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ゲルリッツ [ザクセン&ザクセン・アンハルト]

今日はさらに東へ進み、ザクセンの端っこのGörlitz(ゲルリッツ)という町へ。

Görlitz




こちらは市庁舎。
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ここは、ドイツの少数民族ソルブ人(Sorbe)が多く住んでいるところ。ドイツ国内に6万人ほど住んでいて、ソルブ語を話す人は2万人くらい。ソルブ人が住んでいる地域をLausitz(ラウジッツ)という。ゲルリッツ出身のドイツサッカーのキャプテン、ミヒャエル・バラックは、ソルブ人らしい。

ソルブ人の地域では、表示がドイツ語とソルブ語の両方で書かれている。
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北海道でアイヌ語表記を導入したと考えてみると、この意味が想像できるかしら。

街並みはスラブ系の匂いはなく、ドイツだった。
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聖書の物語が壁画になっている建物。どこまで行ってもキリスト教だなあ・・・
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この町の真ん中に、ナイセ川が流れている。
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その両側をよく見ると・・・
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そう、こちらはドイツ。
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こちらはポーランド。
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一番上の地図のマイナスを2回くらい押すと、この川が国境になっているのが見えてくる。
この橋を渡るとポーランド。東ドイツが西に統合され、さらにポーランドがEU、さらにシェンゲンに入った今でこそ、こうして国境を歩いて簡単に渡ったりできるけど、冷戦の頃ってここはどんなんだったんでしょ。東ドイツもポーランドもともに東側。その頃の東側諸国間の国境検査はどうだったのだろう。この橋の上に人がいることってあったのかしら。いつもたくさん往来していたのかしら。うーん、知らないこと、いっぱい。

さて、教会の上にのぼってみましょ。
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残念ながらドイツ側しか見られなかった。屋根が綺麗!統一された色遣いって本当に綺麗。こんな景色をバラックも見たのかな・・・などと想像したけど、バラックは赤ん坊のときにザクセン州の別の町に引っ越してゲルリッツでは育ってないから、この景色は見たこと無いかも。どうなんでしょ。バラックに聞いてみたいものだわ・・・
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ここでも時々、壊れている建物が目につく。
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とは言え、ザクセン州は、ザクセン・アンハルト州と比べると、ずいぶん綺麗な町が多い印象。この差はいったいどこから来るんだろうか。あーほんと、よく分かんないこと、いっぱい。

ちょうどこの塔の上にいたとき、10時だったか11時だったか忘れたけど定時になったので、すぐ横にある鐘の音が聞けるかなと思ったら、塔の一番上で番をしていたおじさんによると、この教会の鐘は今は定時を刻まず、週末のミサのときや結婚式のときなどにしか鳴らさないのだそうだった。残念。鐘は複数あり、どのときにどの鐘を鳴らす、というのが決まっているそうだが、いくつもあった中世由来の鐘の多くは戦争のときに取り上げられ、溶かされてしまったという。残った由緒ある鐘を特別に軽く一発だけ鳴らしていただいたのだが、それは日本のお寺の鐘を思い出させるような、非常に渋く、深みのある感慨深い音だった。
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bonheur

ポーランド、いつか行ってみたい国の一つです。ドイツとの国境の町なんて自分ではとても廻りきれないでしょうから、こうして見せていただけるのは貴重な機会です。クリーム色の壁、時計台、素敵です。
by bonheur (2008-08-14 03:18) 

Inatimy

スペインで住んでた町には、廃墟のような建物が、
あちこちにあったので、それが普通になってましたが、
確かに、西側だったドイツの地域を旅すると、
ものすごくきちんと建物が手入れされてる印象を持ちます。
で、我が家の近所の教会も、定時には鳴らず、
日曜日の朝9時50分ごろに鳴ってますね・・・。
by Inatimy (2008-08-14 05:53) 

Baldhead1010

アイヌ語って、標記はどんなんだろ?
by Baldhead1010 (2008-08-14 06:13) 

春分

ソルブ、また新しい単語だ。勉強の種は尽きない。
アイヌ語の表記はどっかで見たなー。
by 春分 (2008-08-14 06:51) 

Mimosa

ドイツとポーランドの国境が川になっていて、どちらの風景も見れるというのはいいですね~。
同色の色合いで統一された屋根が並ぶ街の景色、本当に綺麗ですね。プラハやリヨンの街を思い出しました。
鐘を特別に鳴らしてもらえたのですね!この街を訪れたいい思い出でしょうね~♪

by Mimosa (2008-08-14 07:08) 

