多い。味はこっちの方が上の開きよりさらに美味しいという印象。
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まあ美味しいと言っても、魚をただグリルしたレベルの美味しさではあるのだが、熱々で、付け合わせの野菜も美味しく、さらにパンも最高で大満足。

座っている人たちを見ると地元の人たちっぽかったが、彼らがトラブゾンの人でここへ食べに来たのか、はたまた旅行者なのか、めぎにはもとよりうちのドイツ人にも分からず。非常に足の悪いおばあちゃんも食べに来てて、食べ終わるとお連れの息子夫婦のような人たちが支えながら歩いていったのが印象的だった・・・この国は、実は飛行機に乗ってイスタンブールからトラブゾンに向かうときから気がついていたのだが、お年寄りに非常に親切な国である。杖をついた足の悪いお年寄りも普通に飛行機に乗って旅をしているのだ。ちゃんと車いすに乗せて別のルートで飛行機に乗せるシステムがあって、それ担当の係員がおり、かなりの人がそのサービスを使っている。そういうシステムは日本にだってドイツにだってきっともちろんあるのだろうが、体の不自由な人やお年寄りが飛行機で旅をしているのをめぎはこれまでほとんど見たことがなかった。それが、こんな田舎のトルコでいっぱい見かけたものだから、かなり驚いてしまった・・・めぎはイスラムの国にものすごく偏見を持っていたけど、もしかしてある面では非常にいい国なのではないのかしら?腰の曲がった、ほとんど歩けないようなお年寄りが迷惑がられずに旅ができる国って、幸せよね。

ところで、他のテーブルの人たちが食後にチャイの出前を受けているのを見て・・・この食堂では飲み物はペットボトルの水だけで、チャイは別の店から出張販売してもらっているようだったのを見て・・・
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で、めぎたちもデザートを一つ頼んでチャイのおじさんにチャイを持ってきてもらった。おじさんはこのデザートを見て、うん、いい選択だよ、うまいだろ?みたいなことを言ってうちのドイツ人の方をポンッとたたいたのだが、このデザート、めぎには死ぬほど甘かった~~~
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お勘定は24トルコリラだった・・・約8ユーロ。つまり二人で1100円程度。

食後にトラブゾンの町をちょっと散歩。
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行列のできていたお店。この山のようになっている粉と野菜やケバブを食べる感じ。これ、なんなのかしら。
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最終日、トラブゾンに戻ってきたらこのお店でオリーブオイルを買おうねって話していたのだけど、その日には閉まってて買えなかった・・・返す返すも残念。
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町並みは40年前の札幌の郊外の繁華街って感じかな。
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日本人や中国人、韓国人には全く会わなかったし、ヨーロッパ人もほとんど見かけなかった。
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トルコ東部へ行くことにしたとき、トラブゾンへ飛ぶか、ヴァンへ飛ぶか、という選択肢があった。ヴァン湖にはめぎも興味合ったけど、できれば黒海も見たくてトラブゾンにしたのだった。以前ルーマニアを旅したときに見た黒海の印象が非常によかったので。で、トラブゾンってどんな町なのかな、とネットで検索したが、イランへのビザを取りに立ち寄る町らしい。そういう旅をする人にはかなりメジャーな町のようだ。数少ない日本語の旅行記を読んだが、トラブゾンに来た個人旅行者の多くがめぎと同じホテルに泊まり、同じ食堂で魚を食べている。まあみんなすることは同じって感じね♪

ここが最初にホテルを探していたときに辿り着いたバスターミナル。あのおじさんたちはもういなかったけど。
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それからチーズを売っているお店を覗いたり・・・
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この辺りで有名な蜂の巣が売られているのを見たり・・・
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美味しそうなドライフルーツをおやつに買ったり。
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ここ、夢のようなお店だったな・・・小綺麗だから、観光客向け価格かも知れないけど。
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歩きながらこんなお菓子を買って食べてみた・・・これもものすごく甘かった~~一口でギブアップ。ごめんなさい・・・
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公園の一角で上のお菓子と格闘していたとき、突然モスクから大音響が。マレーシアでも体験してもう慣れっこだが、これ、なかなかすごい轟きよねえ・・・でも、誰もそれを聞いている様子ではないのがまた不思議。(かなり大きな音が鳴るので、クリックする前に心の用意をどうぞ。)



町を歩きながら見かける人々は、めぎの教えている学生や生徒たちの中のトルコ系、アフガニスタン系、イラン系、アゼルバイジャン系などの面影とそっくりで、ああ彼らのルーツの近くに来たんだな、と親近感が沸いた。彼らが夏休みなどに里帰りして楽しむのはこういう食事、こういうざわめき、こういう空気なのかも知れない。上のビデオの轟きは、宗教的なものであるからどうも馴染めないが、思えば日本には電気街などに行けば各店から広告が大音響で繰り返されており、スーパーの中でも繰り返し繰り返し広告が流れ、駅でも電車でもしつこいほど「危ないですから」「ドアが閉まりまーす!」と繰り返され、ドイツから行くと煩いことこの上ないのだ・・・そこで生活しているとそういうものだと慣れっこになるのだが。

