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ホテルの向こう側 [2011-2012年 マレーシア]

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昨日から一年前の年末年始のペナン島旅行記を連載中。

昨日のちょっと殺伐とした車の排気ガスいっぱいのバス通りからホテルの中へ入ると、突然別世界。
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ここだけ見ると日本かも知れないし、アメリカかも知れないし、ドイツの大手のホテルかも知れないし、つまり世界中どこにでもある大手ホテルのラウンジに共通した雰囲気。こういうのはうちのドイツ人が実は嫌いなので、日本でもアメリカでもヨーロッパでもほとんど泊まったことがない。常に最大限の努力をして避けてきたタイプのホテル。
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ほら、やっぱりここにもこういうクリスマスツリーが。もう、これを見ただけで、うちのドイツ人の機嫌が悪くなることといったら・・・生粋のドイツ人の心深く根付く譲れない伝統としては、ツリーはこういう人工的なお飾りであってはいけないのだ。でもねえ、これが世界のクリスマスの現実なのよね。
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どうしてこのホテルを選んだのかと言えば、今回は冒険を楽しむのではなく、清潔なところで快適にただただゆっくりしたかったから。うちのドイツ人の希望は、一般にドイツ人がよく行くカリブやカナリアなどではなくアジアの熱帯地方で、海辺で海が見える部屋で、近くに屋台など地元の人が食べる施設があるところで、クーラーつき・・・屋台はともかく、今やアジアでこんな希望をかなえるところは大手ホテル以外になかなか見あたらない。海沿いの土地は買い取られ、新たに開発されてしまったのだろう。

そのようなわけで、絵に描いたようなリゾートホテルに泊まることとなった。ホテルのエントランスを抜けて海側に出ると、そこには(この国は宗教上アルコールは禁止なのに)宿泊客向けのオープンバーとか・・・
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部屋番号を言ってタオルを借りるシステムとか、完全に閉ざされた空間。
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椰子の木が心地よい木陰を作り・・・
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その下には日光浴スペース。
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そしてその向こうには海が広がっていて・・・
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海辺を見下ろしながら・・・
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一服できる。
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ここで寛いでいる人たちはみんな外国人。内訳は、まず、イギリス人を中心とした欧米人。数週間という単位で滞在する時間のいっぱいある老夫婦、または年末年始1週間くらい滞在する家族連れが圧倒的多数。もしかしたらシンガポールなどに駐在している欧米人家族が休暇を過ごしているのかも知れない。片方が欧米人で片方がアジア人というめぎ家のようなカップルも結構目についた。次に、アラブ人。大家族でやってきている大金持ちで、女性は目しか出していない出で立ちの本格的ムスリム。それからターバンを巻いたシーク教の人も家族連れで。そして、ちらほら日本人。若いカップルや小さな子どもを連れた家族連れで、2泊程度で次々と顔ぶれが入れ替わる。その他のアジア人はほとんど見かけなかった。そういう外国人客を相手にここだけものの値段の桁が異なり、お金を出せば出すほど至れり尽くせりのサービスが受けられ、ここを出なければ日常と完璧に隔絶できる。究極に居心地がよく、だからこそ同時に究極に居心地の悪いところ。だって、働いている人は若いマレーシア人(マレー系・インド系・華人系)で、この人たちはどのくらいの給料をもらってめぎたちの世話をしてくれているのだろう・・・と思ってしまうから。外の世界を見ると、めぎたちはここでこんなことをしてていいのか?とすぐに思ってしまうから。決して安くはないめぎが払った滞在費のほとんどは、めぎたちの世話をしてくれた従業員にではなく全く別なところへ流れていってしまうのだろうな。