もんとれ

ポーランド・カトリック教会の寄宿舎にいた頃、シスターたちが厨房や掃除婦の肝っ玉母さんたちと交わすポーランド語会話の中に、東側出身のスラブ人の寮生も加わって、びっくりしたことを思い出す(民族的な意で)。プロテスタントも私のような無宗教も混在した多国籍寮だったけど、当時は生活し始めたばかりで、全員集合の食堂光景や会話を楽しもうとする余裕がなかったことが悔やまれるなぁ。
by もんとれ (2008-08-14 09:16) 

ひろころ

市庁舎の時計の顔がステキ♡
ドイツとポーランド、ぱっと見た感じだけでも街並みが違いますね!
塔の上から片側しか見れなかったのは残念でしたね~(ノ_-。)
でも景色は綺麗(^^*) 
ザクセン・アンハルトは何故あんなに寂れてしまったのか。非常に興味深いです…。
by ひろころ (2008-08-14 10:08) 

チバップリン&マリエ

こちらがドイツであちらはポーランドって・・・日本にしか住んだ事無い者にとって、何だか不思議です。そうそう、いやな時代を思うと胸がズキン!としますよね。平和がいちばん、でも文化の違いは伝統で残して欲しい、と感じます。
by チバップリン&マリエ (2008-08-14 10:14) 

miffy

市庁舎の時計の顔がシュールですね。
ソルブ人はアメリカやオーストラリアにも移住してますよね。
旧西ドイツの綺麗な街並みに比べると旧東ドイツの荒廃の様子は寂しいですね。

by miffy (2008-08-14 11:27) 

wakatate

市庁舎の時計台も時計も豪華版ですね、

中世由来の鐘の多くは戦争のときに取り上げられ、
溶かされてしまったなんて、日本でも同じでしたね、
やはり、戦争は二度と起こさないでほしいですね。
by wakatate (2008-08-14 11:44) 

夢空

少数民族ソルブ人、初めて知りました、、知らないことたくさん!
鐘の音は、心に響きわたりますよね(^.^)
by 夢空 (2008-08-14 14:52) 

rino

おはようございます(^^)
東方面へのめぎさんの旅行記とコメント、とっても興味深く
見させていただいてます。
興味がありすぎて、なんとコメントに書いていいかわからない
くらいなんですが、
統一してもう18年になるのですが、こうして写真を見せていただくと
今でもやっぱり違いってありますね。冷戦時代の暮らしは
あまりにも西と東では生活の豊かさの差はありすぎましたから。
私は東ベルリン時代、日帰りでドレスデンとか、ポツダムとか
ちょっと近場は時々散歩がてら行ったことはありましたが、
東側をちゃんと旅行などで周ったことがないのです。
行きたい・・と思わなかったというのがその頃の本音でした。
もっといろいろなことに興味を持っていれば、よかったな~と
今でこそ、思いますが、、、
今日はこの辺で・・・(^^;)


by rino (2008-08-14 16:11) 

さとふみ

屋根の風景、好きです。
by さとふみ (2008-08-14 16:16) 

てんとら

時計からなにから装飾がステキだな~^^
ソルブの人々の話、初めて知りました!
知らないことって本当あとからあとから出てきて・・・
それに悩んだりもしますが、同時にとっても楽しいですね!
by てんとら (2008-08-14 17:33) 

きぃ*

ただいま帰りました <(_ _)>
留守の間にもご訪問くださいまして
本当にありがとうございました。
すごく嬉しかったです。
by きぃ* (2008-08-14 17:57) 

misaboo

統一感ある屋根が素敵。
登ってみたい。な。
by misaboo (2008-08-14 18:30) 

のび太

このゲルリッツという街に
関心がありました。
めぎさんのブログを読み
参考になりました。
ソルブ語ってどんな響きなのでしょうか・・。
by のび太 (2008-08-14 19:37) 

ぽりぽり

ドイツにも少数民族がいるのですね。 綺麗な街ですねぇ。教会の塔からの眺めは格別ですね!
by ぽりぽり (2008-08-14 19:59) 

blume

( ̄□ ̄;)ギョッ
今にも崩れそうなお家。
大丈夫なんでしょうか?
by blume (2008-08-14 21:27) 

