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めぎとうちのドイツ人との間の壁 [めぎ家改装中]

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めぎ家は現在改装中。
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改装するために、まずはこの部屋の壁紙を全て剥がした。
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すると、家の傷みも見えてくる。手を入れなきゃならないところがたくさん。
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壁紙を剥がすには、壁にブラシで洗剤入りの水を塗り込み、柔らかくしてから金属のへらでひっかく。うまく剥がれることもあれば、頑として引っ付いていて文字通りひっかくときも。めぎも部屋の6分の1くらい剥がしましたよ~!いやあ、なかなか大変だけど、面白かった♪
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その作業は結構大変なので、遠くからうちのドイツ人の妹が手伝いに来てくれた。彼女は引越の度に壁紙を貼り替えて何十年というベテラン。彼女が部屋の4分の3を剥がしてくれた。ありがとう~!
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そもそもなんのために改装するかと言えば、これまでうちのドイツ人の部屋だった空間を居間に作り替え、壁の向こう側のめぎの部屋へぶち抜こうと(うちはそれぞれが自分の部屋を所有していて、共有スペースとしてはダイニングキッチンのみで居間がなかった)。うちのドイツ人は、うちにホームステイしていた学生さんが使っていた元客間を使うことに。今のままだとめぎが居間やキッチンへ行くにはその元客間の前を通らなきゃならないので、お互いの独立性を保持するためにめぎの部屋から居間への通路を造るというわけである。壁をぶち抜くに当たってその辺りの壁紙を貼り替えることになるのだが、部屋中の壁紙がもう何十年も経って古くなってきていたので、思い切って全部張り替えることに。

居間とめぎの部屋との間に取り付ける予定のドアは、長い間地下室に放置されていたもの。大嵐で地下室に雨水が流れ込んだときに下が水に浸かり、ぼよぼよ~んとなっていたのをまずは真っ平らに修理。わざと濡らして柔らかくして圧縮する。
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上の部分が平らに直され、下の部分がまだぼよぼよしているのが分かります?
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こうしてぼよぼよを無事修理したあとヤスリがけをし・・・
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現在色塗り中。
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ちなみに、ドアが取り付けられるはずの場所はここ。
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めぎの部屋には、もともとここにドアがあったらしい形跡が残されている。ここにすっぽりと鏡台を入れてごまかしていた。叩くとベニヤ板のような音がして、他の壁とは全く違う。
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このドアの跡をドアに改装するというのは、大家さんにめぎとうちのドイツ人との連名で「ここを出るときには元通りに直します」という誓約書を予め出して、許可をもらった。つまり、ここを出るときにはこのドアをまた塞がなきゃ。貸家レヴェルでこの改装ができるというのは全くもってドイツならでは。借りる側が自分で壁紙張り替えするのはドイツでは賃貸でも非常によくあることだけど(汚いまま貸すから礼金がないし、家賃も安いまま据え置きだし、敷金も全額戻ってくる)、壁をぶち破るのはなかなかねえ。そして、それを自分でやるというのも、ほんとドイツですわね。

お互いの壁紙を剥がせばもともとのドアの空間を塞いでいるベニヤ板が出てきて、それを取り外せば開通すると思っていたのだが、なんと!
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ベルリンの壁ならぬ、めぎとうちのドイツ人との壁!どおりで隣の音がほとんど聞こえないはずだわ・・・我々の間にはこんな壁があったのね~と妙な現実感があって、なかなかに愛おしかったりして。いつのことか分からないが(この壁ならぬブロック塀の形状からして60年代かしら)、ドアを塞ぐことにしたときに中にこんなにしっかり壁を築いたなんて、ホントここは石の文化だなあと感心しちゃうわ。(ちなみに、ドアが入るところ以外の壁は全て石造り。石の上に何かで白く固めているだけ。)