めぎたちはここに12月28日から1月4日朝まで7泊した。
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その間にしたことといえば、卓球ではなく・・・
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こんな風に海辺やプールサイドで寝るか・・・
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プールと海で泳ぐかのいずれか。
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一日だけ島の東海岸を見に船で出かけただけ。世界遺産のジョージタウンでプラナカン文化を一カ所くらいは見ようと思っていたけれど、めんどくさくなって出かけず仕舞い。一日に1~2度外へ食事に出かけた以外は、ずっと文字通りリゾートホテルライフを楽しんだ。なんだかんだ言いつつ、うちのドイツ人ものびのびと羽を伸ばして毎日日光浴と海水浴とプール遊びと読書と昼寝を楽しんでいた(そのためにドイツから分厚い本を10冊くらい持ち込んでいた)。途中チェックアウトしている人々を見かけて「ああ、帰る日が自分たちにも来ること、想像したくないな~」などと言ったくらい。そう、様々な現実に目を瞑れば、ここはパラダイスのような居心地のよいところだったのだ。

めぎにとってもここはとても快適なところだった。変な言い方だが、何もしないということに全力で取り組めたから。休みが一週間あったとして、その間ずっとうちでのんびりするという手もあるが、めぎは結局休めない。目の前に教科書やら本やらあって、たとえ何もしなくとも、しなきゃならないことから気分的に逃げられないのだ。方やドイツからマレーシアまで飛ぶのは遠くてめんどくさいけれど、全く異次元のような空間に身を置いて、束の間とは言え何もかも忘れてリセットできる。これが例えば日本への帰省だとそうはいかない。会いたい人や会わなければならない人や買いたいものや買って帰らねばならないものなどでとっても楽しく充実するけれど休む暇がない。この「何もしなかった」おかげで去年は1月から春休みまで仕事に集中できたし、真冬に一度暑さと光と綺麗な色を堪能して精神的に非常に助かった。ぜひまた東南アジアのどこかへ冬の休暇を過ごしに行きたいと思う。
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つづく。


♪ 今日のデュッセルドルフ ♪

暖冬のおかげで、なでしこがなんとか生きながらえている。
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ちばおハム

うんうん、リゾートは日常を忘れるためにありますよね。

by ちばおハム (2013-01-05 06:30) 

Baldhead1010

”名刺交換会は”午前11時に始まり、家に帰ったのが午後8時過ぎでした。

まだお酒が匂ってます^^;
by Baldhead1010 (2013-01-05 08:01) 

krause

今朝の気温は、-5℃なので、マレーシアの景色が眩しいです^^。
by krause (2013-01-05 10:19) 

mimimomo

本当に別世界なんですね~ 同じマレーシアでも滞在の仕方が全然違う^^
ま、わたくしたちは登山に行ったのだからそれが当たり前だけれど^^
こう言う高級なホテルとは縁がなかったわ~
by mimimomo (2013-01-05 10:53) 

ぽりぽり

冬の寒い時期に常夏リゾート!これ以上の贅沢はないですね。こういったホテル、私は好きです。。
by ぽりぽり (2013-01-05 11:56) 

YAP

ドイツ人さんが日本のクリスマスシーズンの風景を見ると、卒倒してしまうでしょうね。
最近さらに品のなさがエスカレートしているような気がするくらいですから。
by YAP (2013-01-05 16:43) 

HIROMI

休暇をきちんと取ったほうが仕事の効率が上がるというのは本当なんですね。
それよりも、こんなリゾート地に卓球台があるとはっ!
あれは、日本の温泉の専売特許ではないのですね~
by HIROMI (2013-01-05 17:20) 

たいちさん

素敵なホテルですね。私は一か所にゆっくりし動かないということは苦痛に感じる方なので、私ならあちこち出歩くでしょうね。
by たいちさん (2013-01-05 23:58) 

Inatimy

家にいると、何もしないっていうことに徹底は出来ないの、分かります~。
何かしら目についてしまって、ついつい手を伸ばしてしまうんですよねぇ。
いいな、青い空♪ 心地よい暑さ。 いい写真だわ~。 元気でそう。
ここしばらく、もうずーっと曇り空ばかりなんですもの。 
by Inatimy (2013-01-06 07:01) 

テリー

ツリーが、人工的な飾りであってはいけないというのは、日本の現状では、厳しいというか、すべて、人工的な飾りですね。

by テリー (2013-01-06 09:17)