そしてホテルに戻ってきた。
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ところで、この日の夕食にお酒がなかったことに気がつきませんでした?そう、ここはイスラムの国。めぎたちが食べたような安い食堂にはお酒はない。で、うちのドイツ人は試しにお酒を売っているところをホテルの人に尋ねてみた・・・すると、ちょうど英語の話せる人がいなくて、でもアルコールという言葉は理解して、どこに売ってる?とその場で数人集まって議論し、あああそこだ、ええとそこに行くには、ここをまっすぐ行って、ナントカホテルで右に曲がって、するとちょこっとで酒屋がある、ほんのちょっとだ、というようなことを口々に一生懸命トルコ語で説明してくれた。身振り手振りでそういうことが分かるから不思議である。それでなんとか行ってみようと思ったらちょうど英語のできる人が戻ってきて、彼らが事情を説明すると、それじゃ私はこれから帰宅するところだからそこまで一緒に行きましょうって。

いやあ、なんて親切な国なのかしら・・・めぎたちは無事にトルコの白ワインをゲットし、それをホテルの最上階のテラスでチャイのグラスを使って楽しんだのだった。
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つづく。

撮影: Nikon 1 V1 + 10mm(F2.8)
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Baldhead1010

外国での食事は、一人前をカカとシェアです^^
by Baldhead1010 (2014-05-08 05:22) 

ちばおハム

序章…にしてはすごいボリュームです。
トルコってそんなに親切な方がおおい国なんですね。
イスラムの国かあ。ちょっと怖い感じがする。
by ちばおハム (2014-05-08 07:31) 

駅員3

いつも心温まる応援コメント、ありがとうございます。
しばらくはご訪問もままならないと思いますが、よろしくお願いします。

トルコはとても不思議な雰囲気を持つ国ですね。
さすが洋の東西がぶつかり合うところだからなのでしょうか。
by 駅員3 (2014-05-08 07:58) 

YAP

いやあ、旅の最初は軌道に乗るまでいろいろありますよね。
私たちの旅行もそうでした。
by YAP (2014-05-08 08:25) 

mimimomo

トルコはイスラム教国の中でも戒律と言うか規律と言うかゆったりですね。
でも朝6時前からコーランが流されるのには驚きました^^
トルコ旅行ではデザートが一番口に合わなかったみたいな思い出が・・・
by mimimomo (2014-05-08 08:31) 

テリー

知らない国をレンタカーで旅行するのは、わくわくしますね。
昔は、相方と、レンタカーを借りて旅行しましたが、最近は、相方が嫌がって出来なくなりました。
朝早くからモスクからイスラムの祈りの声が聞こえてくるのは、シンガポールに住んでいた頃、経験しましたが、あの声に、不思議と魅了されますね。
by テリー (2014-05-08 11:28) 

datchan

中々のアドベンチャーですね。
素晴らしい !!
昔トルコで飲んだ白ワインが美味しかったのを思い出します。
歴史的にもトルコ人は日本人に好い感情を持っている様です。
by datchan (2014-05-08 11:28) 

たいちさん

トルコは文明の交差点と云われますので、食べ物の種類が豊富ですね。
by たいちさん (2014-05-08 20:31) 

もんとれ

ああああ、もうムチャクチャ懐かしい。読んでいるだけで空気が蘇ってくるようで、大変テンションがあがります。あの「普通の顔した親切さ」。
バス停留所を訊いたら連れて行ってくれ運転手に「この子は○○で降りるからそこで教えてやって」と伝え、既に買ってあった切符を渡してくれ、お金を払おうとしたらなんの!と消えていった人、道を訊いたら教えるの止めて送り届けるんかい!な男性陣の多かったこと。世界共通、土産用のバザールの人達は全く体質が違うけれど。
イスタンブールを除いてほぼ飲酒習慣がないから菓子は男達の嗜好品。これでもかと言うほど、もの凄く甘いですよね。
by もんとれ (2014-05-09 04:03) 

Inatimy

チーズの棚に目が釘付け。 
ドライフルーツと蜂の巣とともに買って帰りたくなりますね♪ 
by Inatimy (2014-05-09 06:40) 

もとこさん。

車椅子はおよそどこの空港でも航空会社でも無料で提供しているでしょう。でも旅先での病気や怪我か、外国で高度の医療を受けるために出かける人しか利用しないようです。車椅子の人も松葉杖の人も当たり前に旅し、廻りの人も当たり前にさらっと手をさしのべる社会って良いですね。
by もとこさん。 (2014-05-09 21:20) 

もんとれ

今さらですが、書き忘れ。トラブゾン狂想曲(Der Müll im Garten Eden)という映画があります。もしご覧になる機会があったら、とメモがてら。
by もんとれ (2014-05-24 08:15)