これがなかなか固くてちょっとやそっとでは崩せない。楔を打ってがんがんごんごんがんがんごんごん・・・
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おおお!向こうに一筋の光が!!!
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壁の向こうは薄い壁紙一枚だった。
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またそのうちに続きのお話を。予定としては11月中には完成!だったんだけど、なにしろ業者を頼まずうちのドイツ人とめぎだけでの作業だし、こんな予定外の「壁」も出現しちゃったので、きっとクリスマス間際までかかることだろう・・・この壁を取り壊し、綺麗にし、ドアを取り付け、壁紙を新しく貼り、天井を塗り直し、それから家具・・・ああ、果てしないなあ・・・無事にツリーを飾れるかしら。
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くるにあ

うむ! いろんな壁がありますねぇ。 …って事は出る時その石の壁も戻すのかしら?

by くるにあ (2009-11-14 05:51) 

もんとれ

お、始まったね。臨場感ありありなドキュメントでこちらがワクワクします。生活の後ろに沈黙していた空間に壁の貫通ってちょっと象徴的。にしても壁紙剥がした裸の壁面、なんだかコラージュみたいだよ。(人ごとだと思って呑気なこと云ってるな・・)
by もんとれ (2009-11-14 06:32) 

Baldhead1010

うちも壁紙がくすんできたからなぁ・・・。
by Baldhead1010 (2009-11-14 07:57) 

のび太

本当にご苦労様です・・・。
お身体を大切に・・・。
by のび太 (2009-11-14 08:16) 

rino

ベルリンの壁ならぬ、めぎ家の壁!両方のお部屋は今までも、行き来はできたのですね。。ドイツのヴォーヌングっておもしろい!見た目にはわからないように、いろいろと改装、工夫されているですね~♪そして、またその昔、もうひとつの壁(ドア)があったなんて!
もちろん、それをご自分達で改装するってのもスゴイ!でもすごい大変な作業ですが、ドイツ人さんならできてしまうなんて、びっくり、素晴らしい!より使いやすくなりますね。出来上がりが楽しみですね♪
日本のお話、天橋立のお写真がすごく綺麗です。日本にいるこちらまで堪能させていただきました。短い貴重なお時間、素敵な旅をされましたね。お天気もよく、つかの間の日本を満喫されて、私まで嬉しくなりました(^^)
by rino (2009-11-14 08:21) 

Inatimy

ふたりで使いやすいように改装していくなんて楽しそうでいいなぁ~♪
どんなふうになるのかも楽しみ。 壁紙の色は何色かな。
あ、本棚に「海辺のカフカ」。
我が家は、いつ引越になるのか常に分からないので、なるべく借りた時のまま、ひっそりと暮らしてます・・・。
元に戻して出る時間もないかもしれないし・・・。
思いっきり、自分仕様に変えてみたい。
by Inatimy (2009-11-14 08:38) 

いとお

おお!改装中ですか!?
こうやってご自分でやるんですねぇ
すごいなぁ(^^;
by いとお (2009-11-14 08:46) 

Bonheur

TVの、お家を改造する番組みたいです。それをご自分たちでやられるというのですから、びっくりです。
お怪我などされませんように。。
by Bonheur (2009-11-14 09:05) 

Krause

とても大変そうな作業ですが、たのしそうでもありますね^^。
by Krause (2009-11-14 09:08) 

やよい

お部屋の改造、すごいですね、業者さんを頼まずに・・・・・・
ドイツ人さんは 大変さよりも楽しさがあるのでしょうね。
どのようになるか たのしみです。
by やよい (2009-11-14 09:43) 

manamana

タイトルが意味深なので、どうなることかと思いましたが、
別の意味で大変そうですね。
それを楽しみに変えてしまうところは、いいですね。
by manamana (2009-11-14 10:17) 

kakasisannpo

壁といえば、ベルリンの壁を思い出しますが
崩壊してもう何年ですかね?
最近、かっての東ドイツをなつかしむ言葉があるとFMで行っていました。
ノスタルジアにひっかけてオスタルジアというらしいのですが、
そちらの現状はどうなのかしら?
by kakasisannpo (2009-11-14 10:41) 

