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ドブロジャ地方3(町の様子) [ルーマニア]

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今日はドブロジャの町の様子を。例によって車のガラス越しの撮影のものが多く写りがおかしいけれど、どうぞご容赦を。まずは、一日目に通ったBraila(ブライラ)という地方都市。
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政党のプラカートが至るところにあって選挙戦中のように見えたが、選挙は去年の冬だったはずだし、うーん・・・いつもこうなのかしら。
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町には車が結構いっぱい走っているし、トラムもある。町と村とでは相当な格差があるようだ。
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教会はとても立派。
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Braila




次に、一夜明けてドナウデルタ地帯の小さな町、Mahmudia(マハムディア)やMurighiol(ムリグヒオル)の辺り・・・町の読み方は想像なので、もしかしたら違うかも。ちょっとトルコ風の名前で、ここが微妙な地域であることが伺える。
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このように、集合住宅にはサテライトTVが普及していることがよく分かる。このような暮らしをしつつ、アメリカ映画のルーマニア語吹き替えなどを見ているわけで、彼らが豊かな生活を求めて西側へ移動するのも時間の問題だろう。
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めぎにとってサテライトTVや携帯電話は、その他の様々な都市生活のインフラ発展に伴って導入されてきたというイメージが強い。白黒テレビからカラーテレビになり、その後かなり経ってから衛星放送が導入されていったという歴史や、黒電話がプッシュホンになりFAXが導入され子機が出現しPHSやポケベルが流行始め・・・という歴史の延長線上に携帯電話がある。その歴史とともに、日本の町の景観もどんどん変化していった。それに対し、ここに写っているアパートや雑然とした整備されていない道路の様子(電信柱の上にはコウノトリの巣!)は、めぎが生まれた頃かもっと以前の日本の景観であって、携帯電話を初めて手にした頃の景色とは雲泥の差だ。しかし、ルーマニアでは町にはパラボナアンテナが至る所に取り付けられ、町の住民は皆、そう、みんな一人一人携帯を持っていた。最新技術がこのような所へポンといきなり入り込んでしまっているのが妙に落ち着かずミスマッチだと感じるのは、先進国の人間の勝手なイメージなのだろうけど、どうも不思議な感覚だった。
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ルーマニアが今更黒電話や大きな子機から始める必要は全くないし、大掛かりな工事が無くてもこうして世界とつながることができるなんて、素晴らしい。ただ、なんというか、この様子を見るにつけ、日本の明治維新や戦後の状況・・・技術のみをどんどん取り入れ、その背景にある歴史や文化や思想やものの考え方などは後回しになったこと・・・を彷彿とさせるのだ。便利さだけを追求したり国力アップだけを目標にしたりしていては様々な問題があとから浮上してくるのは目に見えている。考え過ぎじゃなければいいけれど。


Mahmudia




最後に黒海沿岸都市、Constanta(コンスタンツァ)。これは考古学博物館。
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その近くにあるモスク。
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この辺りはコンスタンツァの観光中心地。ブカレストの人たちが休暇を過ごしたりする場所のようだ。
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ところが・・・
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びっくりするほど瓦礫が多く、寂れている。
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でも、西側文化はしっかりと入ってきている模様。
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このすぐそばには黒海。
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ルーマニアの貨物輸出入の半分はここで行われているとか。
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ドアを開けたまま走るバス。ずいぶん綺麗な色だなあ。
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これがドブロジャ地方最大の都市のど真ん中の現状。
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Constanta




明日は車の話を。
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コメント 26

Krause

ドブロジャ地方1から興味深く読ませていただいています。そして、写真を1枚ずつじっくりと見ています。
距離だけみると、ウィーンから7・8時間でいけてしまいそうなエリアなのに、景観ががらっと変わってしまうのですね。
by Krause (2009-06-02 03:18) 

tanpopo

町と村での格差がすごいですね。携帯電話やサテライトTVが入り込んで、急激に生活も変化していることが伺えます。親の世代と子どもの世代では、全く異なる生活と価値観を持つようになるのでしょう。めぎさんのおっしゃるように、急速な変化が社会にきしみを生み出したり、今まで培われてきた色々なものを置き去りにしてしまわないか、心配ですね。
by tanpopo (2009-06-02 04:33) 

母ちゃん

町の様子も何だかもの悲しい感じがしますね~。廃屋はどうしてあのままなのか気になります。
by 母ちゃん (2009-06-02 05:44) 

くりっぴ

壊れかけているビルに驚きです。
モスクは、やっぱりたまねぎ屋根なのですね。(*^_^*)
看板やバスはきれいですね。
バス・・・・とても長いような気がします。
by くりっぴ (2009-06-02 05:53) 

mimimomo

おはようございます^^
都市部と農村部の違いは昔の日本を彷彿とさせますね~
発展途上国は多かれ少なかれそうなのかもしれません。
発展の仕方は国それぞれ、多分仰るようにインフラ整備が必要なく
楽な方へ流れるのでしょう~
昨年ブータンへ行った時、同じ状況を見ました。
明治や昭和初期、あるいは戦後日本、そして今の日本が混在しているような印象でした。
ただブータンの場合は、こう言う都市部の発展はそれほど極端でなく
一種の共産圏のような《王国ですが》雰囲気でした。
by mimimomo (2009-06-02 06:02) 

Baldhead1010

高知でもこの国の電車が走っていたかな?
by Baldhead1010 (2009-06-02 06:31) 

manamana

廃墟は、戦争かなにかのあとでしょうか。
途上国だと技術の進歩が、一気に来ますね。
20年以上前、日本では携帯が珍しい頃、
香港では皆携帯電話を使っていたことを思い出します。
by manamana (2009-06-02 06:45) 