ララアント

バラックがソルブ人って・・・ どこかドイツ人とは違うかな!?と
勝手に思ったりしています。
ソルブ語を大切に思って使っているのか ドイツが話せないのか
興味があります。
でも 標識が 両方を使っているのだから 皆が認めているソルブ語
なんですね。
川を挟んでの ドイツとポーランド 佇まいは やはり違いますね。

by ララアント (2008-08-14 22:09) 

tanpopo

めぎさんのおかげで、ドイツのいろいろな姿を知ることができ、
本当に勉強になります。ソルブ人についても初めて知りました。
鐘の音……私も聴いてみたいです。
by tanpopo (2008-08-14 22:14) 

ケイクス

ソルブ人のお話、とても興味を持ちました。
アイヌ人との比較も。。北海道の地名は
アイヌ語を漢字にあてはめているのが
多いはず。アイヌの人々は元来文字を持たなかった
ような、インカの人々のように。。
違ったかしらん(^^;;
by ケイクス (2008-08-14 23:34) 

luces

どこの街も美しいですねー。杭までそれぞれの国旗カラーなところが面白いです。
アイヌ語は口承言語で文字は無いそうです。明治時代、地名を決める時に、和名ではなくアイヌの呼称を残したことがアイヌ語の保存に貢献することとなったという話を聞いたことがあります。
by luces (2008-08-15 01:58) 

めぎ

>みなさま
ソルブの町ゲルリッツの話にコメントとniceをありがとうございました。
ここへ行ったとき、ドイツに端っこという地理的なことも手伝って、ずいぶん北海道のことを思い出しました。北海道も島ですから普段の生活の中では国境はなかなか感じられませんが、日本の端っこですし、北方領土は肉眼で見えますし、アイヌ文化もありますし、ゲルリッツと境遇が似ているなあと感じまして。アイヌ文化は口承文化で、文字はなく、地名はほとんど漢字が当て字されて既に標準化されてますから道路標示を二通りにする必要はありませんね。高校時代の彼氏が花畔というところに住んでいたのですけど、さて、花畔って、どう読むでしょう?答えは明日書きますね。
ドイツといえば可愛らしい夢のような景色の続くロマンチック街道と、オクトーバーフェストで有名なミュンヘン、クリスマス市で有名なニュルンベルク・・・と、美しいバイエルンの景色が代表的ですが、ドイツには北に行けば海もあるし、真ん中には旧東西ドイツの国境周辺の寂れた町があるし、東へ行けばポーランドやチェコとの国境があるわけで、日本と同様、東西南北様々な顔を持ちます。バイエルンは、日本で喩えれば京都のようなところ。その国にとって重要な文化と伝統を今に伝える場所ですが、それだけでその国全体を語ることはできないですよね。毎日ドイツのニュースを聞いていて、様々な地方の問題を耳にするうちに、また、ドイツ中から来ている学生たちの様々な思い出話を作文で読んでいるうちに、その地方を実際に自分の目で見て、自分の肌で感じたい、と感じるようになりました。でも、一回見に行っただけでは、もちろん分からないことがいっぱいです。
ゲルリッツの鐘の音は、川を隔てたポーランド側にも聞こえるはずで、国境というのは不思議なものですね。うちの近くでも毎定時鳴らず、日曜日のミサや礼拝の前に聞こえてくるだけの教会がいっぱいありますが、小さい村では毎定時鳴ることが多いです。そういえばアルザスでは15分ごとに鐘が鳴ってました。夜中、ちょっとうるさいなあと感じたものです。
そういえば、ポーランドはシスターが多いですね。あちこちで見かけました。
by めぎ (2008-08-15 04:49) 

アヨアン・イゴカー

人の顔のある時計の文字盤いいですね!
それと、最後の写真の壊れかかった建物、いいですね。国は違いますが、幸福の王子に出てくる貧乏作家が屋根裏に住んでいそうですね!
by アヨアン・イゴカー (2008-08-15 08:44) 

mustitem

少数民族の話,いつも考えさせられます。
by mustitem (2008-08-15 22:58) 

たいちさん

川を隔てて、国境があるなんて、日本では実感できませんね。
by たいちさん (2008-08-18 14:11) 

めぎ

>みなさま
国境というのは日本にいると非常に遠い存在ですよね。北海道育ちのめぎには、ここから向こうが他県、というのも、実感できにくかったですよ。
by めぎ (2008-08-23 05:03) 

だい

先週日曜にゲルリッツに行ってきました。本当にきれいな町でしたね。
天気がよくて最高でした。教会の中にあるカフェが気になりました。
by だい (2008-08-23 09:55)