ぽりぽり

壁の中に石積みがあるなんて、ドイツの家ならではですねぇ~。本格DIYですね!これだけ出来れば、ログハウスのセルフビルドなんても出来るかもしれません。子供の頃から学んだノウハウがありそうですねぇ。見習わなくては。。
by ぽりぽり (2009-11-14 11:00) 

とよっち

タイトルから何事か?と思ってしまいましたよ。
ドイツには、ベルリンの壁以外にも壁があったんですね。
この壁、めぎ家の壁としてお土産に・・・
by とよっち (2009-11-14 11:45) 

アヨアン・イゴカー

ドイツ人、ドイツ文化の逞しさを感じます。「人間力」があるような。
by アヨアン・イゴカー (2009-11-14 11:58) 

piano

自分たちで部屋の改装をしちゃうんですね(@_@)
びっくりです!
by piano (2009-11-14 12:35) 

母ちゃん

「業者に頼む」って提案はされたんですか? きっと最初からご自分たちで改装されるご予定ですよね~(^^)
by 母ちゃん (2009-11-14 12:44) 

マリエ

凄い!ホントに自分でやるんですね、日本ならリフォーム屋さんに電話しちゃうのに、でも面白そう、(^^ )ルン♪こんな壁があったらますます
やる気になっちゃう、これからの作業、気をつけて、頑張ってくださいね。こちらは見物楽しみですよ~d(^_^o) ネッ
by マリエ (2009-11-14 15:22) 

Jalana

しばらくは週末のお楽しみ?が続きそうですね。
私ならブロックの壁を発見した瞬間に「やっぱりやーめた。」
とあきらめてしまいそうです。
しかし、こういう板のそりを直す方法なんてどうやって
習得されたんでしょうね。尊敬します。
by Jalana (2009-11-14 16:20) 

ナツパパ

なんでも自分でする、というのが良いなあ。
わたしは不器用なのですが、それでも自分たちの手で改装したら
愛着が湧きそうです。
修理も楽に出来そうだし...とりあえず、壁紙からやってみようかなあ。
by ナツパパ (2009-11-14 16:54) 

MANICAT

以前からのブログを拝読しておりますがドイツ的習慣では
自分で作業するのが普通とは知っておりましたが、
まさかここまでするとは驚きました。

by MANICAT (2009-11-14 18:30) 

YAP

今日の記事は驚くことばかりです。
賃貸物件をここまで改修して良いと許可してもらえることや、業者に頼まずご自分たちでやってしまうこととか。
ご自身たちでやり遂げた後は、達成感もひとしおなんでしょうね。
作業の経過も期待しています。
by YAP (2009-11-14 18:55) 

春分

「壁」はそんな話かと思いました。
でも、一つ一つの作業の様子が絵になりますね。
by 春分 (2009-11-14 19:57) 

miffy

ドイツの方ってみなさん器用なんですね。
何でも自分の手でやってしまうなんてスゴイです。
by miffy (2009-11-14 20:41) 

きこじじ

すごいですー!
石の壁。さすがドイツですね。
どんなお部屋になるのかとっても興味あり、楽しみです。
by きこじじ (2009-11-14 20:53) 