YAP

町の様子もどことなく寂しさ漂う景色ですね。
新しい技術がポンッと放り込まれた現状は、たしかに不思議な光景だと思います。
by YAP (2009-06-02 08:12) 

塩

ルーマニアをこういう形で拝見させていただいていろいろ考えさせられました。戦前の日本をある程度は生きてきましたので(何か変な表現てすね)、その意味が含まっているのかも知れません。
by (2009-06-02 09:19) 

ナツパパ

街の様子を拝見すると、ヨーロッパと言うより中近東の雰囲気を感じます。
トルコと近い、地理的にも文化的にも、所なのですね。
携帯の機能のうち1/10も使いこなせないナツパパです。
by ナツパパ (2009-06-02 09:35) 

ひろころ

何と言うか、様々な時代が混沌と雑多に存在しているような印象です。
立派な建物や新しい乗り物が走っている一方で、瓦礫のような廃墟。
3~4世代前(と思われる)の生活環境でも携帯は普及してるって、
やっぱりアンバランスで奇異に映ります。
そういえば、アジアを旅行している時にも似たような心境になりました。
by ひろころ (2009-06-02 09:53) 

くっさん。

電話線を引くよりも、電波塔を立てて、携帯電話を持った方が効率がいいのだとか…
僕もめぎさんに同感です。
パリやローマでは、古い建物が大切にされ、昔ながらの町並みが残っているのに、
日本では町家が壊されて、ビルやマンションになっている。
これは、急激な変化で自分達の文化を見直す時間がなかった結果かもしれません。
by くっさん。 (2009-06-02 11:32) 

いとお

ホント新しいものと古いものがごっちゃになっているというか、
とっても違和感あるけど、それって私たちの偏見なのかもしれないですね。
なんだかとっても不思議な感じです。
by いとお (2009-06-02 12:19) 

マリエ

村の様子と街の感じが全然ちがいますね、しかも都市部といっても殺伐としていてさみしいかも、昭和30年ころ日本もこんな感じでしたよね、所変われば・・・・で違う文化を見せていただいて、世界は広いんだ、って分かりました。
by マリエ (2009-06-02 13:13) 

ぽりぽり

都市部は随分と雰囲気が違いますねぇ。アパートは、昔の公団住宅(文化住宅?)の趣きです。。 ルーマニアなんて一生行くことがないし、情報もないので楽しく拝見していますよぉ。
by ぽりぽり (2009-06-02 17:19) 

wakatate

廃墟と化したビルがそのままに、新しいビルが
出来るのは不思議ですね。また衛星放送のアンテナを
個人個人で取り付けるのは珍しいですね。
by wakatate (2009-06-02 19:23) 

どらっち

スラムですね。シカゴの周りもこういう感じの町並みが
見られます。怖いので、カメラも向けられないし、車も
ゆっくりと走る事なんて出来ないです。
治安の方はどうでしたか?
また中心部だけさらに整備されて、取り残されそうな感じも
しますね。そこにまた人が集まって、西にも流れて。
どうなっていくんでしょうね。
by どらっち (2009-06-02 19:55) 

のび太

ルーマニアの記事をじっくりと
読ませていただいています。
いつか訪れたいですね。
by のび太 (2009-06-02 20:19) 

ふくちょ〜

ルーマニアには、知り合いが青年海外協力隊で行っていました。
ボクは殆ど知識ないです。勉強になります。
by ふくちょ〜 (2009-06-02 20:40) 

きこじじ

前の記事からずっと見ました。

勉強になりました。






by きこじじ (2009-06-02 20:58) 

春分

確かに、何かタイの田舎を見るような空気を感じます。
by 春分 (2009-06-02 21:22) 

kaz777

中国の例ですが、全国くまなく電話線を敷設するより
要所要所に携帯電話のアンテナや基地局を設置するほうが
インフラが安く済むのだそうです。
でもまだ携帯電話も使えない地方や、買えない人も多いんだと
思います。
ルーマニアもそのような事情ですかね。

by kaz777 (2009-06-02 23:46) 

やよい

都市部と農村部の格差は結構あるようですね。
携帯電話が普及している事に驚いています。
by やよい (2009-06-03 00:02) 

めぎ

>みなさま
ドブロジャ地方の町の話にコメントとniceをありがとうございました。
町と村はかなりの格差がありました。でも、このような町の状態を見ると、町に住んでいるからといって幸せなのかどうかはなんとも分かりませんね。
もともと発展途上国へ行くつもりだったらこんなに驚かなかったんですけど、なにしろEU圏内の国内旅行気分だったものですから、ドイツとの違いにかなり戸惑いました。
治安はなんとも分かりません。車を降りてちょっと休憩しても別に危なくはなかったですが、基本的に人のいなくて景色のいいところでしか休憩しませんでしたし。
バスはヨーロッパサイズというところでしょうか。ドイツもこんな感じです。ドイツのお下がりをペンキ塗り直して使っているようでしたよ。
by めぎ (2009-06-03 05:21) 

たいちさん

表の顔と、裏の顔の二面が、近くで見られるのですね。最新技術だけが取り入れられるのは、仕方ないですが、人の情緒面の成長が心配ですね。
by たいちさん (2009-06-03 13:17) 

めぎ

>たいちさま
町は町でかなり貧しそうでしたから、村と町とで格差があると言っても、どちらが表か裏かよく分からない感じでしたよ。
by めぎ (2009-06-05 05:19)