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ハイデルベルクを見下ろす [ドイツ南西の旅]

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現在10月末の旅行記を連載中。昨日のネッカー川からケーブルカーで上に上がると、こんな景色が眼下に広がる!
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さっきまでいた橋。素敵ね~
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数日前のナツパパさんのご指摘通り、ドイツの川は谷間を流れていることが多い。ネッカー川もネッカーの谷間を流れていく。ハイデルベルクはその河口辺り。向こうに流れていってラインに合流する。向こうは平地が続いて見えるけど、これまたラインの大きな谷間であり、ライン河畔の両側にはなだらかな山脈が続く。場所によってはシュヴァルツヴァルトやライン河くだりの名所のローレライの岩場のように谷間が狭いが、この辺りはちょっと平地が広い部分。
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地図で見てみると分かりやすいかな・・・少しマイナスしていくと、左側に太いライン河が見えてくる。そのライン河を中心にして上下にスクロールすると、ライン河畔の地形がよく分かる。




川の方ばかりに目が向いちゃうけれど、実はその後ろ側も素敵な景色。
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こんな綺麗な街並みの残るハイデルベルクだが、それは、戦争中にアメリカがあえてハイデルベルクをほとんど空襲しなかったから。マーク・トウェインが1878年に著書『ヨーロッパ放浪記』でハイデルベルク城について記述していたため、アメリカでは美しい町として有名で、空襲を避けたらしいのだ。でも、ドイツには同じように、いやもしかしたらもっと美しかった町がいくつもあったのに、ことごとく空襲されてたくさんの重要文化財が焼失した・・・ハイデルベルクだけが、たまたまアメリカで有名だったためにその被災を免れたというわけだ。だから、ハイデルベルク出身以外のドイツ人の多くはハイデルベルクに結構ねじれた妬みの感情を持っている。(ドイツ人が一般に嫌う)アメリカに助けられた町、という嘲笑さえも耳にする。なにしろ、戦後もハイデルベルクはアメリカ人観光客が押し寄せて栄え、近くには今もアメリカ軍基地が置かれているからだ。

それはさておき、いい天気に恵まれて良かったな。
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お気に入りのカバーをつけたiPhoneで写真を撮る妹。彼女はカメラを持参せず、ずっとiPhoneのみ。iPhoneってカメラの性能がずいぶんいいのね。
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このハイデルベルクの古城は17世紀から18世紀にかけて戦争などで炎上し、廃墟となった。その後ドイツロマン派の懐古主義によって再建しないまま残されたため、今でも廃墟のまま。
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こうして見ると様式が全然違って、時代を経て建て増しされたこともよく分かるわね~
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あ、日時計だわ♪
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このときの時刻はこちら。
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天秤と剣を持った像。ここで裁きも行っていたのかな。
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この古城の建物の中で一番有名なのが、このワイン樽。階段を上がって2階から見下ろすこともできるこの大樽、長い間に乾燥してちょっと縮んだとはいえ、219,000リットルも入るんですって。
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さて、そろそろここをお暇しないと、古城ホテルでゆっくりする時間がなくなっちゃうわ。
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帰りはこんな急な坂道を下る。これを徒歩で上っていたら、きっと今頃はへろへろで古城ホテルで散策する時間も体力もなかったかも知れないな。一人4ユーロのケーブルカー、ぼったくりだけど使って良かった。
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空にはこんな鳥が旋回していた。かなりトリミング。
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ハイデルベルクにはこうしてちらっと寄っただけだが、夏のタリン旅行でこういう古都にはおなかいっぱいだっためぎたちはもう十分という気分。もともと、休暇には町ではなく田舎に行って何もないところでゆっくりのんびりしたい・・・と思うめぎ家。かたや母たちは日本からはるばるやってきて、有名なハイデルベルクをほんの2時間弱ハイライトだけ駆け足で見せられて、欲求不満だったかも。でも、あくまで古城ホテルに行きがてら、ちょっと寄りましょうか、という程度の意識だっためぎは、古城ホテルでゆっくり時間を取りたくて、ここはさくっとお仕舞いに。旅というのはどこにどういうハイライトを持ってくるか、構成が難しい・・・そして、そのプランがどの人にも喜ばれるということはまずもって不可能だとつくづく感じる。だって、何にもっと時間をかけたいかは、人によって全く違うんだもの。
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こうしてめぎたちはハイデルベルクをあとにした。続きは古城ホテルとなるわけだが、めぎは所用により今週末また出かけるので、これから数日間はまたもや「めぎはいまここ」になる予定。この続きは所用から戻ってきてから。
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Baldhead1010