めぎ

>みなさま
ドアの工事と壁の話にコメントとniceをありがとうございました。
ドイツの人はなんでも自分でやる、と書かれてもどうしても普通日本人にはピンと来ませんけど、つまりこのように本当になんでも自分でやるというのをお見せできる機会がやって参りました。業者に頼もうという案はもともと全くありませんでしたよ。日本だったら絶対に業者に頼むだろうね、という話はしましたけど。
なぜ自分でやるのか・・・それは、簡単に言えばケチだから。自分でできることを人に頼んでお金を使いたくないのです。また、お金は休暇のためにとっておきたい、ということもありますね。それから、金銭的に豊かじゃない、つまり貧乏だということもあります。ドイツの所得は、それほど高いものではありませんから。
例えば、普通の社員や公務員にはボーナスというものがありません。クリスマス手当がありますが、それはせいぜい給料の一ヶ月程度。等級が上であれば上であるほど率が低くなり、給料の一ヶ月の半分程度だったりします。つまり、本当にお小遣い程度、クリスマスプレゼント費用になるだけであって、それを当てにした生活はできません。夏には休暇手当が出ている会社もありますが、それもやっぱり給料の一ヶ月程度かそれ以下で、しかも公務員には廃止されてしまいましたし。月々の所得は日本とほぼ同程度ですから、ボーナス分がすっぽり少ないとイメージしていただければいいのではと思います。
そのようなわけで、みなさん子どもの頃から倹約生活に慣れています。壁のペンキ塗りや壁紙の張り替えは、みなさん幼い頃から何度か経験されてます。
それから、賃貸住宅に対する考え方の違いもありますね。こちらはとにかく物件自体が古く、100年も200年も経っている場合さえありますから、改装するととんでもない大工事になります。だから、大家が物件に手を入れて綺麗にすると家賃を上げざるを得ませんが、自分で自分の好きなようにしたいから安く物件を借りたいという人の方が多く、大家が手を入れた物件は借り手が少ないということになります。普通のドイツ人は住まいに相当拘りますから、壁紙の色や模様、キッチンの色や形や並び方など、全て自分の好きなようにしたいのです。あてがわれたまま住んでいるのは、引越の多い駐在の外国人だけかも知れません。 Inatimyさんのお気持ち、お察しします。
この壁と壁の間にあった石積みは、大家すらその存在を知りませんでした。ここをいつか出るときは、現代の素材でちゃんと絶縁すれば石積みじゃなくてもいいそうです。
板の直し方は自分で考えたようですよ。これまで数限りなくいろんなものを自分で作ったり直したりしてきましたから、応用が利くんでしょう。
予期せぬ壁の出現は、めぎとうちのドイツ人との関係を本当に象徴しているようで二人で大笑いしました。我々はこうして仲良く共同生活をしていますが、非常に深い断絶があることも常に感じて生きています。隠れていた石積みの壁は、まさにその見えない障壁を現実化して現れたかのようでした。
ベルリンの壁に関しては、崩壊後20年が経ってつい先日その記念式典が行われたときにメディアではどこもお祝いムード的な言い方でしたけど、ドイツ国民の本音を言えば、いったい何がよかったのだろう?壁が崩壊してよくなったことは本当にあるのだろうか?という気持ちも無いわけではありません。元東側の一部の人々が東ドイツ時代の良さをノスタルジックに懐かしがっていることは事実ですし、元西側は未だに、本当に20年も経ったのに未だに、統一税を払い続けているのです。いったいいつまで西側が東側の復興のためのお金を負担しなければならないのだろう、という気持ちが西側の一部の人々にあることも事実です。
それと同じく、このめぎとうちのドイツ人の部屋の壁を取り払ってドアを作り、居間という共有スペースを作ることが本当にいいことかどうか、やってみなければ分かりません。壁は、見方を変えると、お互いをハッキリ区別し、それぞれを守るという役割も果たしてきたのです。今後もそれぞれの部屋があるのでまあ大丈夫だとは思うのですけど。我々が仲良くやって行くには、それぞれが独立していることが最も重要なのです。
のび太さんのコメントが心に滲みました。きっと同じようなご経験をなさっているのでしょうね。
とよっちさんの案、素晴らしいですね~爆笑しました。もしも、もしもこの壁のかけらを欲しいという方がいらしたら、クルーザーでご連絡下さいませ♪
by めぎ (2009-11-15 18:16) 

たいちさん

大作業ですね。ベルリンの壁に譬えた考察を興味深く読ませていただきました。我家は狭いので、独立した空間がありませんね。
by たいちさん (2009-11-16 12:13) 

めぎ

>たいちさま
日本に普通のご家庭は、夫婦がそれぞれ独立した空間を持つことってあまりないですよね。
by めぎ (2009-11-17 08:18)