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C.D.フリードリヒ展覧会 [プチ教養]

今、デュッセルドルフから電車で30分くらいのエッセンという町で、C.D.フリードリヒの展覧会が開催されている。
C.D.フリードリヒはご存知?
ドイツで画家といえば、この人。ドイツ・ロマン派の画家だ。
ドイツに帰化する外国人に課されているドイツ常識試験にも当然出題されている。

主な作品は、ベルリン・ハンブルク・ドレスデンに常設展示されていて、そこは全て制覇してしまったし、もともと何かのコンセプトで集められた展覧会より常設展示で絵を見たい性質なのだが、フリードリヒともあればやっぱり行っておこう、と思い、訪ねてきた友人と一緒に見に行った。

Essenの中央駅からMuseumbusが出ていて、その美術館まで直通で行けるようになっているのだが、なんと普通のチケットは使えず、特別料金2ユーロ(往復)を買わされた。これがそのバス。

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次にその美術館。Museum Folkwang Essenという。ちなみに、カメラを忘れたので携帯で撮影。画像がイマイチだ。

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中に入ると、チケット売り場に長蛇の列。
我々、10時の開場とほぼ同時に到着したのに、もうこんなに?とげんなり。
そして、大人の入場料は12ユーロ!うーむ、ぼったくり。
でも、我々は一応大学に所属してるので、学生料金でもぐり組むことに成功。
学生料金は27歳以下までってことだったけど、生年月日までは確認されなかった。まあ、東洋人の我々は若く見えたのだろう。そういうラッキーなこともたまにはある。
チケットと共に、結構立派なパンフレットをくれた。中身は、主な展示の写真とその解説、この展覧会の部屋ごとの解説など。

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展覧会会場は、人・人・人。
ドレスデンなどの常設展示はほとんど貸し切り状態だったのになあ・・・
上の写真の左側に写っている絵は普段ドレスデンにあるのだが、だれーもいなくて、私はその絵の前で30分もゆっくり堪能したのだった。右側の絵はハンブルクにあるのだけど、こちらも人はまばらだった。ベルリンはさすがに人が多かったけど、一つの絵の前に3人以上が並ぶことなんて無かった。
しかし、ここエッセンでは、左の絵の前に30人もの人が見入っていたのである。たいていのドイツ人が説明のイヤホンを4ユーロで借りて聞きながら回っていたので、絵の前にじーっと立って本当に見入っている。
その様子を写真に撮りたかった・・・

左側の絵の空のピンクと、右側の絵の男性の服の緑色が、なんとも鮮やかで印象的。このようにパンフレットや画集になると、本物の絵の色彩がやっぱり変わってしまっている。本当は、びっくりするほど鮮やかなのだ。
男性の影側(背中)の服の色がこんなにも緑色なのをみて、一緒に行った友人は、フリードリヒはゲーテの『色彩論』を読んでいたんじゃないか、と推測していた。なるほど。

展示の部屋は13室もあり、70点の油彩、100点以上の素描や水彩が展示されていて、私は途中で飽和状態になった。展覧会は、本当に辛い。私はやっぱり、常設展示で数点を堪能する方がいい。

「海辺の修道僧」と「樫の森の中の修道院」以外の主な絵はだいたい揃っていて、本当に力を入れた展覧会だった。しかし、この2点が無いというのも、とても残念。ベルリンの美術館が、目玉を手放さなかったのか。
エルミタージュ美術館所蔵の絵もあって、ちょっと得した気分。エッセンのこの美術館所蔵の「朝日の中の女」が、小さいのに強烈な印象。

もらったパンフレットといい、展覧会の充実振りといい、12ユーロ+バス代2ユーロを払う価値は十分にある。しっかり元を取って満足して帰宅した我々であった。
彼の生まれ故郷グライフスヴァルトと、時折絵に描かれているリューゲン島に、いつかは一度、という思いが新たにふつふつと沸き起こってきたのだが・・・うーん、でも、いつできるかなあ・・・


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