日本では町や村の近くまで人工林が進出していますが、ヨーロッパでは天然林が多そうですね。
by Baldhead1010 (2011-11-12 05:06) 

ちばおハム

川側じゃないほうの景色は圧巻ですね。
アメリカの空襲でことごとくやられてしまった沖縄にはほとんど戦前の王朝のものは残っていません。
町が一つ残されていてうらやましいです。
by ちばおハム (2011-11-12 07:06) 

あかえび

なんとかワインの大樽は覚えていました。^_^;
by あかえび (2011-11-12 09:10) 

くっさん。

ホントに綺麗な街ですね。でも、そんな戦争の逸話があったとは。
これ以上、無くさないようにしないと…

日本人観光客といえば、団体旅行でメガネにカメラのイメージで言われてしまいますが、
妹さんは新しい日本人観光客の形ですね(^^;


by くっさん。 (2011-11-12 09:29) 

manamana

この美しい町並みはアメリカで有名だったからとは複雑な心境。
私も最近はiPhoneばかりで済ませています。
10月からはどこで撮った写真でも、
家のiPadやパソコンで見られるようにもなりました。
by manamana (2011-11-12 11:11) 

krause

素敵な街、紅葉してきましたね。そういえば、「ハイデルベルク」は、世界的に有名なドイツの印刷機器メーカーが、これを会社名としています。
by krause (2011-11-12 12:55) 

YAP

ハイデルベルクにアメリカとのこんな歴史があったなんて、やっぱり知らないことがたくさんです。
日時計はなかなかの精度ですね。
by YAP (2011-11-12 15:58) 

たいちさん

ハイデルベルクとアメリカの関係について、よく理解出来ました。
by たいちさん (2011-11-12 16:08) 

マリエ

どの写真も絵のように素晴らしい(^^ )ルン♪ドイツらしくてすっかりファンになりました。いつか行ってみたいです。
by マリエ (2011-11-12 17:22) 

HIROMI

日時計の時刻を読むことができなかった…うーむ。むずかしい。
ドイツにもアメリカ軍基地があるということに驚きです。
by HIROMI (2011-11-12 17:37) 

miffy

お天気が良いので何もかもとっても美しいですね。
坂を見てそういえば登るの大変だったと思い出しました。
by miffy (2011-11-12 20:45) 

Bonheur

紅葉が綺麗ですね~。もうドイツも寒い頃ですね。
初めて行ったドイツ一人旅で、ロマンティック街道のハイライトを見、バーデンバーデンやフライブルクにも行き、最後に寄ったのがハイデルベルクでした。他の街でドイツの素晴らしさに感動しきってしまい、有名なこの街を歩いても、感動が薄れてしまったことを覚えています。
廃墟となったお城、私も行ったのですが、歩いて行ったのかケーブルカーを使ったのか思い出せず・・・11年前で、まだ若かったです。
by Bonheur (2011-11-13 01:49) 

テリー

ハイデルベルク、空襲を免れたのですね。
by テリー (2011-11-13 11:42) 

春分

美しい街ですね。地震のない大陸はいいな。
ドレスデンも美しい街であったはずだけど、あっちは爆撃したのか。
誰かが紀行文か小説に書いておけばよかったのかな。
iPad2なども割と写真が撮れますが、撮ってる姿が少し間抜けです。
by 春分 (2011-11-13 18:29) 

ララアント

ハイデルベルク・・・美しくて 素敵な街ですね!
アメリカとの経緯の故のハイデルベルク・・・ 近年の歴史も
大いに関わっているのですね!
それにしても テレビで観る以上の景色の良さを感じました。
by ララアント (2011-11-13 20:39) 

ナツパパ

いやいや、この急坂、上るのもだけれど下るのだって大変そうですよ。
石畳で滑ったり転んだりは剣呑です。
歩いて上って、疲れて下りは、危険です。
by ナツパパ (2011-11-15 17:53)